お客様以外に声をかけられた場合の対応

報告書からの引用です。

ガイド報告書の関連記事はこちら
ガイド報告書
振り返りツール(PDCAの大切さ)

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発心門王子で関係のない方が私に道を尋ねたり

神社の参拝方法を尋ねたりすることがあったが、

その方に「私達が雇ったガイドだ」と少し憮然として話された。

すぐ答えられることだったが、

こういった場合の対応はむずかしい。

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こういった、「部外者」がガイドに

質問をする場面にはよく遭遇します。

おっしゃる通り、この場合の対応は難しいです。

お客様によるからです。

報告書にあがったように、

他人に話しかけられると嫌がるお客様と、

逆に「困っているから助けてあげて」

とおっしゃる方がいるからです。

ただ、基本的に

「私はこのお客様に雇われたガイドですのでお答えできません」

と断っても問題ないと思います。

和歌山城研修の時、しばらくついてきて

語り部さんに質問をしたり、

説明を聞いたりしてくるグループがいました。

少ししつこかったので、私が注意しようとし

たところ、離れていきました。

お金を払っている側からすると、

「ガイドを横取り」のような行為をされると

やはり気持ちのいいものではありません。

かくいう私もつい「部外者」からの質問に答えて

しまったりしていますが・・・

以後注意しなければならないと反省の意味も込めて

ご紹介させていただきました。

スルーガイド裏話

当会にも、スルーガイドの経験者が数名いらっしゃいます。

今回はスルーガイドの裏話?を。

当たり前ですが、スルーガイドをするには時間的に融通の利く方でないと無理なので、できる方も非常に限られています。

貴重な存在です。

お客様とより親密になれたり、添乗員的な業務が一気に増えたり、急な行程変更に柔軟に対応しなければならないなど、デイガイドにはない楽しさや大変さがありますが、やり遂げた時の達成感は何とも言い難いものがあります。

自分も楽しむ

「いい物食べれて、いい所に泊まれて、いいなぁ」と思われる方もいるかもしれませんが、そういった思いで臨むとだいたい足元をすくわれます(笑)

私も何回か苦い経験をしたことがあります。

そんな時はだいたい、泊まる宿で自分が楽しむことを考えたり、料理や温泉のことを考えたりなど、自分を「お客様」と錯覚した時に起こります。

もちろん自分が楽しむことは大切なのですが、自分「も」楽しむという意識が欠けないように注意をしています。

宿泊パターン

スルーガイドの宿泊には2つのパターンがあります。

一つはお客様と同じ宿に泊まって夕食も同席するタイプ。

もう一つはお客様とは別の宿に泊まるタイプ。

前者の方が確実にお客様との距離は縮みます。

一緒に夕食を取るまで気持ちは重たいですが(笑)

そんなのは取り越し苦労で、本当に楽しい夕食になることが多いです。

後者はハイエンドのお客様と同行する場合に多いです。

案内が終われば自分の宿に向かって気楽に夕食を食べることができますが、お客様との距離感は前者に比べるとやはり劣ります。

私は前者の方が好きです。

添乗員部屋

スルーガイドをしていると、ある程度宿に詳しくなります。

宿も部屋はいわゆる「添乗員部屋」を備えているところがあり、そういったところでは高い確率でその部屋に泊まることが多いです。

先日は冨〇屋さんの添乗員部屋に泊まりましたが・・・部屋が汚すぎる(汗)

毎回掃除をしていないと思われます。

いたるところにホコリが。

極めつけは、フロントから電話がかかってきた時に受話器を取ったら、受話器の耳を当てる部分から、そのまんまの形をしたホコリが輪っかになって落ちて来ました。

ひええええ!

