お客様からの質問5選

ガイド中によく受ける質問5つを選んでみました。
目に入るもの、宗教的なこと、あなたのこと、熊野古道のことなど、お客様の質問は多岐に渡ります。
もし受けた時のご参考にされてください。

1.しめ縄の意味は?

海外のお客様の特徴として、目に入ったものを聞いてくる傾向があります。
その代表格の一つがしめ縄。
鳥居に張られていたり、ご神木に巻かれていたりしますよね。
それを見て「あれは何?」という質問が飛んできます。

「俗界と神域を分けるものです」

まずこう答えるかと思います。

しかし、簡単に引き下がる相手ではない場合があります。

「なぜ藁なのか?ぶら下がっている紙の意味は?」

と聞かれたらどう答えますか?

外国の方、特に欧米系の方は2週間程度かけて日本中を旅してまわることが多いです。

「今までのガイドに聞いてきたけど、初めてその意味が分かった」と言ってくれた方がいました。

その意味とは?

昔、人々はお金に代わりにお米を神社に供えていました。
お米から取れた藁は、その感謝の気持ちと、来年の豊作を祈念して供えられていました。
それが、時代が下って「神聖なもの」となり、結界を意味するようになりました。

しめ縄は雲を表します。

雷の形をした神は、まさに雷を表します。
一説によると、雷が落ちた土地というのは、作物がよく育つと言われています。

また、スカートの形をした藁は雨。

すべて稲作に関係のあるもので構成されています。

私の経験上、ここまで説明すると納得してくれます。
「しめ縄が雲で、雷が落ちた土地云々・・・」というのは、宮沢賢治の説です。

もちろん諸説あると思いますので「これが正しい」とは言いません。
しかし、重要なのはいかに自分が腹に落ちる説明であるかということです。

2.お地蔵さんによだれかけがあるのはなぜ?

これも諸説あることは先にお伝えしておきます。

私が聞いた話の中で、一番腹に落ちたものは、こういう内容です。

地蔵はあの世にある6つの世界を自由に行き来できる仏様と言われています。

昔、赤ちゃんを亡くしたお母さんが、「もし、私の赤ちゃんが間違って下の世界にいたならば、上の世界に引き上げてやってください。私の赤ちゃんがつけていたよだれかけがあります。これに赤ちゃんの匂いがついていますので、これを使って探してください」という願いから、お地蔵さんにつけ始めた・・・

あの世の6つの世界とは、地獄、餓鬼、畜生、阿修羅、人道、天道のことを指しますが、説明では私はそこまでは言いません。
これをいちいち説明していると、長くなりすぎるからです。

「よだれかけはなぜ赤いのか?」という質問もよく受けます。

なぜでしょうかね?

ご自身で調べてみてください(笑)

3.神社とお寺の違いは?

ガイドを始めて間もないころ、お客様と本宮大社を訪れた時に、境内に椅子がたくさん並べられていました。

その時は何も質問がなかったのですが、帰りのバスで「あのお寺にあった椅子は何のためだったの?」と聞かれ「は?お寺??今日はお寺には行ってないぞ?」と思ってしまい、時間もたっていたために何のことを言っているのか分かりませんでした。

「椅子がたくさん並べれていたじゃないか」と言われて思い出すことがきましたが、日本人が陥りがちな盲点だと思いました。

「外国人には神社とお寺の区別がつかない」

自分は神社だと思い込んでいるので、お寺という言葉にピンとこなかった。

今は対応できますが、最初は戸惑った記憶があります。

神社とお寺の違いですが、見分けやすいものをまずは1つだけ言うようにしています。

それは「千木(ちぎ)」です。

神社の屋根に乗っかっているあの「✕」です。

「あれがあると神社だ」と言っています。

もちろんどの世界にも「例外」はありますので、千木がない神社もあります。
特に拝殿にはありません。

また、伊勢のように「✕」ではなく「V」になっているものもありますが、これはこれで話のネタになります。

伊勢の神宮 唯一神明造

もともと、この千木は屋根を補強する役割を持っていました。

よーくみると、「V」の下の部分が屋根の縁を貫通しているのが見えます。

この「V」が、時代がくだって神社を象徴する意味の「置き千木=『✕』」に変わっていったものです。

神社とお寺の違いについては、「鳥居があるかないか」というのもありますが、神仏習合の熊野では、鳥居がありさらに「神門」いわゆるお寺でいうところの「山門」がありますので、外国人には区別が難しいです。

以前は山門と鳥居の違いについても説明をしていましたが、上記の理由でやめました。

4.何年ガイドをしてるの?

いわゆるアイスブレイクです。

正直に答えるのもアリですが、私はずっと経歴を「詐称」して「3年くらいです」とか言っていました。

・・・多分、お客様にはバレていると思いますが。

ただ、昔聞いた話では、「経験者と新人とどちらがいいか?」というアンケートをお客様に取ったところ、「新人がいい」と答えたお客様が半数あったそうです。

なので、特に詐称をする必要はないと思います。

ちなみに、和歌山地域通訳案内士会では、新人さんでもある一定のスキルを持ってもらってからデビューしていますので、新人さんでも高いスキルを持ち合わせていますよ。

5.熊野古道歩きで一番いいシーズンは?

春と秋、3、4、5、10、11月です。

ただ、秋は気候はいいですが日暮れが早いので、ロングコースを歩く時には注意が必要です。

また、10月は台風の影響を受ける時があります。

個人的には、すでに暑いですが5月が気候的にも、日照時間の点でもいいと思っています。

お客様からの質問すべてに答えられることが理想ですが、最初からなかなかそうはいかないかもしれません。

その場合はそのままにせずに自分なりに調べたり、仲間に聞いたりして自分の納得のいく答えを探してください。

それを積み重ねることで自分の知識量が積みあがっていきます。
スキルアップは現場が一番手っ取り早いです。

お客様の質問は「生の声」です。
この生の声に揉まれることによって、一番実践的な知識が身につきます。

上記に挙げたものはほんの一例です。
日本についてなど、マクロなことを聞かれる場合もあります。

例えば、「日本の車はなぜ右側通行なのか?」とか「日本人はなぜ靴を脱いで家に入るのか?」など、日本人では当たり前過ぎてまったく気にもかけていなかったことについて聞かれることもあります。

中には「(日本に来て分かったが)日本人はみんな優しいのに、なぜ戦争ではあんなに残忍だったのか?」と聞かれたこともありました。

これは同じ日本人でも歴史認識の違いによって大きく意見の分かれるところだと思います。

教育って本当に大切ですよ。

お客様に聞かれて「そういえばそうやなぁ」と改めて気づかされることもあります。
日本の内側にいる人間と外側にいる人との視点の違いを発見することも、ガイドの面白さの一つです。

他の質問集については、こちらもご参照ください。
お客様からの質問「あなたについて」
お客様からの質問「熊野の気候について」

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