多様な文化的背景の違いを理解する⑮

今日は熊野でのトラブルの事例についてお話をします。
私が実際に体験したことと、仲間のガイドから聞いたお話を中心にご紹介します。
実際にあったトラブルを事前に知っておくことで、実際に起こってもうろたえることなく対処できるようになると思いますので、ぜひご参考にされてください。

知識不足

「今日のガイドは現地の事も知らないし、聞いても質問の意味が理解出来ていないという苦情をいただいた。次回からはあのガイドさんはアサインから外していただきたい」

これは旅行会社から実際に挙がった苦情です。
クルーズ船のオプショナルバスツアーで、バスで那智を訪れる行程でした。

バスでの案内は難易度が高く、基本的に大勢のお客様と対峙しなくてはなりません。
バスツアーは、以前の記事でお伝えした、様々なお客様が集まってくる募集型ツアーの典型です。
様々なお客様のニーズ全てに応えることは難しいというか不可能ですが、なるべく苦情が出ないように配慮する必要があります。

その基本となるのが「双方向での案内」となります。

お客様に質問を投げかけコミュニケーションを取り、全体を巻き込んでいくとうまくいくことが多いです。

おそらく、この時のガイドさんはこれに欠けていたのでしょう。

また、その方のスキルを把握しないでアサインをした私の責任でもあります。

資格は関係ない

旅行会社からは、全国通訳案内士ばかり8人でお願いしたいという強い要望がありました。
しかし、うちだけでまかなうことができず、他のガイド団体に応援を要請しました。
その方は全国通訳案内士と英検1級の資格をお持ちでしたが、これが落とし穴でした。

全国通訳案内士の資格を持っていても熊野に精通しているとは限りません。
英検1級を持っているからといってもネイティブが言っていることを理解できるわけではありません。

このツアーが始まる前の打ち合わせの段階で、「高野・熊野地域の通訳案内士でも、熊野においては全国通訳案内士よりスキルが高いガイドが大勢います」と提案をしたのですが、先方が全国通訳案内士にこだわるあまり、このような結果になってしまったのだと思います。

当たり前ですが、ガイドは資格で能力が決まるわけではありません。
経験、知識の豊富さ、コミュニケーション能力、適切な状況判断能力など、様々な点を総合的に合わせたものがその人のスキルになるわけです。

この一件があってから再度、高野・熊野通訳案内士を旅行会社に提案をしたところ、次の回からは採用されました。

素直に人の提案は聞いておくものですよ(笑)


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