中の島にもキレイな?添乗員部屋がありますが、おととし11月と昨年泊まった時はそこではなく、オーシャンビューのきれいな10畳部屋でした。

いい意味で期待を裏切られました(笑)

部屋からはイルカを飼っている生簀(いけす)が見え、たまに餌付けをしている姿を見ることができます。

フロント横のラウンジでは、コーヒー、カフェラテ、エスプレッソ、紅茶、お茶、おつまみ(夕方はチョコレートなど、夜はナッツ類)はすべてフリー、夜7時から10時までは梅酒の提供、お風呂から部屋までのラウンジ?ではアイスクリーム、夕方6時までは缶ビールのスーパードライ飲み放題・・・

料理もかなり美味しいです。

高級路線になってから、しばらくは従業員の教育が追い付いていないなぁと思っていましたが、それもずいぶんと改善されていました。

余談ですが、ツアーの終わりには期待はしていませんがチップをくれることが多いです。

あまり金額のことを言うといやらしいですが、初めて5日間のスルーガイドをした時には5万円いただきました。

募集型のツアーであれば珍しい金額ではないですが、この時のお客様は2名でした。

さらに、別れ際に「ありがとう、手紙読んでおいて」と言われました。

西洋人はプレゼントをもらった時に目の前でそれを空けて喜ぶ姿を見たがる(めんどくさい人種ですね・笑)と聞いたことがあるので開けようとすると「それは失礼だ」と言って開けさせてくれませんでした。

この日、私は違う宿に泊まる予定だったのですが、中の島の夕食までごちそうになりました。

宿に帰ってびっくりしたのはいうまでもありません。

物やお金をいただけるのはもちろん嬉しいのですが、先ほども書いたように、仲が深まる感覚を実感できることが何よりも嬉しいです。

みなさんも機会があればぜひ挑戦してみてください。

代替案の提案は、経験と案内範囲の広さも必要

今回は代替案の提案には経験と案内範囲の広さが必要だというお話です。
和田通信からの抜粋です。

当初の予定では明日は道湯川橋~本宮大社でしたが、三越峠からの下りで、普段は干上がっている川が激流になっていて渡れない可能性があるため、急遽発心門王子~本宮大社+大日越で提案しようと考えた矢先、本宮大社前から発心門王子までのバスが運休になるというハプニング。

お客様と相談しながら、結局は赤木越~発心門王子~本宮大社(体力があれば大日越まで)という案で落ち着いたようです。

代替案を提案するには、もちろんそのエリアについて詳しくなければなりませんし、案内できる範囲が広いに越したことはありません。

もし、道湯川橋~本宮大社しか案内できない人であれば、上記のような提案はできません。

もし、そのエリアに詳しくないのであれば、宿の人に聞いたり、観光協会に聞いたりして代替案を考える方法もあります。

しかし、やはり何と言っても経験と案内可能範囲がモノを言います。

私もこれまでたくさんガイドに出させていただき、一応みなさんが経験し始めている経験は一通りしてきたと思っています。

代替案を提案した回数は数え切れません。

場数を踏むことによって、その能力も鍛えられてきます。

その時はしんどいですが、必ず自身の経験値として積み上がり、ガイドとしてもう一段成長することができます。

特定のコースのスペシャリストになることも結構ですが、潰しが利かないという状況になりかねませんので、どん欲に案内範囲を広げる努力をしていただけたらと思います。

中辺路の違うコースのことを聞かれて「私は歩いたことがないので分かりません」では、熊野古道のガイドとして少し恥ずかしい話です。

せめてどんなコースかくらいは説明できるようになっていただきたいものです。

それにはガイド仲間で歩いたり、自身で時間を見つけて歩いてみることです。

突然の雨への対策

昨年の和田通信からの抜粋です。

先日7月27日、久しぶりに滝尻~高原のご案内をしました。

40歳、シンガポールの女性二人組でした。

不思議とこの日は、当会のガイドさんの都合が誰も合わなかったので私が行かせていただいたのですが・・・

今回は体力的な面や天候的な点で、私で良かったと思っています。

この日の天気予報は15時くらいに1時間ほど雨とのこと(前号でご紹介したtenki.jpです)

バスの車中で滝尻方面が曇っていたので、お客様に雨具を持っているか確認したところ、一人が持っていなかったので古道館でポンチョを買ってもらい出発。

滝尻王子からの登りで、一人が山道に慣れていないことが判明。

少しの段差でも頻繁に手を引いてあげなければ登れない状態でした。

出発前に杖をお勧めすべきでした。

いや、杖があっても難しかったと思います。

不寝王子を過ぎたあたりから雷が鳴りだし、剣ノ山付近であたりが真っ暗になり、とうとう土砂降りの雷雨に。

「雨具を持っている」と言っていたお客様のポンチョがお粗末で、着ている最中に大半が破れてしまう始末。

そんなお客様を尻目に私だけ「完全防備」するわけにもいかなかったのでパンツを穿くことができず、シューズまでずぶ濡れになりました。

結局大雨は掘割あたりで小降りになり、道標6番あたりで止みました。

滝尻~高原に限らず、古道を案内する際に覚えておくと良い点を少し挙げておきます。

  1. シンガポール、香港のお客様は山道に弱い方の率が高い
  2. 雨具・水などの所持の確認は出発前にしておく
  3. 雷が聞こえてきたらすでに落雷の範囲に入っていることを認識しておく
  4. 予備のジップロックは持参しておく

【1について】

特にシンガポールでは山と呼べるような場所がないため、年齢に関係なく山道に弱い方が多いです。

【2について】

日本人であれば、たとえ晴れていても雨具持参は必須だということは分かっていますが、海外の方は持っていない方がいますので、出発前に確認をする必要があります。

ちなみに、海外の方はレインパンツを穿かない方が大半です。「下は別に濡れてもいい」という感覚のようです。

水も夏場であれば最低1リットルは欲しいところです(塩分タブレットも)

ガイドは予備の水(新品)も持っておいてください。お客様が飲み干した時やケガをした時に傷口を洗い流すために使います。

【3について】

以前メキシコのご家族をご案内した時と同じパターン(剣ノ山付近で大雨)でした。

時間的に午後3時あたりは山沿いの夕立に要注意です。

また、滝尻~高原ではあづまやなど避難する場所がないので落雷の避けようがなく、運にまかせるしかありません(それでも、予防策として人との間隔は4m以上開けてくださいね)

【4について】

海外のお客様はパスポートをお持ちなので、ジップロックを用意しておき、突然の雨の際にはお渡しするようにしています。

パスポートは宿のチェックインの時に必要になります(和歌山県警からの指示だと記憶しています)

まだまだありますが、今日はこのぐらいにしといたろ(笑)

リスクの予測と想念・言霊の世界(お役立ちアプリのご紹介)

今回はちょっと信じがたいようなお話が続きます。

信じる人だけでかまいません。

ガイドにおいて、事前に考えられるリスクを予測することは大切です。

「こうなった場合はこうしよう」とあらかじめ対処法を考えておくことは重要です。

ただし、私にも経験がありますが、あまりネガティブなことばかりを考えていると、本当にそういったことが起こります。

この世界は想念と言霊と行動の世界です。

信じられない方は別に無理に信じなくてもかまいませんが、強く思えば思うほど、良いことも悪いことも本当に起こります。

そして、それを言葉に出せば出すほど、それが現実に向かって動きます。

また、行動をしなければ結果はついてきません。

その行動の原動力となるものが「思い」です。

その思いが、良くも悪くも、思った通りの未来を連れてきます。

ちなみに私は毎回、ガイドが始まる前に、お客様と笑顔でお別れするところを想像し、「絶対にうまくいく」と言ってから臨んでいます。

想念と言霊が行動に乗り移ります。

妄想も重要なんです(笑)

最強の肯定語「何とかなる」

心配したい気持ちは山々ですが、ある程度のリスクの予測と対処法が整えば、あとは「何とかなる」という気持ちで臨んだ方がうまくいきます。

「何とかなる」は最強の肯定語なのだそうです。

不安になれば「何とかなる」と言葉に出して言ってみてください。

不安な気持ちが起こるたびに「何とかなる」と言って打ち消してみてください。

何度でも何度でも繰り返し言ってみてください。

気持ちが楽になりますし、本当に何とかなるものです。

自分ではどうしようもならないことを考えても何の解決にもなりません。

そういった問題は神様に委ねることです。

「何とかなる」は神様にこの問題をお預けしますといった意味合いもあるそうです。

そうすることにより、人間では想像もつかないような解決法で問題が解決します。

「万一のために」用意しておくといいアプリ

しかし、そうは言っても、実際に何かが起こった場合のために準備しておいた方がいいと思うアプリをご紹介しておきます。

私は一応、下記のアプリをインストールしています。

GPSアプリ

GPS Status & Toolbox

地図ロイド

地図ロイドはプロの登山家の方にご紹介していただきました。

AEDマップ

日本全国AEDマップ(アンドロイド)

日本全国AEDマップ(App Store)

