今回の伊勢路最終日は二木島峠・逢神坂峠・波田須の道・大吹峠です。
二木島駅から、民家の間を通り国道311号線に一旦出てから二木島峠に入ります。
今回歩いた伊勢路ほとんどすべてに言えることですが、苔むした石畳は本当に美しく、たくさん写真を撮ってしまいました。
苔が生えているということは、日陰で湿気が多いことが条件ですが、残念ながら大門坂ではすでに世界遺産登録前にあった苔がすべてなくなっています。
古道沿いに生えている杉の枝が台風などで少なくなり太陽光が射すようになったことも原因だと聞きましたが、登録後に増えた参詣者が歩いて削ってしまったことも原因だということも聞きました。
苔は一旦なくなると、次に同じ状態になるまで相当な時間がかかります。大雲取越の円座石の苔も、2015年に何者かによって剥ぎ取られてから、まだ完全に回復していません。
伊勢路にももっと多くの人が来て欲しいと思う反面、石畳の美しい苔がなくなってしまわないかとも思ってしまいます。
かなり気をつけて苔を踏まないように歩きましたが、すべてを避けることはやはり不可能でした。
二木島駅から二木島峠までは約1時間でした。
二木島峠からはなだらかに下り、下りきったところに川がありました。オーストラリア人なら間違いなく食いつく所でしょう(笑)
伊勢路には小川が所々に流れていて、さらにその水も本当にキレイです。山・海・川を一度に満喫できる素晴らしいコースです。
その川からは逢神坂峠までは15分もあれば到着します。ここからの下りの石畳が特にキレイでした。ただし、所々急勾配なので、雨が降れば結構危険です。
新鹿海水浴場に出て少し休憩をし、波田須の道に向かいました。
波田須は、新宮と並んで徐福伝説があるところです。波田須の集落にはまさに「鎮守の森」のような徐福の宮が見えます。波田須の集落を抜けると、本日最後の大吹峠です。
大吹峠は伊勢路では珍しい竹林が広がります。峠までも大した登りはなく、10分ほどで峠に到着します。ここの案内板にも書かれているように、この峠にも茶屋があったそうです。どうやら、当時は峠ごとに茶屋があったようです。
峠から大泊側の登り口までは30分ほどで下ることができます。
再び国道311号線に出ると、素晴らしい景色が広がっていました。
大吹峠を下る時あたりから、昨日に引き続き雷が鳴り始めていましたが、大泊駅に到着したとたんに雨が降り始めました。
昨日に引き続き幸運でした。
これでとりあえず今回の伊勢路の下見は終わりました。
コースは文句なしに素晴らしいですが、古道までの道標が行き届いていないところがたくさんあったことは残念です。
中辺路では分岐で必ず道路が立っていますし、「コースアウト」のルートには「この道は熊野古道ではありません」という看板が立っていますが、伊勢路にはそれがないところが多く(コースアウトの看板はなし)、分岐でどちらに進んでいいのか迷ったことが幾度となくありました。
ちなみに、スペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラでは、至るところに道標があり、わたしは昨年そのうちの100kmを歩いてきましたが現地のガイドなしでも迷うことはありませんでした。
なので、伊勢路の課題は、初めて歩く人でも、語り部なしでも安心して歩ける道を目指すことだと思います。
あと、高低表がないのも残念です。高低表があれば、ある程度難易度を予想することができますが、大まかなルートを示しているだけで等高線も何もなく、峠の標高だけ書かれていても、どれくらい上ってどれくらい下がるのか予想が出来ません。
また、地図にも分岐でどちらに進むかの記載もなく、ある程度改訂はされているものの、まだまだだなという印象でした。今回は古道に入るまで結構迷いましたし、不安にもなりました。
最低限、地図は左右開きにしてもらいたいです。地図はカレンダーではありませんので(笑)
厳しことを言うようですが、伊勢路にポテンシャルがあるのに、受け入れが未整備な印象があり、本当に残念に思ったということを知ってもらえたらと思います。
