高野・熊野地域通訳案内士の現場研修で、受講生から出た質問をご紹介します。
これらはおそらく、みなさんが知りたいところだと思います。
実際にその場でお答えしたことや、このブログで追加でお伝えしたいことを併せて記載いたします。
ガイド料は1回いくら?
通常、4時間で15,000円~20,000円、8時間で30,000円程度が目安です。
当法人としては、そこから運営費をいただいていますので、ガイドの手取りは25,000円くらいだとお伝えしました。
あくまでもこれは目安なので、はっきり言って定価のようなものはありません。
しかし、ここで注意していただきたいのは、「自分はまだ駆け出しだから、これぐれいで」と、安く提示してしまうことです。
価格を下げるのは簡単ですが、今度自分が経験を積んでスキルが上がってきたときや、安く提示してしまって後悔した後などは、値上をお願いしようと思っても大変です。
また、「安かろう悪かろう」と見られてしまう可能性もあります。
スキルはそのうち、価格に追いついてきます。
絶対に自分を安く売らないことです。
ガイドになるためには、勉強をして、現場の下見にも出て、たくさんの労力とお金と時間を使っているはずです。
それを回収するのは、ガイド料しかありません。
そういった経費をガイド料に上乗せすべきだと、わたしは思っています。
ちなみに、熊野古道でのガイドについては、歴史・文化の知識もさることながら、 距離・所要時間・危険箇所・緊急時に古道から離脱ルートの有無・自然(動植物)など、 古道に関する知識と、歩き通せるだけの体力も必要になってきます。
誰でもなれるわけではありません。
ですので、古道の案内については、一般の相場よりも多くいただくべきだと考えています。
ガイド料は経験によって差をつけている?
他の団体は分かりませんが、当法人についてはそのようなことは一切していません。
ガイドとして経験の浅い人でも、ガイド業務への姿勢は100%のはずです。
その頑張りを評価すべきだと私は考えています。
ガイドのみなさんには、きちんとした対価を受け取ることで、次のガイドへの動機づけをしていただきたいからです。
経験の多いガイドを優先して依頼をかけている?
当法人では、法人に資金を残すため、代表理事であるわたしが優先的に受けさせていただいていますが、わたしの都合が合わない場合については、経験の有無に関わらず順番に依頼をかけています。
具体的な数字では、昨年2019年の依頼件数は422件あり、わたしが出動したのは112件です。
つまり、残りの約300件は、みなさんにチャンスがあるということです。
結果的にではありますが、案内できるコースが多い人ほど、依頼を受ける件数は当然増えます。
人気コースや、易しいコースなどは、案内可能な人が多いので必然的に順番もなかなか回って来ず、そういったコースしかできない人は依頼件数も少なくなります。
あたりまえですよね。
なお、当法人では、その順番に入るために「認定試験に合格する」という一定の制限を設けています。
認定試験については、こちらをご覧ください。
https://wakayamalocalguide.com/jp/2020/02/14/ninteishiken-jp/
現場までの交通費はいただいている?
耳の痛い話です(笑)
現時点で、熊野古道の案内が当法人の主力になっていますが、いただける場合といただいていない場合とがあります。
既存のお客様に対しては、これまで現場までの交通費をいただいていなかったため、改めてお願いしにくいというのが現状です。
ただ、新たに問い合わせをいただいているお客様に対しては、ご理解いただいた上でお願いをしています。
このような現状から、特に紀北の入会希望者には、そのことを理解いただいた上で入会いただいています。
経験を積むために、はじめは日本語でガイドをするべき?
結論からいうと、あなたの使用言語から始めるべきです。
日本語の語り部と、外国語のガイドでは、話すことも違います。
日本人相手であれば、すでにある程度の歴史や文化の知識はみなさんお持ちなので、分かっていることが前提でお話ができます。
そうなれば、より深いところを話さなければなりません。
例えば、「このお寺は秀吉の再建によるものです」とか「このお地蔵さんは、歯痛を治すご利益があります」など、「秀吉」「お地蔵さん」は、すでに日本人ならみんな知っています。
ところが、外国人相手であれば、秀吉の名前を出しても「?」となるだけで、「秀吉がどういった人物なのか」から説明しなければなりません。
「お地蔵さん」も同じです。
あえて固有名詞を出さない時も多いです。
日本語での講師をさせていただいて難しいと感じたところは、まさにそういったことろです。
より深い話をしないと、日本人は納得してくれません。
また、もちろん話す練習も必要になります。
わたしは講師をさせていたただく前日までには、説明の練習を相当やってから臨んでいます。
それぐらい、「話す練習」が必要なのです。
なので、私から言わせてもらえば、「そこに時間を使うなら、外国語で話す練習に時間を割くべき」だと思います。
もし、日本語での説明を想定していないのであれば、日本語でのガイドは遠回りになります。
しかし、知識を入れるのは絶対に日本語です。
それについては、また機会を改めてお話させていただきます。
下見で施設に無料で入場できる?
わたしの意見としては、下見ではしっかりと代金をお支払いするべきだと思います。
「ライセンスを見せれば入場できる」という話を聞きましたが、それは違います。
現にある施設から和歌山県に「ガイドには、『ライセンスを見せれば入場できる』と伝えているのか」と問い合わせがあったそうです。
県を困らせないようにしてくださいね(笑)
もちろん、実際にお客様をご案内している時は、ガイドは無料で入れるところはあります。
熊野でいうと、那智の滝(拝観所)がそうです。
同じ敷地内でも、三重の塔は必要です。
ご注意を。