他のアプリについてはこちらをご参照していただいて、ご自身の使いやすいものをインストールしておくといいと思います。

登山地図アプリをダウンロードしよう!おすすめ12選のまとめ

以前、滝尻~高原で喘息持ちのお客様が途中で息切れをし始め、大量の脂汗をかいて体調が急におかしくなった時のことです。

あらかじめ喘息持ちという情報が入っていたので、慎重に歩き、不寝王子でこのまま行くかやめるかを確認しましたが、この時は大丈夫だったので続けることにしました。

しかし、しばらく登ったところで体調が急変しました。

もう滝尻に戻るには遠すぎるし、堀割(ほりわり)までも遠すぎるということでその場で歩くのをやめて救急車を呼ぶことにしました。

その時に消防署から確認されたのが「居場所の緯度と経度」です。

番号道標さえ把握していれば大丈夫と思っていましたので、まさかそこまで聞かれるとは思っていませんでした。

とりあえず現場が入口から何分くらいの場所かという事と、通過した番号道標の番号を伝えれば来てもらえましたが、GPSで自分の居場所を知らせてくれるアプリでその緯度経度を伝えることで、消防もいち早く現場の特定ができるようです。

喘息持ちのお客様は要注意

特に滝尻~高原などの急坂を含むコースの場合、喘息を持っているお客様は要注意です。

私は過去に先ほどの件も含めて2度のリタイヤを経験していますが、いずれも喘息持ちの方でした。

ただ、軽い症状の方もいますので、一概には言えません。

私も何度か喘息持ちの方を案内しましたが、ペース配分に無理がなければ大丈夫な場合が多いです。

旅行会社から情報をくれる場合もありますが、当日になって分かる場合もあります。

依頼書などに記載がない場合は、忘れずにその情報を翌日のガイドに知らせてあげてください。

アレルギーも同じです。

お客様との待ち合わせについて

標記について、私の経験からの情報をお伝えしようと思います。「そんなこと知ってるよ」と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、ミスミートを避けるためにも一応目を通しておいてください。

ネームプレートを掲げましょう

海外のお客様はお名前が読みにくい方もいらっしゃいます。
日本語のガイドのように名前を口頭で確認する方法は、発音が間違っている場合はミスミートになる可能性があります。
ガイド中にA4のファイルを使うかと思いますので、そのファイルにお客様のお名前(旅行会社から指定される場合もあります)を明記したネームプレートを掲げてお待ちください。ネームプレートを掲げて立っているだけで関係のない人までそのネームプレートを見て目の前を通ります。

特に外国人が一斉に電車から降りてくる田辺駅ミートの場合は威力を発揮します。

そこで、待ち合わせのお客様が見たら間違いなく声をかけてくれます。
宿ミートの場合はフロントの方が紹介してくれる場合もありますが、念のために用意をしておきましょう。

こちらからも声をかける

万一、誰からも声をかけてもらえなかった場合は、それらしき人、例えば2人で夫婦という情報が分かっていれば、ネームプレートを見せながら声をかけることも重要です。わたしはネームプレートを見せながら「Are you…?」というだけです。

「Mr.」や「Ms.」などもつける

ネームプレートの様式に特に指定はありませんが、お客様の名前の前には「Mr.」や「Ms.」などもつけてください。名前だけだと呼び捨て感があり、お客様をお迎えするにはふさわしくありません。
ちなみに、最近海外の方とメールのやりとりをする場合は「-sama」をつけることが多いです。「-sama」や「-san」は「onsen」「dashi」「umami」などのように海外でも定着しつつあり、海外のお客様とメールのやり取りをする時もお互いに「-sama」や「-san」をつけることがほとんどです。
ネームプレートにも応用できると思います。

待ち合わせ時間に現れなかった場合

結構焦りますよね。

その場合はいずれかの方法が考えられます。

①依頼書にある連絡先(事務所、旅行会社等)に電話で問い合わせる

②前日の宿にお客様が何時頃に出たか問い合わせる

③お客様の連絡先を知っているならば(電話番号やwhatsupなど)直接連絡する

実際にあったケース

①大門坂駐車場ミートで約束の時間に現れず→お客様から電話があり、待ち合わせ場所のバス停を通り過ぎて最後(那智山バス停)まで来てしまったということを知らされました。
お客様には折り返しの便に乗ってもらい、大門坂駐車場で無事にミートできました。

