多様な文化的背景の違いを理解する④

気をつけるべき国と地域

私たち日本人は単一民族であり、他国のような多民族国家ではないがために、国と地域についての認識の違いが分からず、お客様に不愉快な思いをさせてしまう可能性があります。
ガイドを始めるにあたって、特に気をつけるべき国と地域についてお話をします。

イギリス

一口に「イギリス」と言っても、中身はイングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドの4つの国の集合体です。

ちなみに正式名称は「グレートブリテンおよび北アイルランド連合王国」です。

私は以前イギリスのことを何の疑いもなく英語では「England」と言っていました。
以前イギリスのお客様とサッカーの話題になり、「イングランド」という言葉を聞いたお客様が「いや、うちは『スコットランド』だ」と言われても意味が分からず、「なぜイギリスなのに違う名前で複数のチームがワールドカップに出てるのか?」という質問をしてようやく意味が分かりました。

特にスコットランドの方は「スコットランドはスコットランド」という意識が強いようです。

それからというもの、私はイギリスを英語で言う時には「England」ではなく「UK」または「United Kingdom」というようにしました。

スペイン

スペインも元は複数の国家が集約されて形成された歴史的背景があるために注意が必要です。
私の先輩ガイドは、「スペイン」という言葉を使った時に「私たちはスペインに征服されたので『スペイン』と呼んで欲しくない」と言われたそうです。

先ほどの私のイングランドの話と非常に似ています。

中でも、フランスと国境をまたいで存在するバスク地方は、今はスペインに併合されていますが、独特の言語と文化を持つ地域です。
言語はどのヨーロッパの言語とも似ていない特有の言語だそうです。
また、見た目も東洋人に似ています。

私は「イングランドの経験」から、お客様と会話をする中で、バスク出身と聞いた際には必ずスペインのことよりバスクの話題を中心に質問をします。

中国

最近になってようやく、中国によるチベットやウイグル(東トルキスタン共和国)の人権弾圧の話題が表に出てくるようになりましたが、この2つの国はれっきとした仏教とイスラム教の国です。また、南モンゴルも一つの国でした。

文化大革命により、チベットでは120万人が粛清され、6000もの寺院が破壊されました。
ウイグルでは50回以上に及ぶ核実験が行われ、ウイグルでは癌の発症率が飛び抜けて高く、また、チベット民族やウイグル民族を根絶やしにするために、妊婦は強制的に中絶をさせられ、大量の漢民族を移住させて「同化」を図っています。
また、反政府の言動をしようものなら、強制的に収容所に入れられ、二度と戻って来れないばかりか、「獄死」した人々は遺族でさえも引き取れないという現状があります。

ちなみに、みなさんが愛してやまないパンダも、元はと言えばチベットのものです。

記憶に新しいところでは香港も、残念ながらおそらくチベットやウイグルと同じ道をたどることになるかのしれません。

特に、香港からいらっしゃるお客様が多く、日本が大好きで日本に旅行をすることを「日本に帰ってくる」という人までいるくらいなので配慮には特段の注意が必要です。
私は恥ずかしながら、以前は香港と中国は一緒なのだと思っていました。
香港の方とお話をした際に「中国人とは全然違う!」と強くおっしゃっていたことを覚えています。

私はあまり中国のお客様と接したことがないので比較は出来ませんが、香港の方は日本人と気質が良く似ているところがあります。
・・・ちょっと時間にルーズですがね(笑)

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