9.天気予報は翌日やその先の分まで必ずチェック
熊野古道の案内は自然が相手です。
お客様も天気についてはかなり気にされていますし、晴れている日はお客様のテンションも高く、気持ちよく案内ができます。
私の中では「晴れならすでに70%成功」と考えているくらい重要なものです。
また、こちらの正確な天気予報を知る手段を知らないお客様は、翌日以降の天気もよく質問されます。
私は日本気象協会のアプリ「tenki.jp」で確認し、お客様にお知らせするようにしています。
ピンポイントの天気予報を見ることができるだけでなく、1時間おきの天気や雨量、風向・風力なども確認できます。
アプリもありますので、ダウンロードしておくといいでしょう。
ただ、天気予報はご存知の通り目まぐるしく変わりますので、「今の時点では」と前置きをして、結びに「天気予報はよく変わりますからね」と、ちょっと逃げ道を作っておくといいです。
10.宿のチェックイン時間や情報を把握しておく
お客様の関心事の中に宿があります。
自分が泊まったことがある宿なら、その経験を元にお伝えできますが、そうでない場合がほとんどです。
私は、電話で聞いたり、下見がてらにお客様が泊まる予定の宿に立ち寄り、少し中を見せていただいたり、オーナーさんと話をしたりして情報を入手しています。
まだ、行ったことがない宿もありますが・・・
温泉が好きなお客様が多いので、私の場合、温泉の有無や、送迎の有無の確認などをすることが多いです。送迎を対応しているところは、どのエリアまで可能なのかも併せて聞くようにしています。
また、夕食時間や、最終チェックイン時間が決められている宿もありますので、それに間に合うように案内しないといけません。
特に南国のお客様を案内する時は要注意です。
私は一度、その宿に最終チェックイン時間があることを知らず、5分遅れてお連れしたところ、えらく叱られたことがありました。
私が確認を怠ったために起きたことです。
そこがどことは言いませんが、お客様の評判はよろしくないですがね。
11.絶えず笑顔で
世界共通のコミュニケーション手段、それは「笑顔」です。
笑顔の力はもうここで説明する必要はないでしょうが、笑顔は人を元気付け、楽しませ、お互いの距離をぐっと近づける最高の手段です。
「笑う門には福来る」と言いますが、本当にそう思います。
是非、お客様と話をする時には笑顔を心がけてください。
特に気をつけたいのは、相手の言ったことが聞き取れなかった時です。
「は?」と眉間にしわを寄せて聞くと相手に威圧感を与えますよね。
逆に「すみません、もう一度お願いしていいですか?」と笑顔で聞き返すのとでは、印象は全く違ったものになります。
私はいちいちそこまで丁寧に聞き返すことはあまりないですが、「Sorry?」を笑顔と一緒に聞き返すようにしています。
ただ、「Sorry?」はお客様が一度言ったことをもう一度最初から言わせることになりますので、あまり「Sorry?」を多用すると、お客様に一から何度も言わせることになります。
なのでわたしは、聞き取れた部分を繰り返し、そのあとで「Sorry?」を付け加えて聞くようにしています。
12.現場100回
これは大先輩語り部さんから教えていただいた言葉です。
その方は日本語の語り部さんですが、私なんかより遥かに経験も豊富で、たくさんの苦労もされています。
私は各コースに100回ずつ出ている自信はありませんが、同じコースでも歩くたびに新たな発見があり、また、いかに人間の記憶力が頼りないものなのかを知ることができます。
コースを熟知することは、こと熊野古道では必須です。
特にリタイヤポイントや危険箇所、ある地点からある地点までの距離とその所要時間は、なかなか地図とにらめっこしても覚えられるものではありません。
また、熊野古道を案内する場合において、所要時間の目安の計算の方法などもあります。
現場を知ることは、熊野古道ではなくても必要なことでしょう。
現場を知ればそこが「得意分野」となり、自分の強みにもなります。
13.プランBは必ず用意
自然が相手のガイドをする場合、荒天でやむなく行程を変更せざるを得ないことがあります。
また、お客様のコンディションで変更する場合もあります。
お客様が歩きたくても、それに見合う体力がないとこちらが判断した時は、代替案を提案することもあります。
そんな時のために「このプランであればどんな代替案が考えられるか?」を考えて、代替案を用意しておくと、いざという時にあたふたしなくて済みます。
分からなければ、先輩や宿泊先のオーナーさんに聞いてみるなどして考えます。
もちろん、旅行会社が間に入っている場合は、代替案を実行する前に連絡を入れて了承をもらっておく必要があります。
勝手な変更は避けてください。
やってはいけないことは、お客様の要望に合わせて行程を変更し、自分が案内したことのないコースを案内することです。
これは危険です。
いかにお客様の要望でも、自分が案内したことのないところ、特に知らないルートを歩くことは絶対にやめてください。
そしてそれをお客様に正直に伝えてください。
いかがだったでしょうか?
まだまだ気をつけるべきことがあるかもしれませんが、おおむねこういったところに気をつけていれば、お客様からの評価も上がるかと思います。
一番はじめにも書きましたが、すべては経験からです。たくさん経験を積むことで自分のスキルも向上します。
「いや、自分はまだまだ・・・」なんて言っていたら、いつまでたっても研修のみの頭でっかちになってしまいますよ。
14.時には厳しく
これは国籍を問わず全世界共通だと思いますが、「あ、こいつは頼りないな」とか「こいつは何を言っても怒らないな」と相手が判断すると、舐めてかかってくる人がいます。
言い方は乱暴ですが、子供と一緒です。
一旦そうなると、もはやこちらの言うことは聞いてくれなくなり、主導権が相手に移ってしまいます。
その前に、「ここは引き下がってはいけない」と思ったところは厳しくいかなければいけません。
ここで誤解をしていただいては困るので敢えて言いますが、何も口論をしろということではありません。
相手が頭に乗って来る瞬間に釘を刺す・・・平たく言えばそんなところです。
たとえば、朝の出発時間をどうしても遅らせることができない状況で、ダメ元で遅らせることができないかを言ってくる人がいます。
あるいは、行程的に無理な要望を言ってくる人。
一番行程を理解しているのはガイドですから、その立場をお客様側に握られて振り回されないようにしなければいけません。
それをされて一番困るのはあなたです。
ダメなことははっきり「No」と言い、その他は笑顔を心がける。
「アメとムチ」を上手に使い分けることも必要だなと、最近思うようになってきました。