②紀伊田辺駅で約束の時間に現れず→TBさんに電話をして確認しましたが、何の連絡もないとのこと。
〇時〇分まで待ってもらって、それで現れなかったら当日キャンセルということでお願いしますとの指示。

こういうドタキャンはまずありません。後にも先にも私はこの1回のみです。
このお客さんには、まだ話の続きがあります。
この時は確か5日間のスルーで、滝尻~高原、高原~継桜、継桜~本宮大社、小雲取越、大雲取越の予定でした。
結局このお客様は初日に引き続き翌日も現れず。
もう全日程キャンセルかと思っていたら、2日目に宿泊予定だった野中山荘に夜にタクシーで突然到着。当然、宿にも無連絡だったので宿の方もてっきりキャンセルだと思っており、ご飯も用意していませんでした。
「ゲストだから食事を出してもらうのは当然だろう」のようなことを言われ「何の連絡もなしにこんな時間に来ておいてそんなことできるわけがない!と怒ってやった」と、翌日聞きました(笑)
そして翌日にお会いしましたが、その日はあいにくの土砂降り。
ショートカットを提案しましたが、どうしても歩きたいというので渋々出発。
そして歩いている途中で「やめたい」と言い出す始末。
発心門王子まで歩きましたが、バスは3分前に出たばかりで、次の便まではかなりの待ち時間。
ずぶ濡れで寒かったので本宮館に電話をして迎えに来てもらいました。
本宮大社前からバスに乗って当日宿泊予定の宿に行きましたが・・・
その宿でも、中を見るだけ見てドタキャン。
結局小雲取越、大雲取越もキャンセルして

バスに乗って田辺に帰って行きました。

唖然。

あわててTBさんに連絡をしました。
・・・スルーだったので私もそこに泊まる予定だったのに、帰らなければならない羽目に。
とんでもない客でした。
ちなみに国籍はドイツでした。

低体温症とその予防

低体温症とは

低体温症と聞くと、冬のイメージをお持ちの方が多いかもしれませんが、夏にも起こり得ます。

低体温症とは、深部体温が35度以下になった状態を言います。

夏は汗をよくかきますが、その状態で山の稜線などで風に晒された場合や、長時間雨に打たれた時などに起こるようです。

とは言っても、発汗は体温上昇を抑える働きがあるため、夏に汗をかかない方が難しいです。

低体温症の原因としては、

①低温環境

②熱の過剰な喪失

③疲労や栄養不足

④体温調節機能の低下

が挙げられます。

低体温症の初期症状は、体の震えです。体が震えることによって体温を上げようと働きますが、症状が進行してくるとその震えもなくなります。
そうなると、歩けなくなったり反応が鈍くなったりします。

有名な痛ましい事故として、トムラウシ山遭難事故がありますが、これで亡くなった方8名は低体温症でした。
内容についてはテレビでも紹介されていたのでご存知の方も多いと思いますが、詳しく知りたい方はこちらをご参照ください。
トムラウシ山遭難事故

軽く見るべからず

「それって、北海道の話でしょ?熊野古道ではないでしょう?」と思われる方がいるかもしれませんが、私も低体温症の一歩手前の経験をしたことがあります。

この日は大雨の中の研修でした。

前日に大雨が降る予報が出ていたにも関わらず、そのことを講師さんとお話し、当時のうちの代表に指示を仰いだところ「最悪の天気の中で行っておけば、あとはどんな天気でも行ける」のようなことを言われ、強行。

翌日は本当の大雨で、出発からすぐに靴には浸水、手は濡れてそこからどんどん寒くなってくる感覚がありました。

中間地点についてお昼を食べようとしましたが、冷たいおにぎり(3月初旬だったと記憶しています)を食べるとさらに体が冷えて震え始めました。

しかし、そこで講師さんがお湯を沸かしてカップヌードルを分けてくれたのです。
そこから見事に復活し、何とか研修を終えることができました。

一歩間違えれば事故につながったケースです。

最悪の天気の時は、絶対に行ってはいけませんよ。

最善の方法は予防すること

一番いい方法は、低体温症になる前に予防をすることです。

予防は衣服をうまく調整することで防ぐことができます。
防風機能や保温効果のあるものを用意しておくといいです。
体表の水分を外に逃がすドライレイヤーや、濡れても保温機能が高いウールなどのアンダーウェアもいいです。
先日のトレッキング研修でも、講師の方がアンダーウェアの重要性を説明してくれました。
アンダーウェアにはお金をかけましょう。

