1月から今日まで6回にわたって開催された、田辺市国際交流センター主催の日本語指導法学習講座が終わりました。
今回も様々なテーマについて谷山徹先生にご講義いただき、大変貴重な時間となりました。
お話いただいた中で、印象的だったことを共有しようと思います(講義そのものの内容は、もっと日本語の突っ込んだ用法についてお話をしてくれます)
初級と中・上級、教え方の違い
初級者に教える場合は、石垣を積み上げるようの緻密に課程を積上げなければならない
ただし、教材があるのであっちこっちから「石」を探して来る必要はない。
しかし、中・上級になるとそうではなく、雑多に色々なことを教える必要がある。
日常生活になじむような内容で授業をする必要があり、教師も普段から日本の日常についての知識を学習しておかなければならない。
誤りには「mistake」と「error」がある
errorは規則的な間違いであり、本人が気づかなければ延々と間違う。
一方、mistakeは不規則であり、うっかりミスのことであり、その時の心理状態や体調などの要因で間違ったもの。
日本語指導ではこの「error」を誤用とし、これに注意をして正して行く必要がある。
語尾の「e」は二重母音の指示を表す
「mistake」での余談でしたが、この法則は目からウロコでした。
「mistake」は「ミステイク」と読みますが、「mistak」ではどうでしょう?
語尾の「e」がなければ「ミスタク」と読みたくなります。
また、人名で「Tim」さんという方がいます。
この「Tim」に「e」をつければ「time」となり、「タイム」と読みます。
つまり、単語の語尾に「e」をつけるのは、その直前の母音を二重にしなさいという指示なのだそうです。
この発想は日本語にはありません。
ナル文化とスル文化
文化には「ナル文化」と「スル文化」があり、日本はナル文化なのだそうです。
ナル文化の特徴として、主体をぼかすという点があるそうです。
例えば電車に乗っている時によく聞く「ドアが閉まります」は、言葉を額面通り捉えると、「ドアが勝手に閉まる」という意味になりますが、これは明らかに誰かが閉めなければ閉まらないものです。
もう一つ例をあげると「お皿が割れた」は、お皿を持っている人が落としたりぶつけたりして割ったものであり、お皿が勝手に割れるわけはありません。
これが「ナル文化」というそうです。
ドイツなど欧米は「スル文化」だそうです。
スル文化で電車内のアナウンスをするとしたら(ドイツではアナウンスはないそうですが)「ドアを閉めます」「お皿を割った」となります。
ナル文化はどこか奥ゆかしいところがあり、日本人の気質にも大いに影響があるのでしょうね。
数え方の不思議
ビールを頼む時「生中4つください」と言います。
「生中4杯ください」とは言いません。
でも、「今日はビールを4杯飲んだ」は「4杯」と言います。
多くの外国人は、注文する時と分量を言う時で使い分けていることに驚くそうです。
ここで外国人を教える時に注意しておかなければならないことは、「ひとつ、ふたつ、みっつ・・・ここのつ」まではいいのですが、「10」を間違いなく「とおつ」と言ってしまうことだそうです。
また、人を数える時は「ひとり、ふたり」ですが、それ以上は「さんにん、よにん、ごにん」と、いきなり漢語読みになります。
「ひとり、ふたり」は大和言葉なのに、「3」から急に漢語になります。
ちなみに、奈良の特定の地域では「みたり(三人)、よたり(四人)」と言う所もあるそうです。
まだまだありましたが、このあたりで。
ご参考に。
谷山先生の講演会のお知らせ
3月13日(土)9:30から、和歌山県情報交流センターBig・Uにおいて、「日本語教育事情~異文化の世界~と題して、谷山先生の講演会を開催いたします。
詳しくはこちらをご参照ください。
日本語教育事情~異文化の世界~
