今回は、当たり前のようでなかなかできていない、「お客様のペースに合わせる」についてお話をします。
「そんなこと、出来ている」という方は読まなくても構いませんが、「ハッ!」と思われた方は、この先も読んでみてください。
お客様を置いて行かない
当法人、和歌山地域通訳案内士会では、ガイド指名の順番に入るために「認定試験」というものを開催します。
「認定試験」とは、ガイドが実際にお客様に見立てた当法人の会員や、一般から募集した参加者をガイドしてもらい、合否を決める試験です。
特定のコースのガイディングを、当法人の試験官が同行して評価をし、今後のガイドにおける助言をします。
その認定試験でよく目にするのが、「ガイドがお客様を置いていく行為」です。
試験では制限時間を設けていますので、慣れていないガイドは焦ります。
実際のガイドでは、バスの乗せ込みで終了という場合や、当日の宿に行くためのバスに乗らなければならない場合などが多くありますので、このような形を取らせていただいています。
特に熊野古道周辺のような、バスの本数が限られている地域では、バスの乗り遅れが致命的になる場合があります。
試験では、発心門王子~本宮大社までの案内をしてもらいますが、あの易しいコースでさえも、ガイドがガンガン歩いていき、お客様が見えなくなっても待たないというケースが度々発生し、そのたびに注意をしています。
そういった行為は、お客様を疲れさせるだけでなく、信頼も損なう可能性がありますので、注意が必要です。
では、なぜこのようなことが起きるのか、前置きが長くなりましたが、深堀りしていきます。
- 時間が気になって焦る
- 他のお客様と話が夢中になる
- 考え事をしている
時間が気になって焦る
これはさきほどお話した通りですが、「○時○分のバスに乗せて終了」という場合など、時間に制約がある場合などは、特に時間の事が気になって焦りがちになります。
結果、そのことが気になってついつい早足になってしまい、お客様のペースを乱してしまいがちです。
さらにはお客様が見えなくなっても待たないという、最悪の事態に陥ってしまいます。
他のお客様と話が夢中になる
これは私もいまだにたまにやってしまうので、自分への戒めも込めてお話しますが、ある特定のお客様との話に夢中になりすぎて、後ろの事を忘れてしまう、厳密に言えば、後ろを気にかける頻度がすこぶる落ちるということをやってしまいがちになります。
後ろのお客様から「待って」と言われて「ハッ!」と気づくこともあります(汗)
考え事をしている
これは、「このペースだと、お昼をどこで食べようか」とか、「雨が降りそうだな、ここで雨が激しく降ったらどこで雨宿りしようか」など、刻々と変わる状況に対応するための判断を迫られた時などに起こりがちです。
今晩のオカズは・・・なんでことは考えないようにしましょう。
対処法
時間が気になって焦る
これについては一概にいうことはなかなか難しいですが、解決策の一つの方法として、そのコース所要時間を熟知するということが挙げられます。
特に、ある地点からある地点までの所要時間、例えば「発心門王子~伏拝王子までは1時間半」とか、「青岸渡寺から那智の滝までは20分」などを把握しておくと、今のスケジュールが早いのか、遅れているのかが分かり、無用な焦りをしなくて済みます。
・他のお客様と話が夢中になる
・考え事をしている
もうこれは、お客様との話や考え事に集中しすぎない習慣をつけるよう、普段の案内から気をつけるしかないと思います。
絶えず後ろを振り返るクセをつけるといったほうが分かりやすいですね。
なんか答えになっていないようで申し訳ないですが、これしかないです。
少人数ならお客様を置いていくというようなことはありませんが、大人数、例えば10人くらいになってくると、やはりどうしても遅れる人が出てきます。
あまり遅れる人に合わせている、今度はペースが早い人から不満が出てきますので、難しいところです。
こういう場合は、ちょっと異論が出るかもしれませんが、ペースの早いお客様には「○○で待っておいて」と、分かりやすい場所を告げて、先に行かせるということも私はやっています。
少人数でも注意が必要
「お客様を置いていく」というレベルまでは行かなくても、お客様のペースには注意を払う必要があります。
特に、上り下りの多いコースなどでは、頻繁にお客様の様子を見るようにしてください。
では、どういったところを見ればいいのでしょうか?
- 息づかい
- 表情
- 自分のペースについて来ているかどうか
- 上りが苦手なのか、下りが苦手なのか、両方苦手なのか
などで判断しています。
以前、喘息持ちの方がリタイヤした際、やはり上記3点が基準になりました。
その時の記事も併せて読んでみてください。
滝尻~高原のような、急坂が続くようなコースでは、慣れてくると「ここで休憩」というポイントがわかってきます。
やはり「現場100回」は嘘ではありません。
また、お客様によっては、「上りは得意でも下りは苦手」とか「下りはいいけど、上りは極端に速度が落ちる」などの特徴がありますので、そこをよく見極める必要があります。
傾向として、アジア圏、特に香港、シンガポール、フィリピンなどのお客様は、こういった傾向が強いです。
休憩中は何をするの?
では、休憩中はどうすればいいのでしょうか?
私は主に以下三点を順番にやっています。
- 荷物を置くように促す
- 水分補給を促す
- 小ネタを話す
ここで注意しなければいけないことは、「小ネタや説明から始めない」という点です。
休憩のために止まったのですから、お客様にはまずひと息ついてもらうことが先です。
中には「俺の話を聞け」と言わんばかりいきなり説明を始める方も見たことがありますが、それは避けるようにしていただきたいです。
止まってすぐは、お客様もまだ話を聞く態勢が整っていません。
また、いくら小ネタや説明を持っていても、必ずしもそれを話さなくてはならないことはありません。
お客様から話題を振ってくれることもありますので、そんな時はその内容に合わせるといいと思います。
そこから自分の持ちネタを話すという方法もあります。
まとめ
今日のまとめです。
お客様を置いていってしまう原因は
- 時間が気になって焦る
- 他のお客様と話が夢中になる
- 考え事をしている
その対処法として、
- コースを熟知する
- 話や考え事に夢中になりすぎないように注意をする
少人数でも注意が必要で、その注意点として
- 息づかい
- 表情
- 自分のペースについて来ているかどうか
- 上りが苦手なのか、下りが苦手なのか、両方苦手なのか
で判断し、休憩中には
- 荷物を置くように促す
- 水分補給を促す
- 小ネタを話す
という内容でした。
ご参考にされてください。
ではまた。