低体温症になってしまったら

それでも、予防の甲斐もなく、低体温症になってしまったら、山小屋やテントで暖を取る方法がいいのですが、熊野古道ではほとんどありません。
また、テントを持っていくこともほぼありませんが、ツェルトかブランケットくらいは用意しておいたほうがいいかもしれません。
あるいは、あづまやであればコース中にある程度ありますので、そこで暖を取るかです。
しかし、そこが吹きさらしでは意味がありませんが。

あとは着替えができればかなり違います。

みなさんも、雨に濡れた状態から服を脱いだ時、濡れた服を着ていた時よりもかえって暖かく感じたことがあるかと思います。

レインウェアの重要性

レインウェアも重要です。

ガイドともなれば透湿防水機能のついたものをお持ちかと思います。
ゴアテックスなどは本当に快適に雨の中でも歩くことができますが、普段のメンテナンスをしておかないと、その機能が十分に発揮されません。

レインジャケットの表面には細かい毛のようなものがあり、それが立った状態なのですが、これが汚れなどがつくと寝てしまいます。
「毛」が立った状態であれば水滴が落ちても水玉になって弾いてくれます。
新品のレインジャケットが雨を弾いて水玉ができるのはこのためです。

この水玉ができている状態が重要なのだそうです。

この状態の時に、体内の湿気を逃してくれるからです。

しかし、透湿防水のゴアテックスはレインジャケットの表面にあるわけではなく、レインジャケットの下の層に施されています。
せっかくゴアテックスが雨を防いで体内の湿気を体外に放出しようとしても、表面の生地の「毛」が寝た状態だとその湿気をブロックしてしまいます。

こうして行き場をなくした湿気が内部に戻り、体内が濡れてしまうのです。

ゴアテックスの苦情でもっとも多いのが、この「メンテナンス不良による汗蒸れ」だそうです。

自分の汗で濡れているにもかかわらず、「雨が通ってきたやないか!」という苦情です。

苦情の大半は、ゴアテックスがしっかりと機能している場合が多いそうです。

なので、レインジャケットが汚れてきたら、そこに書かれている指示に従って洗い、陰干しをしたあとにアイロンをかけると元通りの毛が立った状態にもどります。
面倒な人は、洗ったあと、少しぬれた状態でもいいので、コインランドリーの乾燥機に入れて少し回して乾かせば元に戻ります。

これもプロの方に教えていただきました。

とにかく、初期症状を軽く見ず、早めの対応を心がけるようにしておきたいところです。
なんでもそうですが、なってしまってからでは対処が大変になります。
常に予防を心がけることが、事故を未然に防ぎ、古道歩きを楽しむ最大の心得だと思います。

今回はこちらの記事を参考にさせていただきました。オススメのアンダーウェアやジャケットも紹介されています。
冷え・低体温症から身を守る(YAMAP STORE)

ヤマビル来襲

先日、道湯川橋~発心門王子の間で現場研修を行いました。

当初は小広峠からの予定でしたが、折からの大雨と雷で予定を急遽変更し、午前中は座学、午後からはコースを短縮をしました。

岩上峠を上っている最中、「事件」は起きました。

一人の参加者の上着にヤマビルがついていました。

肌に吸い付く前だったので難を逃れましたが、参加した全員がその後襲われ、パニックになる参加者も。

ガイドとしてはこれくらいのことでうろたえることはご法度ですが、あの容姿では無理もないか(笑)

よく「枝の上で獲物が来るのを待っていて、近づいたら落下する」と聞きますが、この日はそれもあったでしょうが、メインは地面からでした。
地面をよく見ると、「ピン」と立ってあたりを探している様子を見ました。

厄介なのは、靴をズボンの裾で覆っていても、その隙間から侵入してくることです。
私は以前それでやられたことがあります。
その時は、姿を確認できませんでしたが、今回は何度も確認することができましたので間違いありません。

