日本語指導勉強会 第二部が始まりました ~知識の習得法~

9月から始まった日本語指導勉強会の第二部が始まりました。
第二部のテーマは「不思議日本語文法」「中級教材の使い方」で、それぞれ3回に分けて深堀りをしていきます。

谷山先生の長年の経験から出るお話は非常に説得力があり、まさに現場で磨き上がられたスキルだということを毎回実感します。

わたしもこれまで何度となくこのブログや現場研修で受講生のみなさんにお伝えをしていますが、現場に出ることによってガイドのスキルが磨かれていきます。
谷山先生の30年以上の経験から比べれば、私のガイド経験なんてひよっこの部類ですが、それでもこれまでに得た知識は経験によるところが大きかったことは確かです。

ちなみにわたしの場合、知っている知識であっても、教えてもらう立場でいる限りは初めて聞いたように振る舞います。
あなたにも経験があるかと思いますが、自分の話を興味深く聞いてくれると気分が良くなります。
そうなると、もっとその周辺知識も話そうという心理が働きます。
わたしはこれを逆手に取って、相手の話を興味深く聞き、相槌を打ち、時には身を乗り出すなどして聞いていることをアピールをし、さらに相手の話を引き出します。

なので間違っても「あ、その話は知っています」とか「それについて私の経験では◯◯で、・・・」とか「いや、それはこうですよ」など、自分に話の主導権が来るような言葉を一切使いません。

これは、ガイドをしている時に、お客様が自分の知識について話し始めた時も同様です。
仮に自分が知っている知識であっても、興味深く話を聞いてあげます。
話の前半は知っている知識であってもそれはイントロダクションで、核心部分は初めて聞いた・・・なんてことはよくあります。

私の場合ですが、さきほどの言葉が相手から出た時点で「この人はすでに私が話そうとしていることを知っている」と判断し、それ以上話すことを止めます。
おそらく物を教えている立場の人であれば、同じ態度を取るのは私だけではないと思います。

あなたはそういった言葉を使っていませんか?
もしかすると、知識の習得が遠回りになっているかもしれません。


試験に受かる勉強法とガイド説明暗記法②

今回はガイド説明暗記法についてお話します。
一応「ガイド説明暗記法」となっていますが、なにか暗記しなくてはならないことがあった場合にも十分使えますので、ガイド以外の方にも参考になると思います。

暗記法も、前回お話した「サイクル回し」の方法と似ています。
前回の記事を読まれていない方は、こちらから読まれることをオススメします。

では早速いきましょう。

説明文をスポットごとにまとめる

記憶をするという作業の前にしておかなければいけないのが、説明文をスポットごとにまとめるという作業です。

説明文を作るのに、様々な情報源から集めてきたものを自分なりにまとめます。
また、書籍や県が発行しているテキスト、田辺市が発行しているガイドブックなどから引用する際には、自分の言いやすい言い回しに直すことをオススメします。

それらは書き言葉で書かれていますので、文章がやや堅いです。
また、自分のいい慣れていないフレーズは覚えにくいものです。

そういった情報源を活用するのであれば、まず読んでから自分の言葉で要約を声に出して話してみて、それを自分の説明文にするといいと思います。
アウトプットすることにより、曖昧に覚えている部分は説明できないことが分かりますので、あなたの理解度を測ることもできます。

順番に暗記をする

次に順番に暗記をします。
ここでは「文章のサイクル回し」をしていきます。
例えば、次のような説明文を覚えるとします。

①Today, we will walk an ancient route that leads to one of Kumano’s important shrines.

②Emperors, samurai, and the wealthy walked this road to receive blessings.

③It was also traveled by the poor, blind and handicapped seeking mercy.

④Some were social outcasts in this life because of their disabilities, but they traveled and prayed for a better lot in the next life.

