
11月3日は、23日と並んで紀南地方では祭りが多い日になっています。
特に11月3日は「晴れの特異日」とされており、雨の日が極端に少ないことが特徴です。
前日の2日の大雨とは打って変わって、この日も爽やかな晴天でした。
和田家の墓は中辺路町石船(いしぶり)にあることから、「上野の獅子舞」が奉納される春日神社(田辺市下川下)までさほど遠い距離ではなかったので、墓参りの帰りにちょっと寄り道をして急遽思いつきで見に行くことにしました。
20年ほど前に、「富里まつり」で見たことはあったのですが、以前から境内で奉納されるものを見てみたいと思っていましたので、今回見ることができて良かったです。
素晴らしい獅子舞でした。
さすがは県の無形文化財です。
上野の獅子舞保存会の会長さんの話によると、上野の獅子舞も古座から来たもので、10曲の演目があるそうです(今回は6曲の披露でした)
獅子舞の由緒については、「上野の大火」で焼失してしまい、残念ながらはっきりとした史実は残っていないとのことです。
古座流の奥深さ
上野の獅子舞は、現在のすさみ町佐本から伝わったもののようです。
紀南地方の獅子舞について、ちょっと横道にそれます。
よく聞く「古座の方から伝わった」という言葉ですが、同じ古座でも色んな地域から伝わってきていると考えられます。
同じ「古座」と言っても、音色も違えば舞い方もまったく違うことから、「その大元の古座はそもそもどこから伝わったのか?」という疑問が湧きます。
「古座の獅子舞は伊勢から来た」とも聞きますが、有名な伊勢太神楽とはまったく違った音色や舞も古座にはあるため、「その『伊勢』とはどこの伊勢だ?」となり、ますます起源が分からなくなってしまいます。
伊勢太神楽
また、伊勢から古座に伝わり、古座でも各地域で独自の発展をし、さらに紀南地方の各地域に伝わって、さらに各地域で独自の発展をし・・・ということが繰り返されて今の形になったのでしょうね。
紀南地方の沿岸部の獅子舞の音色や舞は、国の重要無形民俗文化財の「古座獅子」に非常に似ていますが、同じく「古座流」と言われる「野中の獅子舞」や「上野の獅子舞」は、それぞれが独特の音色で、舞も紀南沿岸部のそれとは大きく異なります。
「舞の基本」と言われる「乱獅子」を見てみましょう。
まずは古座獅子。
次は野中の獅子舞。
最後に上野の獅子舞。
適当なYouTube動画がなかったので私が撮った動画を。

こちらからでも↓
https://photos.app.goo.gl/mNDWrSU67yUT9xsC9
いずれにしても勇壮な舞ですね。
獅子舞フリークの血が騒ぎます(笑)
舞は全部で10曲
先ほどもご紹介したように、上野の獅子舞には「道かぐら」「御神楽」「幣の舞」「神ばやし」「乱獅子」「くぐり」「剣の舞」「花がかり」「ごしゃく(刀ねらい)」「扇の舞」の10曲が伝わっているそうです。
この日は「神(しん)ばやし」「乱獅子」「くぐり」「花がかり」「刀ねらい」「扇の舞」の6曲が披露されました。
幣の舞、見たかったなぁ。
中でも「くぐり」の、頭(かしら)と尾の息を合わせて一緒に回転するところは見ごたえがあります。
この芸当は古座流の中でも珍しいそうです。
この「くぐり」の舞い方については、同じく古座流の「堅田の獅子舞」にも見られます(堅田では「くぐり」というのかどうかはわかりません)
音色はまったく違いますが、同じような舞があることに、やはり古座流が源流であることを感じさせます。

動画はこちらからでも。
https://photos.app.goo.gl/gyrNyADm7ByqQX6q8
花がかりも結構独特で、寝そべって(?)花を見るシーンがあります。

そして、この寝そべった状態で方向転換をします(!)

最後は会長さんの扇の舞でした。
さすがは会長さん、舞がキレッキレでした。
上野の獅子舞保存会では、現在13名で伝統芸能の継承に携わっているそうです。
なので、獅子舞をしながら笛をしたり、太鼓をしながら獅子舞をしたりと、一人で複数の役割を掛け持ちしながら保存に取り組まれているそうです。
この素晴らしい伝統芸能を、この先もずっと継承していただきたいものです。
最後に餅まきがありました。
赤い餅が入った袋には景品があるとのことでした。
いざ拾ってから見てみると「三の福」とかかれた紙が入っていたのでそれを持っていくと、米3kgと交換してくれました。
いやー、一日に3合以上米を食っている私にとっては、非常にありがたい賞でした。
そして、「神様はいるんだな」と(笑)
素晴らしい獅子舞を見ることができ、景品までいただき、思いつきで行ったにもかかわらず、幸せな日になりました。
