多様な文化的背景の違いを理解する21

リタイヤ

今まで約600回案内してきた中で4回しか経験がありませんのであまり例がありませんが、たくさんガイドをしていると遭遇するトラブルがリタイヤです。

7泊8日のツアーの4日目、継桜~本宮大社で起きました。

このお客様は、2ヶ月前に足の小指を骨折していましたがほぼ治っており、ツアー3日目までは問題なく歩いていました。
むしろ早い方のグループに混じって歩いていました。

4日目、岩上峠を歩いている時、「今までリタイヤしたお客さんはいるか?」という質問を受けました。
なんかおかしいなと思いながら「いいえ、幸運にも今までありません」と答えると突然泣き出し「やめたいかも」と言い出しました。

やめると言っても山の中です。

今なら1kmほど歩けばバス停がありますが、土地勘のないお客様だけで行かせることはできません。
また、そのお客様をお連れしても歩き組を放っておくことになり、どうしようもありません。
こんな時、ガイドが一人だと何も出来ないのです。

このグループは8人。
中辺路ルートをガッツリ歩く行程です。
旅行会社さん、こんな時は絶対に2人ガイドが必要です。

岩上峠を上りきったところでお客様の両足のふくらはぎが痛み出しました。
なんとかごまかしてお客様を励まし、発心門王子のバス停まで歩いてもらうしかありませんでした。

お客様もよく頑張りました。
ようやくの思いで発心門王子に到着し、バスの時刻を伝え、本宮大社前で待ち合わせる約束をし、電話番号を聞いてお別れしました。
途中、不安なので連絡をします。
もちろん国際電話になりますので費用はバカ高くなります。

このお客様とは別にもうひとり、向こう脛の横に筋肉に違和感を訴えるお客様がいたので、翌日の5日目にクリニックにお連れしたところ「歩き過ぎによる炎症」と診断されました。
話を聞くと、どうやらこのツアーの前に大阪で一日20kmほど歩き回っていたそうです。
それがここに来て発症してしまったようです。

結局、この2人が6日目から離脱。
別行動をしていただきました。

もう一つの例は、滝尻~高原間で起きました。

事前にお客様の一人が喘息持ちという情報がありました。

いざ出発すると、吸引器を取り出して歩き始めました。
嫌な予感が的中、とうとう不寝王子跡で私がリタイヤを進言しました。
このグループは5人。
地図でルートを説明をして残りのお客様を彼ら自身で歩いてもらい、掘割(ほりわり)で待ち合わせをすることにし、私はお客様を連れてもと来た道を歩いて下りました。

下山し、宿に連絡をして迎えに来てもらい、お客様を送り届けたあと、宿の方に再び掘割まで送ってもらいました。
まだお客様が見えていなかった(私がいなくても絶対にここで待つように言っていました)ので、掘割から滝尻方面に向かって歩いていると、お客様と無事会うことができました。

あとの例は、過去に記事がありますので、そちらをご参照ください。

https://7875937fbfc6f01c.main.jp/2018/12/03/guideexperience-emergency/
https://7875937fbfc6f01c.main.jp/2020/12/06/%e4%bb%8a%e5%9b%9e%e3%81%ae%e3%82%ac%e3%82%a4%e3%83%89%e3%81%ae%e5%8f%8d%e7%9c%81%e3%81%a8%e8%aa%b2%e9%a1%8c/

普段は楽しいガイドですが、一度リタイヤが出ると対応に追われ楽しい気分が吹き飛んでしまいます。
リタイヤしたお客様は気持ちも沈んでしまいます。
そのお客様をどうやって最小限のダメージで抑えるか、また、いかに残ったお客様を楽しませるか、不安にさせないかがガイドの力量を問われるところだと思います。

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