覚える順番はこのような感じになります。

①を覚えます。

①を覚えたら②に移り、②を覚えます。

②を覚えたら①から②までを暗唱します。


③を覚えます。

③を覚えたら①から③までを暗唱します。

④を覚えます。

④を覚えたら①から④までを暗唱します。

文章で書くとまどろっこしいですが、つまり、一文ずつ覚えていき、覚えたら最初から覚えたところまでを暗唱していくという方法です。
前回の記事の「パートごとに攻略→パートをサイクル回し」にあたるところです。

一ヶ所の説明スポットをひとつのパートをして捉えます。
この工程は、前回の記事のなかでも説明した通り、一番骨が折れるところです。
しかし、次の段階に行くまでの大切な工程ですので、ここが頑張りどころです。

一ヶ所のスポット説明を暗記できれば、次のスポットに進みます。
この段階での目安は7~8割言えるようになることです。
完璧を目指さなくてもかまいません。
この時に、どうしても覚えにくいフレーズがあれば、自分の覚えやすいフレーズにしておきます。

全体をサイクル回し

一ヶ所ずつ覚えていき、最後の説明スポットまでいけば、今度は全体をサイクル回しします。
ここでの作業は、前の工程でほぼ出来上がっていますので、さほど負荷は強くないと思います。
ここではほぼ完璧に覚えることができるようにしておきます。
目安としては9割以上です。

ランダムにサイクル回し

ここからが勉強法とは違う方法が登場します。

順番に説明ができるようになったら、今度はランダムに言えるようにしておきます。

ダイソーで「インデックスカード」というものが売られています。
インデックスカードとは、いわゆる単語帳がバラになったようなものとイメージしていただいたら分かりやすいと思います。

インデックスカードにスポット名を書いておき、トランプを切るようにシャッフルします。
シャッフルしたあと、ランダムになったカードの順番にしたがって説明をしていきます。
最後までいったら、「1サイクル」です。
1サイクルが終われば、またカードを切って同じようにランダムに説明をしていきます。
これで記憶が定着するまでサイクル回しをしていきます。

案外、スポットごとに順番に覚えていくと、前後のスポットの単語やフレーズから記憶をたどって覚えていることが多く、いきなりそのスポットが出てくると言えなくなる場合があります。

ランダムに説明する目的は、前後のスポット説明との関係を断ち切ることにあります。

ではなぜ、そのようなことをする必要があるのでしょうか?

それは、必ずしも、実際のガイドでは自分が用意したテキストの通りに説明することができるというわけではないからです。

たとえば、時間が押してきたり、持ち時間が最初から短かったりで、Aというスポットをスキップしなければならない場合があります。
そうなれば、前後の関係で覚えていては、次のBでの説明が出てこない可能性があります。
その「記憶の連鎖」を切るための作業です。

できれば現場で説明練習を

遠方でなかなかできない人もいると思いますが、できれば仕上げに現場で実際に一人でもいいので説明練習をしてみることをオススメします。

自宅で覚えていても、いざ現場に来て体を動かしながら説明をしてみると、記憶が飛んで出てこないことがあります(本当によくあります)
バスの中で説明する時などはその必要はないと思いますが、熊野古道や神社仏閣の境内などを歩きながら説明するのであれば、やっておいた方が絶対にいいです。

ひとりでブツブツ言っている姿は、周りから「あの人、何やってんのやろ?」というような目で見られることもありますが(笑)

あるいは、友達や知り合いに実際に聞いてもらい、わかりやすかったかなどのフィードバックをもらうことも非常にいいと思います。

自分の音声を録音して聞く

これはベテランの通訳案内士さんから聞いた話ですが、できればやっておいたほうがいいです。

自分の発音のクセや、「案外スラスラ言えていないな」など、自分の説明を客観的に見ることができます。

また、記憶のさらなる定着にも繋がります。

わたしは最近やっていませんが、デビュー当時はよくやっていました。

ひとつのコースにつき1ヶ月

記憶の定着(スラスラ言えるレベルになる)まで、だいたい1ヶ月かかります。
ですので、いきなりあちこち案内するという方法より、まずは一ヶ所を極める方法の方がいいと思います。
そうして徐々に案内できる範囲を広げていけばいいと思います。

また、今回は記憶に特化した内容でしたので、アドリブについては説明をしませんでしたが、ガイドの説明は覚えたことをなぞって話すだけではありません。
予想だにしていなかった質問がお客様から出た時に、自分の持っている知識や考えを駆使してそれを英語に直さなくてはなりません。

なので、自分の日本語での知識のストックを瞬時に英語に訳せるだけの英語のスキルを磨くことも必要となってきます。
記憶しているものを逐一全部英訳してテキストを作ることは、膨大な作業でありオススメできません。
なので、説明の骨子はテキストで覚え、知識の引き出しにあるものは瞬間的に英訳で対応できるようにしておきたいものです。

