二日酔い
朝、約束の時間に宿に行くと、「相談がある」と言われました。
話を聞くと「昨日酒を飲みすぎて二日酔いで歩けない。でもスタンプは欲しいので誰かスタンプを押す人を雇ってくれないか」と言われ唖然としました。
人間、予想もしないようなことが起こると咄嗟の判断ができなくなる時があります。
このお客様たち、いや、コイツらはスペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラを歩いており、「次は熊野古道」ということで、共通巡礼証をもらいに来ていました。
なので、熊野古道の達成条件をクリアするためにどうしてもスタンプが欲しい、しかし歩けないという、何とも甘えた奴らでした。
私はここで大きな後悔をすることになります。
スタンプを押す人間などその日に急に言われて雇えるわけもなく、結局わたし一人が歩いてそのコースのスタンプを押し、彼らには本宮大社で待ってもらうことにしました。
何であの時そのような判断をしたのか、自分でもよく分かりません。
きっぱりと突っぱねて叱りつけてやるべきでした。
そして、「ズル」をしてコイツらは巡礼を達成するのかと思うと腹が立って仕方がありませんでした。
本宮大社で神妙な面持ちで太鼓を叩いている奴らの姿を見て、何とも情けない気持ちになりました。
いくら楽しみに来ているとは言え、旅であっても、ましてや熊野古道を歩くのですから、健康管理を自身の責任ですることは当たり前のことです。
それが出来ていない人は、歩く資格はありません。
子供ではないのですから、それくらいのことはわかっていて当然です。
