この値段、当てられますか?(適正な価格とは?)

いきなりですが、以下の商品の値段を当ててみてください。

1.瓦 (J形53A桟瓦 いぶし 8枚セット)
2.神棚 茅葺神棚屋根通三社造
3.梅干し(プラ容器入り1kg)













正解はこちら

1.瓦 (J形53A桟瓦 いぶし 8枚セット) 4,950円
2.神棚 茅葺神棚屋根通三社造 30,5000円
3.梅干し(プラ容器入り1kg) 4,320円

全部当てる事ができましたか?

近い金額はあったかもしれないですが、すべてをピタリと当てることはできなかったと思います。

たとえば同じ神棚でも、5万円のものもあれば1万円未満のものもあります。

「30万円」と言われて「そう言われればそうなのかなあ」という印象を受けたかもしません。

一般の人が値段を決めることの難しさは、テレビでは古いですが「世界まるごとHow much?」(←古すぎ)や、ぐるナイの「ゴチバトル」でも十分証明されていると思います。

アンカリング効果って知っていますか?

なんで、その価格で売れちゃうの? 行動経済学でわかる「値づけの科学」 (PHP新書)によると、アンカリング効果とは、行動経済学者・ダニエル・カーネマンが提唱し、ノーベル経済学賞を取った考え方ですが、一言でいうと「人は無意識に最初に見せられた数字から大きな影響を受ける」というものです。

その実験として、
学生を2つのグループに分け、宝くじの当選番号を決める時に使用する回転式円盤を回して、出た数字のメモを取らせました。
円盤は、1つのグループのものは10、もう一つのグループは65で必ず止まるように細工がされています。

そのあと、2つ質問をします。
1.国連加盟国に占めるアフリカ諸国の比率は、それよりも大きいですか?
2.では、その比率は何%ですか?

質問2は、円盤で出た数字とはまったく関係ないにも関わらず、
「10」を見せられたグループの平均は、25%
「65」を見せられたグループの平均は、45%

という結果が出たそうです。

アンカリング効果の重要性

「その神棚は30万円です」
「このワインは100万円です」
「このバッグは50万円です」

と言われると「高いと思うけど、そんなものなんだな」となりますし、逆に

「あそこのスーパーの牛乳はいつも198円」
となると、他のスーパーで同じ牛乳を230円で売っていれば買いたくなくなります。

また、同書では、ユニクロが値上げをして顧客が離れてしまったことを例に挙げ、ユニクロは日本国内では「価格破壊を起こしたリーダー」というイメージがあまりにも強く「ユニクロは安いウェア」と、顧客にアンカリングされていたことが原因だと説明しています。

「お得感」<「損失感」

また、人は「得をした」と思うことよりも「損をした」と感じることを回避しようとすることも説明しています。

同じくダニエル・カーネマンが提唱した「プロスペクト理論」の説明で、同書では次のような例を挙げています。

モリさんとハラさんは同じ給料。
モリさんは今年も来年も給料が変わらない。
ハラさんは今年は月給1万円増えて、来年は1万円下がった。

来年の時点では二人とも同じ給料だが、損失感を感じるのはハラさんの方。

人はなるべく損をしないように回避をします。

一旦値下げをし後、再び元の値段に戻しただけでも、お客様は「損をした」と感じます。

著者の永井孝尚氏は、「価格を元に戻すくらいならば、そもそも最初から安売りをしなければよいのである」とバッサリ切っています。

値段に合理的な根拠はない

絶対儲かる「値上げ」のしくみ、教えますの著者・石原 明氏は

経済学では「モノやサービスの値段は需要と供給のバランスで決まる」と教えています。
そのために「すべてのモノやサービスの値段には確たる理由がある」と思っている人が多いですが、実際には値段に合理的な根拠はありません。

と説いています。

さきほどの神棚の話もそうですが、神棚一つとっても、また椅子ひとつとっても、値段はピンきりで、消費者にとって本当の値段というものは分からないものなのです。

銀座の高級寿司店の大トロと、町のお寿司屋さんの大トロでも、味だけで見た時に、その差額分の違いが分かるかというと、正直分からないと思います。

石原氏は「はっきり言って、何にどんな値段をつけようと売る側の自由です」と説明しています。
ただし、「値段には、そのモノやサービスの価値がしっかりと反映されるべき」と断りは入れていますが。

自分の能力を安く売らないで

通訳案内士という仕事は、誰がやってもできるような仕事ではありません。
外国語能力を有し、知識も豊富でコミュニケーション能力も必要です。
さらに、上記の条件を満たしながら熊野古道を案内できるガイドはどれくらいいるのかというと、その中からでも非常に限られてきます。

危機管理能力、体力、自然の知識などの追加要素が必要だからです。

長い時間をかけて下見をし、知識を入れ、体力をつけて晴れて熊野古道ガイドとして活躍できるわけで、軽はずみに「やりたい」といってもすぐになれるわけではありませんし、デビューまでには時間がかかります。

そういった意味でも、お客様には、こと熊野古道のガイドにおいては「付加価値」を理解していただき、ガイドも自信を持って自分が納得できる金額で案内ができるように、自己研鑽を重ねていかなくてはなりません

「自分はまだまだだから」と、金額を安く設定してしまうと、後で上げてもらうことは大変ですし、「安い=レベルが低い」と見られてしまい、お客様・ガイドにとって得なことはありません。

当法人では基本的に値引きはしていませんし、あまりにもこちらとエージェントとの間でガイド料について折り合いがつかない場合はお断りをしています。

値段を低く設定してお客様を取ろうとするガイドや団体が出て来ないことを願って止みません。
また、団体に収める会費やガイド料に対する手数料が安いからといって飛びつくのも考えものです。

はっきり言って、そういった人、および団体は、いずれ苦労することになりますよ。

今日ご紹介した本はこちら

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