ガイドスキルと一口に言っても色々ありますが、どれも総合的に伸ばす必要があります。
今回は、知識についてお話しようと思います。
お客様からの質問は、同じコースでれば似たようなものが度々出て来ますので、それを適当に答えて終わるのではなく、帰ってから調べて次につなげるようにすれば、自分の「穴」がどんどん埋まっていきます。
結果、「knowledgable」と言ってもらえるようになります。
また、前にも触れましたが、知識に偏りがないようにしなければなりません。
「わたしは植物や動物については詳しいけど、歴史が・・・」
なんて言っても、お客様が歴史に興味を持たれている方であれば、そんな言い訳は通用しません。がっかりさせるだけです。そんなガイドをアサインしたこちらにも責任が発生しますし、団体の評判をも落としかねません。
また、知識の引き出しはできるだけたくさん持っておきましょう。
特に、今度は逆に自分の得意な分野であれば、引き出しを多く持つことも苦にはならないはずです。
「こんなことまで?」というところまで、是非掘り下げてください。
知識の隙間を埋める作業と、自分の得意分野をさらに伸ばす努力を怠らないようにし、「今日はこの説明が出来たから、次回はこれを付け加えよう」というふうに、自分の知識の幅を広く持ってください。
たとえば、乳岩の話をします。
テキストに書かれていることをスラスラとよどみなく説明できるようになれば、なぜ、彼らは生まれたばかりの赤ん坊をここに置いて本宮に参らなければいけなかったのか、テキストでは曖昧に推測で書かれていたその部分について、お客様に納得のいく説明を付け加え、さらにそれができるようになれば、ニホンオオカミの説明も加えていき、話に幅を持たせるようにします。
上記の説明では、昔の神社には白、赤、黒不浄を抱えていた者は参拝出来なかったという「日本の習慣」と、「ニホンオオカミの話」の2つを話題に挙げることができます。
日本の習慣に興味があるお客様はその話や神社に関する話題、オオカミに興味があるお客様はオオカミの話や、ヨーロッパのお客様なら「似た話がある」とか、熊野古道沿いの動物の話などに話題が移る場合があり、お客様の興味の対象によってお客様に選択肢を与えることができます。
また、お客様は自分に興味のある話や質問をしますので、こちらの話もよく聞いてくれるようになります。
こうすることによって、正のスパイラルが出来上がります。
逆にしてはいけないのが「知識の自慢」です。
自分の知っている知識を「俺の話を聞け」と言わんがごとく、相手の興味に関係なく延々としゃべることです。
人間誰しもそうですが、人の話を聞くという行為は、かなりのエネルギーを使います。ましてや興味のない話は苦痛以外の何物でもありません。学生時代の朝礼での先生の話や入学式の来賓の話などがいい例ですね。
もちろん、お客様の興味がどれかを計るためなら構わないですが、それは始めのうちにとどめておくべきだと思いますし、お客様は楽しみに来ているのであって、勉強をしに来ているのではありませんので、その配慮を忘れないようにしたいものです。
これはベテランガイドでさえもやってしまいがちな点です。問題は、本人がそれに気付いておらず挙句の果てに「まだ話していないことがたくさんある」と言うところです。
・・・いや、たとえそれがおいしい物でも、もうお腹いっぱいで何も入りません(笑)
知識は質問を受けた時にさらっと出せる引き出しは必要ですが、あえてそれをひけらかすとかえって評判を落とします。
刀は絶えず研いでおき、いざとなったら一発で斬る・・・それが一番かっこいいガイディングだと思います。
p.s.
ガイドにはガイド向きの人、研修の講師向きの人がいます。
「俺の話を聞け」タイプの人は、後者に適しています。
研修の時は、こういったタイプの人が「神様」となります。
逆に、ガイドの評判がいい人でも、講師としてはイマイチな人もいます。
「名選手、名コーチにあらず」ですね。
