間伐・古道沿いのテープについて

熊野古道では、よく林業について説明をすることがあります。
特に中辺路沿いは植林が大半を占めているため、この話題ができることが必須です。

間伐のタイミング

どんな木材を収穫したいか(どんな森林に仕立てたいか)にもよりますが、15〜30年生以降間伐を開始し、概ね5〜10年ごとに間伐を繰り返します。

間伐材の主な利用方法(用途)

利用方法は以下の資料をご覧ください。
製材用やチップ(製紙用、燃料用など)などとして使われます。
ただ、利用の観点からいえば間伐には利用間伐と切捨間伐の2種類があり、切り捨てだと利用せずにそのまま山に置いてきます。
林業はどうしても木材搬出にコストがかかるので、コストに見合わない材は置いてくることもよくあります。
置いてくる材は林地残材と呼ばれます(これは間伐に限らず、主伐のときに発生する材も含みます)が、平成26年は年間800万トンほど林地残材が発生しており、林野庁ではこれの利用率を向上させようと、林地残材の燃料材としての利用を推進しています。
【参考】
https://www.rinya.maff.go.jp/j/kanbatu/suisin/
(間伐等の推進について)
https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/biomass_hatsuden/pdf/001_03_00.pdf
(木質バイオマスのエネルギー利用の現状と今後の展開について  主にp.12)

古道沿いのテープの意味について

これはテープを巻いた人の意図によります。
作業をしている人に聞いたことがありますが、ある人は「これはこれから切る木に巻いている」というところから、「この木は残すための木や」というところもありました。
なので正直、その目的は持ち主によって違うということです。
国有林では調査範囲の目印になるよう木にテープを巻いたり、目印を残しておいて後から再調査したり、調査の関係でテープを巻くことがあります。