以前の記事はこちら↓

https://7875937fbfc6f01c.main.jp/2018/09/26/%e3%83%a4%e3%83%9e%e3%83%93%e3%83%ab%ef%bc%9f%ef%bc%9f%ef%bc%9f/

仮に噛まれたら、その時は痛みは全くありません。
やつらは血が固まらないように「ヒルジン」なる物質を出しながら吸血します。
「満腹」になれば自然に離れて落ちてしまいますが、そのあともしばらく血が止まらないので、結構血まみれになります。

その後、数日間激しいかゆみに襲われます。
これがしつこくて厄介でした。

ただ、唯一の救いは感染症がないということです。
蚊であればジカ熱、デング熱、日本脳炎などの感染症を引き起こす可能性がありますが、ヒルはそういった感染症の報告例がありません。
まれに傷口の細菌から感染症を発症するようですが、ヤマビル由来ではありません。

これまでは、お客様には「熊野古道にはヒルはほとんどいません」と言っていましたが、今後はその説明も変わってきますね。
特にこの区間での降雨時には注意が必要です。わたしが以前やられた区間もここです。
やつらは普段は落ち葉の下などに身を潜めていますが、湿度が上がると活性が上がるようです。

ヤマビル対策

吸い付かれたときの対策としては、アルコール、火気、塩などが有効とのこと。
ただし、塩をふりかけた時、それがトレッキングシューズにかかった場合は傷む可能性があるので、なるべく早い段階で塩を洗っておく必要があります。

予防としては、虫よけスプレーなども有効ですが、2~3時間で効果が消えるらしいので、こまめに散布する必要があります。

こちらのサイトが詳しいのでご参考に。
ヤマビルにご注意を

多様な文化的背景の違いを理解する28

お役立ちフレーズ①

決まりきった予定は現在進行型で

「~する予定です」の場合、「be going to」や「will」などを使いがちです。
もちろん、行程に変更が生じる場合などは問題ない表現ですが、決まりきった行程の場合は現在進行形を使います。

以前、小雲取越を歩いている時、長い上り坂を歩き終えたあと、お客様から「Are we walking the uphills like this later on?」のように聞かれ、その質問の意味を理解できなかったことがありました。

坂道は状況によってなくなったりするものではなく、順当に歩いていれば必ず訪れます。
なのでここは「We are walking 3 more.」のような返答になります。

コース説明をする場合などは、現在進行形を使うようにしましょう。

「maybe」「some more」の多様は禁物

もうご存知だと思いますが、「maybe」は日本語で「多分」です。
日本語での「多分」は、その確率が30%でも80%でも「多分」ですが、英語の場合の「maybe」は確率が低い時に使うため、あまり使用すると「この人は頼りない」と思われてしまいます。
普段の付き合いでもそうですが、特にこれが「お客様とガイド」の関係となると問題です。
日本語の感覚で「maybe」を多用しないようにしましょう。

あと、「some more」ですが、これはお客様から「あとどのくらい歩くの?」という質問が出た時に「some more」を多用して「君は『some more』ばかり使うが、全然終わりが見えないじゃないか」と言われたガイドがいます。

このような質問があった場合は、「あと10分です」など、具体的に数字で示してあげることが重要です。
お客様は歩いたことがないコースを歩いているわけですので、当然距離感が分かりません。
それが精神的な不安に繋がりますので、具体的な数字で示してあげるという配慮が必要です。
それには、やはり現場のことを熟知しておく必要があることは言うまでもありません。
距離が分かれば、同時に距離を示してあげるとなおいいです。

私は先輩の語り部さんからの「現場100回」という言葉が、深く胸に刺さっています。
それくらい、現場の知識(この場合、距離や所要時間、どこに何があるを知っておくことなど)は非常に重要です。

「15」か「50」か

「finteen」と「fifty」の発音が非常に似ているため、ネイティブ同士でも確認することがあるそうです。
私もよく「15」か「50」かを聞かれました。
15分と50分では随分違いますので、この確認は重要ですよね。

あまりにもこの手の質問を受けるので、私は「fifteen」と言ったあとに「one five」、「fifty」の後に「five zero」を付け足して説明するようにしています。

和製英語はもちろん通じない

日本語でよく使う「アバウトな」はもちろん通じません。
人について、その人がアバウトな人であると言いたい場合は「He is not fuzzy about anything.」、事・物については「ambiguous」などを使います。

