今回も、中村公一さんのお話です。
前回の記事では、日本人の経済に関する知識の遅れが国力を弱めているのではないかというお話でした。
今回はそういった国民一人ひとりの自立が国家の自立につながるというお話です。
前回では、日本の株式の約30%が外資であり、日本の企業も外資を期待しないといけないといった状況であり、そのグローバルの投資家に認めてもらうには、ROE8%を達成しようと一生懸命頑張っているといった状況です。
結果、日本人の賃金が上昇しない要因なのではないかというお話でした。
利益を株主への配当に回しているので賃金にお金が回らいといった状況です。
前回の記事はこちら
経済知識の欠如が国力を弱める
外国から見た日本人の賃金
日本の賃金は昔、諸外国からは「高い」と言われていました。
ところが、最近ではその反対で、香港に住んでいる中村さんから見た場合「だいぶ安いな」という印象に変わったといいます。
2つの経済指標から見た現在の日本
まずはこの20年における、円と米ドルの関係ですが、だいたい、1ドル100円前後です。
リーマンショックの前後では80円くらいになったり、アジア通貨危機の時は130円~140円台になったといった特殊な時はありましたが、だいたい円安で120円、今は105円前後で推移しています。
なので、「1ドル100円前後」といっても差し支えないのが、現在の円とドルの関係です。
そして、もう一つの経済指標の物価上昇率ですが、日本はいわゆる「デフレ国家」だったわけです。
過去20年の日本における物価上昇率はたったの0.1%。
牛丼であれば20年前よりも今の方がちょっと安いのではないかというレベルです。
日本では、このように物価がほとんど上がっていません。
20年前にラーメン一杯を500円で食べられれば、今でも500円で食べることができます。
これは、1ドルが100円前後なので、今でも5ドルでラーメンが食べられるということになります。
では、今度は外に目を向けてみるとどうでしょうか?
たとえば、ハワイに行ったとします。
今、ハワイではラーメン一杯をいくらで食べられるでしょうか?
昔は5ドルでラーメンを食べられたかもしれませんが、アメリカのここ20年の平均物価上昇率は年2.2%。
今ハワイでは、10ドルでもラーメンを食べることはできません。
世界的に見ても、物価はだいたい20年前の2倍になっています。
ということは、500円持っていっても足りなくて「2倍もってこい」ということなのです。
この20年間で日本人の給料が2倍になっていれば問題ないのですが、なっていません。
日本は美味しい国
これが何を意味するのかというと、
20年間日本人の賃金が上がっていないということは、世界的に見て日本人の賃金が半分になっているということです。
日本人の労働に対する質が半分になったのであれば仕方ないですが、そうではないですよね?
結果的に何が起こっているのはというと、
日本は、いい人材を安く使えるという国になったということです。
今はコロナで停滞気味ですが、それまでは日本が「爆買いされる側」になってしまったということになります。
1990年代に日本人が海外で同じ様に「安い」と言って爆買いをしていた時、その時に相手の国のことを日本人はどう思っていたのか?ということです。
日本人なので相手の国を馬鹿にするということはないでしょうが、ちょっと下に見ていた可能性も無きにしもあらずです。
国民の自立が必要
このようになってしまった理由の一つが、日本人が日本の株を持っていないことです。
外国人からお金を出してもらわないと日本の経営者も事業をできなくなってしまっていることではないでしょうか?
資本の自立は国家の運営において非常に大切なことです。
それにはまず、国民一人ひとりがそういった考えを持たなければならないということです。
