「脱炭素」による弊害と懸念

今回は、篠原常一郎さんのお話の要約をお伝えし、私の意見を述べさせていただきます。

世界の自動車業界には、「EV化」の波が「脱炭素ガス」の錦の旗の本に押し寄せています。
近年、「地球温暖化」と「炭素ガス」の関係性に疑問が呈されるようになったのに、「化石燃料は悪、再生可能エネルギーへの転換を」という声が強まっています。
一方で 東日本大震災以来 、原子力発電所のほとんどがストップしたまま再稼働されない我が国では、増大する電力需要と発電コスト増加、代替エネルギーの不足という矛盾に悩まされつつあります。

「EV化」については、日本の自動車関連の各種業種、更に地域経済に大きな打撃と影響を広めつつあります。

『なんで焼きそばなんだ』
『俺たちはクルマの仕事に誇りを持っているんだ。それを今さら…』
栃木県真岡市内の町工場で、地元企業・アオキシンテックの青木圭太社長は頑固な職人を説得していた。
なんとか見つけた仕事が、カップ焼きそばを容器に詰める機械の部品製造だった。

世界のEV化、そして脱炭素の流れはもはや止められない。
日本の自動車業界を引っ張るトヨタ自動車の豊田章男社長は、再三こう訴えてきた。

「カーボンニュートラル(脱炭素)は雇用問題だ」

日本には、末端まであわせて約550万人の自動車産業従事者がいる。急にハンドルを切れば、多くの人が路頭に迷う。

従来のガソリン・軽油使用自動車の構造大転換を迫られるのがEV化です。
大手自動車メーカーの下請けで成り立ってきたところでは、地域経済全体が崩壊することにもつながりかねません。
多くの関連・下請け業者を淘汰するだけではなく、日本が世界に対して大きな技術的優位性を有していた内燃エンジン製造・開発分野の蓄積を捨て去るに等しいことにもなるからです。

しかしながら、昨年12月14日、トヨタもあらたにEV分野に本腰を入れる経営戦略への転換を発表しました。

戦略の大転換について豊田社長は、「消費者に幅広い選択肢を提供するため」「EVを含めた(自動車供給)の全方位展開を進める」と述べています。

この路線転換について、トヨタは周到な準備を進めてきました。
昨年11月中には経営戦略の内容を経済産業省に説明し、12月2~3日に豊田社長が岸田文雄首相や麻生太郎自民党副総裁と相次いで会談し、同意を取り付けていました。

トヨタ側が懸念として首相らに伝えたのは、次のようなことだったとトヨタ関係者から聞いています。

「バッテリー駆動のEVは、内燃機関(エンジン)だけではなく、燃料噴射装置や気化器などの技術分野がすべて不要となる。そして、この分野だけでも200万人以上が働いており、これらの技術労働者の雇用と共に先端的な技術が失われることを懸念している」

このトヨタの経営戦略転換について、経産省と萩生田光一経産相が「大臣同席の官民共同記者会見にしよう」とトヨタ側に提案してきたというのです。

トヨタ関係者が話します。

「経営戦略転換について説明してすぐあとに、経産省側から『萩生田大臣も同席した官民共同記者会見にしよう』と提案してきたのです。その理由は『世界最大手のトヨタがEV転換する方針を大臣と共に発表すれば、日本のEVに対する意気込みが伝わりこの分野が世界で注目される絶好の機会になる』というものでした」

萩生田大臣はこれを自分の手柄として、トヨタの経営戦略転換を利用して宣伝したかっただけなのだと思います。
豊田社長サイドとしては「今回の経営計画は、トヨタにとどまらず日本の製造業全体における雇用にとって重い決断であり、社長と大臣が笑顔で握手して記念写真におさまるような内容ではないとの考えで、経産省側の提案を断りました」

自民党総裁選前に小泉純一郎前環境相や河野太郎前行政改革相が「エネルギー基本計画」に「再生可能エネルギーの割合上昇」を押し付けるのに狂奔した背景に、自身のファミリーと企業が中国絡みでもあるソーラー発電利権にまみれていたことがあると暴露されました。
こうしたマイナスを払拭するためか、現在の政権幹部たちは「脱炭素化」で手柄を立てるのに躍起になっているようですね。
トヨタ側が政府に申し入れたような「雇用と技術喪失への懸念」という国益に沿った問題意識が余りに希薄であると、萩生田大臣と経産省のふるまいから重ねて感じざるを得ません。

そもそも「電気自動車化→脱炭素化」という単純な図式は成り立つものではありません。バッテリーを満たす電力は、いったいどうやって作り出すのでしょうか?

不安定な「再生可能エネルギー」では、問題の根本的解決にならないし、「脱炭素化」の方向では見出すことが出来ません。
新技術による安全な原子力発電の実用化や、もともと日本が世界の最先端を走っている石炭ガス化火力発電(一部で営業稼働中、ぜひみなさんも内容を調べてみて下さい)など、国内資源を有効に利用しかつ環境負荷を最低限にする方策こそ、力を入れて普及していくべきだと判断出来るのですが、みなさんはどうお考えになるでしょうか?

日本は日本なりの道を行け

すみません、勝手に篠原さんの文言を削除したり言い換えたりしていますがお許しください。

そもそも、温暖化と炭素ガスの関係性については、よく分かっていないというところが本当のようです。
地球全体で過去30年間で0.2度しか上がっていないというデータもあります。
地球温暖化のファクトフルネス 

そして、原子力発電と火力発電が悪であるかのような論調が大勢を占めていますが、現在のそれらの技術は篠原さんがおっしゃるように非常に進歩しています。

そして何より、EV化を進めることによって自動車部品全般に関わる人々の雇用と技術の喪失はそのまま、日本を弱体化させてしまう大きな問題となります。
ただでさえ、この平成の30年間は賃金が上がらずに物価だけ上がり、先進国で唯一「冬の時代」を過ごしてきたのが我が国日本です。
それを助長するようなこの流れには、私は強い不安を覚えます。

一部政治家が所有する企業だけが繁栄するような仕組み、そして、EV化を自分の手柄にしようとする政治家は、国民の存在を無視した「今だけ、金だけ、自分だけ」という浅はかな考えしかないのでしょう。
そういう政治家を選んできたのも私たち国民です。

日本には、世界が真似できないような技術があります。

ハイブリッド車はエンジンとモーターの兼ね合いが非常に難しく、他国がやろうとしても真似できないものです。
ガソリンを入れて発電するなんて、ものすごく画期的ではないですか。

篠原さんもおっしゃるように、EVにしたところで、その電気を発電するために発電所が必要です。
その発電を、生産が不安定な再生可能エネルギーに頼ることは絶対に無理があります。
コストもかかります。
そのコストが「電気料金値上げ」となって、みなさんの家計に跳ね返ってくることになります。

再生可能エネルギーはあくまでも「脇役」であり、たくさん生産できた時には、火力発電の電力の代わりに大いに利用したらいいだけの話です。

また、ソーラーパネルの設置を巡っては逆に環境問題が起こっています。
熊野古道・長井坂でも景観を大きく破壊してしまいました。

斜面に設置したソーラーパネルの敷地が大規模な土砂崩れを起こせば、もはや自然に優しいどころか、人の命まで奪いかねない大問題となります。
こうなれば本末転倒でしょう。
何のための再生可能エネルギーなんでしょうか?

世界の流れが正しいとは限りません。

その流れには耳を傾けながらも、日本は日本独自のやり方で逆に世界を牽引していくような存在になるべきではと思っています。

そういう気概のある政治家が今後出てくることに期待をします。

 


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA