
スルーガイドの4日目です。
初日の田辺観光を除いては、熊野古道歩きは3日目になります。
だいたい、このあたりからお客様にも疲れが見え始める頃です。
この日はリタイヤが出てしまいました。
まずは日誌から。
2016年3月24日
コース:継桜王子~本宮大社
天気:晴れ
オーストラリアのお客様は特に川がお好きなようで、川辺でしきりに写真を撮られていました。
三越峠到着が予定より大幅に遅れたので、16:58本宮大社前発のバスに間に合わないと思い、宿に連絡して迎えに来てもらうようお願いしました。
お一人が発心門王子でリタイヤされたので、本宮大社までバスで向かわれました。
わたしたちが到着するまで本宮大社周辺を散策されたり、カフェでお茶を飲んだりされたそうです。
この日はもうひと方、足を傷められたお客様がいらっしゃったので宿に戻ってからアイシングとシップで対応しました。
【スケジュール】
7:00 継桜王子
12:30 三越峠
14:30 発心門王子
15:40 伏拝王子
17:00 本宮大社(中は訪れず)
出発時間はガイドに従ってもらうことを徹底する
その日のコースの所要時間を一番よく知っているのはガイドです。
たまに「1kmで〇〇分だから、〇時間で歩けるだろう」と、ちょっとトレッキングをしているお客様から異議が出ることがありますが、他のコースとは違うということを知らないから出る言葉であり、ここはきっぱりと押し通すことが必要です。
前日のコース説明で「明日の出発は7時です」と言ったとたん軽いどよめきが起こり、中には文句を言う人がいましたが、これまでのペースや、翌日は16:58のバスに乗って宿まで行かなくてはいけないことを考えると、なるべく早く出ないと間に合わないと判断したからです。
なので、ここは「7時」で押し通しました。
人数が多いと余計に時間がかかります。
トイレを使うにも時間がかかりますし、少人数の時と同じことをするのにも時間がかかりますので、余裕をもったスケジュールを組む必要があります。
もちろん、宿の朝食時間もありますので、7時出発に対応してくれる宿かどうかを事前に確認しておく必要はあります。
早く出発して、仮に早く終われば、あとは翌日に備えて宿で温泉などに入ってゆっくりしてもらうこともできます。
アップダウンの激しい熊野古道歩きも3日目以降となると、お客様にはなるべく多くゆっくりしてもらう時間が必要です。
「新岩上峠」で「リタイヤしたい」と言われる
継桜王子を出発し、わらじ峠を越えて、現在は岩上峠が通行止めになっているので、迂回路を通る必要があります。
そこを「新岩上峠」とします。
新岩上峠頂上までの平均所要時間は、約40分です。
一人のお客様と話をしながらその新岩上峠を上っている時、「今までリタイヤした人がいるか?」と質問されました。
「いえ、幸い今のところ誰もいません」と答えました。
すると、少し時間をおいて「I may go home」と泣きながら言われました。
しかし、すでに新岩上峠の途中、そのお客様だけを連れて引き返すわけにはいきません。
道湯川橋が最寄りのバス停ですが、他のお客様を置いていくわけにもいきません。
土地勘ももちろんありませんから、口や地図で説明できるような状況ではありませんでした。
そこで、もう何とか励ましながら、だましだましで発心門王子までお連れするしかないと思い「昨日はすごく早く歩いていたじゃないですか。大丈夫ですよ」というと「今日がこんなコースって言わなかったでしょ」と言われた瞬間、
「しまった」
と思いましたが後の祭りです。
素直に自分が至らなかったことを侘び、それからは何とか励ましながら頂上までたどり着くことができました。
ここを越えれば、あとは三越峠とたっくん坂だけです。
お客様はおまけに両膝が痛みだしたと言い始め、ますますペースが遅くなりましたが、とにかく発心門王子まで歩いてもらうことを優先し、慌てずゆっくりと歩きました。
発心門王子からはバスの時間と下りるバス停を説明し、その周辺で待ってもらうようお伝えし、電話番号を交換して別れました。
伏拝の到着が予定よりかなり遅くなったので、宿に電話をして本宮大社まで迎えに来てくれないか連絡をしました。
幸い、なんとか対応してくれる宿で良かったですが、中には対応不可のところもあるので、事前に確認が必要です。
もうひとりの「落伍者」
この日はもうひとり、足の不調を訴えたお客様がいました。
見せてもらうと、ふくらはぎが腫れていました。
おそらく炎症だろうと思ったので、とりあえず宿の方に頼んで氷をもらい、持っていた氷嚢に入れてアイシングをし、さらに寝る時に湿布を貼るように伝えました。
ちなみに、外国には湿布のようなものがないようで、みなさんはじめは珍しがります。