そして、記憶について絶対言えることは、「テキストを眺めているだけでは絶対に記憶に定着していない」ということです。
眺めてもいいですが、かならずアウトプットする時間を設けてください。

まとめ

今回は、説明文の記憶法についてお話しました。
以下、まとめです。

◯説明文をスポットごとにまとめる

◯順番に暗記をする(スポット内の文章単位でサイクル回し→パート単位でサイクル回し)

◯全体をサイクル回し

◯ランダムにサイクル回し

◯現場で練習

◯自分の音声を録音して聞く

そして、記憶の定着にはそれなりの時間が必要で、目安としては、ひとつのコースにつき約1ヶ月かかります。
「これでもか」という繰り返しが、記憶定着の鍵です。

ご参考にされてください。



試験に受かる勉強法とガイド説明暗記法①

このブログを読まれている方なら、社会人になってからも資格取得の勉強をしたことがある方が大半だと思います。
今回は2回に渡って、私が実践して一発合格を連発した勉強法と、ガイド説明の暗記法をご紹介します。

問題集>参考書

よく、問題集を眺めているだけの人を見かけますが、はっきり言ってその方法はオススメできません。
読むだけでアウトプットがなければ、時間の無駄です。

わたしがいつもやっている方法は、分からなくてもとりあえず問題集を解くというやり方です。
問題集には、解答と一緒に解説が掲載されている場合がほとんどです。
問題を解きながら覚えることができるので、一から参考書を読むよりかなりの時間の節約に繋がります。

あなたが社会人なら、勉強できる時間は限られています。
なるべく無駄を排除する工夫をしたいところです。

問題集を選ぶ際には、解説が解答と解説が掲載されているものがあるかどうかをチェックされるといいと思います。

ほとんどの試験は問題形式で記述式ではありませんよね?
記述式でなければ、参考書の説明を一から覚える必要なんてありません。
問題集を解くことは、問題に慣れてしまうという利点も生まれます。

参考書は、理解したことの確認に使う程度に留めておきます。

まずはパートごとに攻略→パートをサイクル回し

次に問題集による勉強の進め方です。
最初から全部を一通り解くのではなく、パートごとに解いていき、そのパートの最後まで行ったらまたそのパートの最初に戻ります。
これを7~8割正解率が出るようになるまで繰り返します(サイクル回し)
目標の正解率を達成したら、次のパートに移ります。

この工程を最後のパートまで繰り返します。

この「パートごとのサイクル回し」が、一番時間がかかります。
しかし、これは次の工程に入るには欠かせないところですので頑張りどころです。

次に全体をサイクル回し

パートごとのサイクル回しが終われば、次はいよいよ全体のサイクル回しに入ります。
すでに各パートのサイクル回しが終わって大方頭に入っている状態ですので、この工程はさほど負荷はかからないはずです。

もし、間違いが多いとか、負荷が強いと感じるのであれば、もう一度苦手なパートのみをサイクル回しします。

次に、問題を見た瞬間に答えが分かるような問題は飛ばし、間違った問題だけを解くサイクル回しをします。

こうして、全体の正解率が8割以上になるまで繰り返します。

8割以上の正解率までになれば、その問題集に記載されれいる内容は頭に入っていることになります。

基本問題集は一冊攻略を目標に、余力があれば次の問題集へ

陥りやすい問題として、たくさんの問題集を「薄く広く」やってしまうことです。
「薄く広く」は、問題を解いたという感覚はありますが、結構頭に入っていないことが多いです。

まずは一冊の問題集を徹底的に攻略することです。

問題集はすべての範囲を網羅していますので、それをきっちりやり込むことで問題の傾向も把握できるようになります。

個人差や時間のとり方にもよりますが、一冊の問題集をマスターするまでに、休日に約5~8時間、仕事がある時は1~3時間程度の時間をほぼ毎日取って、わたしの場合で約1ヶ月かかります。

余力があれば次の問題集や、模擬試験などがあれば実際に時間を図って解くなどして実践に備えます。

まとめ

今回は試験に受かる勉強法についてお話しました。
以下に今日の内容をまとめておきます。

■参考書よりも問題集を解く

■各パートをサイクル回し

■全体をサイクル回し

■問題集は基本一冊でOK

以上ご参考にされてください。

明日はガイド説明の暗記法です。