また、意味が同じでも発音がまったく違う語もあります。
「アレルギー」や「ココア」などです。
あえてカタカナに直せば「アレジー」「コゥコゥ」のような発音になります。

あとは地名や固有名詞なども、日本での発音と大きな違いがある語があり、初めて耳にした場合理解出来ない場合があります。

「北京」「ウィーン」「習近平」など。
あと、最近では「武漢」も聞き取ることができず、聞き直してしまいました。

実際には、お客様が自分のレベルに合わせてくれることがほとんど

我々日本人が外国人と日本語で話をする場合、相手の日本語運用能力が低いと感じれば、こちらの日本語のレベルを落として話すように、お客様もこちらの英語の能力を見て下げてくれることがほとんどです。
特に、外国語を学んだことのある方であれば、そのあたりの配慮はしてくれます。

外国語習得がいかに難しいか、身にしみてわかっているからです。

反対に、若い人はそういった感覚があまりないようで、逆に「何で私の言っているこれくらいのことが理解できないのだ」とか、それ以前に「私の言っていることはすべてわかってくれている」という前提で容赦なく話してくる傾向があります。

もし、これを読んでくださっている方の中で、外国語に対する自身がない方がいらっしゃたら、臆せずコミュニケーションを取るように心がけてもらえればいいと思います。
中にはうまくできずに困ってしまうことがあるかもしれませんが、そういった経験がまた、あなたの外国語運用能力を高めるきっかけにもなります。

私は海外経験がまったくありません。
しかし、この仕事を6年しているおかげて、かなり英語力が鍛えられました。
ガイドとなると、1日3時間から多い時で10時間、あるいはそれ以上、日本語が許されない状態が続くわけです。
家で机に向かって1時間勉強するよりもずっと効率的で早く身につきます(もちろん、家で勉強する時間は必要ですが)

私はこれを「駅前留学」ならぬ「熊野古道留学」と言っていました。


多様な文化的背景の違いを理解する26

携帯水没

事件は小雲取越が終わった後に起こりました。
小口は自然豊かで美しい川があり、夏場などはよくお客様を川にお連れして一緒に泳いだりしていました。

・・・もう想像できますよね?(笑)

嬉しさのあまり?携帯をポケットに入れたままダイブ。
携帯がご臨終になりました。

宿に戻ると、生米の中に携帯をいれていました。
「復活することがある」のだそう。
しかし、残念ながら今回に限っては?復活することはありませんでした。

忘れ物

人間は忘れる動物です。
人種、民族は関係なく忘れ物は必ずします。

こんなケースがありました。

近露王子で説明がてら、お客様はベンチに座って携帯で写真を撮っていました。
休憩も終わり近露王子を出発、楠山坂を上りきったところで、お客様の携帯がないことに気づきました。

「多分、近露王子だ。あそこならだれかいるかも知れない」ということで、仲間のお客様がその携帯に電話をしました。

すると、その携帯に応答が!

しかも電話口に出たのは外国人で、泊まる宿も同じだということがわかりました。

やはり、写真を撮ったあと、携帯をベンチに置いてきてしまっていたようです。

日本では最近、都市部でも水道水はきれいというイメージが定着しつつありますが、外国ではまだまだ水事情はよろしくないところが多いようです。

これは、私ではなく、仲間のガイドのお話です。

香港からのお客様で、小雲取越を歩いている時に転倒してしまい、頭を怪我してしまいました。
そこで、ガイドが消毒のためにペットボトルの水を出して来た時、お客様から「それは何の水なの?」と質問されたそうです。

「水道水」ですよ。というと、お客様が「水道水を消毒に使うの?」とおっしゃったそうです。
「日本では水道水はきれいなんですよ」ということで納得してくれたようですが、日本人の水道水の感覚と、外国人のその感覚が違うということを頭の片隅に入れておく必要があります。

ちなみに、頭を怪我すると結構血が出ます。
消毒液では追いつかないので、水で洗い流すというこのガイドの判断は正しかったと思います。
ただ、ペットボトルの水は新品で、お客様の目の前で封を切って「新品ですよ」とアピールすると良いと思います。

私も、お客様が転倒して口を切った時にはそのようにして水を出しました。