
今回は、下見に行く際に、どの点に注意をしながら下見をすればいいのかをお伝えします。
主に熊野古道での下見について書いていますが、他の地域の下見でも応用は利くと思いますので、熊野を案内しない方にも読んでいただけたらと思います。
下見で重要ことの結論からいうと、「お客様目線で物事を見る」ということです。
スポット説明ではお客様の素朴な疑問、交通に関してはお客様の不安を取り除けるように意識をして下見をするといいと思います。
交通
ガイドで切っても切り離せない重要な項目です。
都会などの地域に比べれば、熊野の交通の複雑さは幾分ハードルが低いかもしれませんが、中には初めて利用すれば間違うようなややこしい場所もあります(最近はそういった場所は、間違わないように随分改善されてはいますが)
たとえば、
◯似たような名前のバス停
◯乗り換えは少し離れた違うバス停から
◯同じ名前で行き先が同じバス停でも、バス会社によっては反対車線のバス停から
・・・など、改善されたとはいえゼロになったわけではありません。
熊野古道の案内では、公共交通機関をまったく利用しない日もありますが、デイガイドであればあなたの帰りのバスの心配をしなければなりませんので、やはり重要な項目であることに変わりはありません。
乗り場の確認
以前は降りる場所と乗る場所が違っていたり、行き先によってバス停が違ったりしてややこしいバス停がありましたが、今は随分改善されています。
例えば、以前は本宮大社前から発心門王子行きへのバス停と、奈良方面行きのバス停が別々だったり、新宮から那智山への乗り換えの場合、「那智駅前」で降り、少し歩いて「那智駅」から乗る必要がありました。
その距離約50m・・・
「那智駅前」は国道沿いの停留所、「那智駅」は那智駅改札口の正面にあるバス停でした。
しかし現在は停留所が「那智駅」に統合されましたし、発心門王子行きも同じく統合されました。
また、バスNo.も導入を始めましたので、お客様に説明する時は「〇〇番のバスです」ということでわかってもらえるようになったのはありがたいことです。
時刻表
今はネットで確認できるため、あまり必要がないと思われがちですが、バス会社の更新が遅れている可能性もありますので、必ず確認しておきます。
特に運賃と時刻表の改正がある春と秋は注意が必要です。
また、先ほどの話とつながりますが、行先やバス会社によって、同じ名前・行き先でも反対車線のバス停から乗らなければならない場合があります。
湯の峰温泉がそうですね。
ガイドの仕事は確認、そして確認です。
運賃
時刻表と同じですが、運賃も確認しておきます。
お客様は結構バス運賃について聞いてきます。
覚えなくてもかまいませんが、せめて聞かれた時にすぐに調べられるようにしておきたいものです。
ちなみに、何度も乗っているコースの運賃は、覚える気がなくても結果的に覚えてしまっていることが多いです。
所要時間
これもよく質問を受けます。
私は先手を打って先にお知らせすることが多いですが、たまにお伝え忘れる時があります。
そんな時は必ずといっていいほど聞いてくるほど多い質問ですので、所要時間の確認は必須です。
スポット説明
次にスポット説明です。
実際に現場に出て初めて見えてくるものがあります。
スポット説明でもやはり「お客様目線で見る」ことを念頭に置いて下見をします。
所要時間
コース全体の所要時間はもちろん、スポットから次のスポットまでにかかる時間なども把握しておきます。
熊野古道では地図がありますので、全体の所要時間は地図に書いていますが、やはり自分が実際に歩いて確かめることも必要です。
また、当然のことながら、地図はガイドの説明時間を入れて所要時間を書いているわけではありませんので、説明をしながらどれくらいかかるのかを把握しておくことは非常に重要です。
距離については、地図に書かれている距離は正確ですし、番号道標があるコースがほとんどなので、改めて実際に測って確認する必要はありませんが、番号道標がないコースについては、主要なスポット間の距離と所要時間を把握しておくといいと思います。
距離を測るには、距離計測アプリを使うといいでしょう。
私は「Strava」を使っています。
トイレ
熊野古道を歩く際に最も重要な要素のひとつです。
全部で何ヶ所あるのか、また、次のトイレまではどれくらいの時間がかかるのか、和式か洋式かというところをチェックしておけばいいと思います。
「男子トイレの小便器は3つ、大便器は1つ、女子トイレは全部で3つと、一度に何人が使えるかを把握しろ」と教わったことがありますが、今までその必要はありませんでした。
団体を案内する時は重要ですが、個人客で少員数のお客様が圧倒的に多かったからでしょう。
写真スポット
写真好きなお客様でなくても、「ここは」というところでは写真を撮ることがほとんどです。
どこから撮れば背景とお客様がキレイに収まるかなどを考えながら見るといいと思います。
また、先輩ガイドに教えてもらうという手もあります。
昼食場所
お弁当を取る場合、初めてならばどこで取ればいいか迷うと思います。
また、天候によっても食べる場所を変えなければならない場合もあります。
屋根があり、テーブルと椅子があるようなところで、ちょうどお昼にそのあたりに到着するのであれば申し分ありませんが、そうではないところもあります。
中辺路は結構整備されていますので、あまり困ることはないかもしれませんが、他のコース、例えば大辺路や紀伊路などは雨が降っていれば場所は非常に限られてきますので、雨が降ったらどこで食べることができるかということも念頭に入れておく必要があります。
レストランで食事をするのであれば、あらかじめ場所が決まっていれば、その場所一択です。
さらに、メニューや予算も決められていることもありますので、決まっていれば同じもの、同じ価格帯のものを注文し、内容を確認しておくといいでしょう。
特に食材などの質問を受けることが多いので、分からない単語があれば調べておくことができます。
また、ネットでメニューを提示しているとこが多くなってきましたので、あらかじめメニューに目を通しておくといいです。
ネットにメニューがなければ、わたしは現場で写真を撮ったりしています。
目に入るもの
ガイドの盲点は「私たちが当たり前と思って見過ごしているところ」です。
当たり前と思っていることほど、その云われを聞かれた時に説明できないものです。
たとえば、実際にあった質問でいえば、お墓にある卒塔婆。
私たちには、お墓に卒塔婆が立てられているのは当たり前の光景ですが、外国人にはそれが何の目的で立てられているのかが分かりません。
そういった当たり前のものを「一歩引いた視点」から見るように心がけておくと、飛んでくる質問がある程度予測できるようになってきます。
宿
場所と行き方
案内が終わり、宿にお連れして終了という場合があります。
その際には、場所が分からなければ降りるべきバス停や、降りてからのルートを確認しておくといいでしょう。
宿の下見(内覧)は、あまりオススメできません。
電話で十分だと思います。
電話をするにしても、内覧をお願いするにしても、チェックインの時間帯やチェックアウト後の時間帯は、宿の人も忙しいので避けましょう。
もしお願いするなら、その間の時間帯がいいと思います。
以上、ご参考にされてください。
