地蔵
発心門王子から水呑王子にかけて4つのお地蔵さんがあります。
いずれも特定の病や症状を治療するもので、当時はこの地域に医者がなく、こうしたお地蔵さんに治癒を祈ることが定着したのでしょう。
写真については割愛させていただきます。
発心門王子側から順にお話します。
子育て地蔵
子供の成長を祈願するお地蔵さんです。
以前、語り部さんの間ではここを子安地蔵(安産)のお地蔵さんと言われていたそうですが、地元の方の指摘によって違うということが判明しました。
ちなみに、子安地蔵は次の発心門集会所にあるお地蔵さんです。
子安地蔵
発心門集会所にあるお地蔵さんです。
以前はこのお地蔵さんを子育て地蔵として説明していたそうですが、地元の方の指摘で先出のお地蔵さんと入れ替わりました。
普通に前だけを見て歩いていくと通り過ぎてしまいます。
子安地蔵は各地に多く見られます。
歯痛地蔵
ここも注意をしないと通り過ぎてしまいます。
たまに爪楊枝が備えられているのを見かけます。
ここはご利益があって、本当に痛みが消えたとか。
語り部さんのお話では、虫歯がある一定のところまで進行すると痛みが消えるそうです。
そういえば子供のころ、歯にポッカリ穴が開いているのに平気な子がいました。
おそらく、痛みに耐え抜いた「勝者」だったのでしょう(笑)
腰痛のお地蔵さん
水呑王子跡には、腰痛に効くお地蔵さんがあります。
お地蔵さんの中央部分が真っ二つに割れていて、そこにお賽銭を入れて願うと腰痛が消えるとか。
ただし、お賽銭を置く時に腰を傷めないようにしてくださいね(笑)
そもそも地蔵とは?
首飾り、如意宝珠と錫杖をもったお姿が一般的です。
よくあちこちで見かけるお地蔵さんですが、本来の意味は何かご存知ですか?
正確には「地蔵菩薩」です。
「菩薩」とは、如来になるために修行をされている仏様のことを指しますが、本当は悟りを開いて如来になれるのだけれども、人々を救済するためにあえて菩薩のままでいて、この世に留まっておられるのだとも聞いたことがあります。
お地蔵さんの役割をざっくり言うと、釈迦の入滅後、次の弥勒菩薩が現れるまでの間を救ってくださる存在です。
その弥勒菩薩が現れるのが釈迦の入滅後56億7000万年後とされており、その間ずーっと見守ってくださる仏様です。
ただ、この56億7000万年というのは、一説によると一桁間違っているとの指摘もあるようですが。
よく墓地には6体のお地蔵さんがありますが、これは六道(地獄、餓鬼、修羅、畜生、人、天)それぞれの世界のどこかに転生したご先祖様を救済するためだとされています。
元は弥勒菩薩が現れるまで救済してくれる仏様だったわけですが、のちに様々な信仰と習合していき、病気平癒、村の守り神、必勝祈願、旅の安全祈願のお地蔵さんも珍しくありません。
中には縁切り(!)のお地蔵さんもいらっしゃいます。
また、賽の河原のお話では、浮かばれない子供を救ってくださるのがお地蔵さんです。
見た目も相まってか、このあたりから子供の守り神として定着したのでしょうね。
熊野古道、特に大辺路には「みぎハやまみち ひだりハくまのみち」などと刻まれた道標地蔵が多く祀られています。
単なる道しるべだけではなく、旅人の安全を祈願する利他精神に、昔の日本人の他者を思いやる心が現れているような気がします。
