熊野古道専業ガイドの年収

今回は、みなさんの気になっている専業ガイドの年収についてお話します。

私が専業になってから、早5年が経ちました。

今は法人の役員報酬が私の収入になっていますので、専業ガイドの年収という概念がありませんので現在の収入についてはお話できませんが、私が専業ガイドとして始めた2016年と2017年の収入についてお話します。

まずは収入です。
「収入」とは、経費を差し引く前の金額です。

2016年 2,100,263円
2017年 2,244,504円

次に稼働日数です。

2016年 約120日(4月~12月は107日)
2017年 128日

2016年1月~3月のデータが取れていないので「約」という数字になりましたが、年平均してこの3ヶ月で20日くらいですのでほぼ誤差はないと思います。

次に経費です。

2016年 340,013円
2017年 467,917円

交通費、通信費で約3分の2を占めます。
熊野ではどうしても現地まで車の移動が必要になりますし、それにかかる交通費をいただけていないという現状も手伝って、経費がかさみがちです。

これは、良くも悪くも、熊野古道の英語ガイドが、地元の語り部団体から派生しているという歴史に原因があります。
語り部さんなどは現地までの交通費というのは「地元」という概念があるため頂いておらず、「謝金」と呼ばれるガイド料と、案内中にかかる交通費のみの負担でまかなっています。
現在も、熊野古道を案内する英語ガイドでも、このような思想が蔓延しているようです。

白浜から本宮、また帰ってきて翌日は白浜から新宮・・・などという案内では、この2往復で給油が必要になります。

もちろん、この経費の部分は個人によっても大きく変わってくるところですので、一概にこの金額がすべてというわけではありませんが、遠方(紀北)から来られる方なら、単純にもっと必要ですよね。

なお、現在は事情を説明して自宅から現場までの往復の交通費をいただけるところが増えてきましたが、それでもまだまだ100%ではないです。

最後に所得です。
所得とは、収入から経費を引いた金額です。

2016年 1,760,250円
2017年 1,776,587円

収入は同年代の平均年収以下

厳しい現実をお伝えしましたが、現実は現実です。
統計によって差こそあれ、年代別のだいたいの平均年収は以下のようです。

40代 500万円
30代 355万円
20代前半 267万円
20代後半 370万円

ちなみに、20代前半と後半をあわせた平均は318万円です。

地域差や職業の差があり、これがすべてだとはもちろん言えませんが、ガイドの年収は圧倒的に少ないと言えます。

専業でのガイドは気候による影響を受けるなどしてキャンセルが相次ぎ、安定していません。

もし、熊野古道で専業を考えられている方は、収入面ではせいぜいこれくらいかもしれませんね。それを覚悟の上で決めてくださいね。

もちろん、一日あたりの単価で比べれば、ガイドの単価は他の職業に比べれば非常に高いです。
また、都市部では年間200日ほど出て500万円ほど稼いでいるガイドさんもいるようですが、残念ながらそれはほんの一握りです。

都市部にでも「出稼ぎ」に行かない限り、このような数字を出すことは現実的に限りなく不可能に近いです。
こと熊野古道や和歌山県内でみれば、私の年間120日程度の稼働日数というのは、他の県内のガイドさんと比べても群を抜いている方だと思います。

今後の課題

2020年5月現在で、高野・熊野地域通訳案内士の登録人数は206名ですが、英語ガイドを専業でしている方は、ほんの一握りです。

和歌山県もお客様の誘致に力を入れてくれてはいますが、現実はまだまだ都市部との格差があることは否めません。

今後の課題は、都市部並とはいかずとも、いかにお客様にもっと和歌山に来てもらうかですね。

逆に専業ガイドを増やすことができればお客様も増えるのでは?と思っています。
それには、トレッキング志向の強いお客様だけを相手にしていると、その数字にの限界があると思いますので、県内の観光資源をもっと活かし、トレッキング目的のお客様以外のお客様にも来てもらえるよう、工夫しなくてはいけないと思います。

高野・熊野だけではダメだと思います。

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