
ガイド料の計算って、他の団体さんなどはどのように算出されているのかわかりませんが、中には「ここだったらこれくらいが妥当だろう」という感じで適当に出しているところもあるかもしれません。
当法人については、今のところ、距離と所要時間で計算をしています。
熊野古道では、距離があっても比較的所要時間が短いコースや、逆に距離が短くても所要時間が長いコースもあります。
たとえば、滝尻王子~近露王子と小雲取越では、おなじ13kmであるにも関わらず、滝尻~近露王子は8時間、小雲取越は6時間と、2時間の開きがあります。
距離だけ、または時間だけで計算をすると、こういった「不具合」が生まれます。
そこで参考にしたのがバスやタクシーの料金計算でした。
バスは距離と時間に応じて運賃が変化します。
また、定員もあります。
ガイドは、バスやタクシーのようなのものであり、その定員に従ってお客様をお連れする・・・そんなイメージです。
ちなみに、当法人の定員は、発心門王子~本宮大社など、比較的易しいコースについては10名ですが、大雲取越えなどの難コースは6名で設定をしています。
今日、継桜王子から発心門王子まで歩きましたが、その時に観光バスとすれ違った時に語り部さんが乗っているのが見えました。
多分そのバスには20人くらいいたと思います。
他の語り部団体さんのことをとやかくいう資格はありませんが、その時に思った感想は「ああ、旅行会社にうまく安く使われてるな」でした。
20人もいれば、もちろんプロなので案内はできるでしょうが、少人数に比べれば負担も当然増えますので、精神的にもかなりのストレスになると思います。
旅行会社は「おひとりいくら」という形で客からは料金をいただいています。
この人数が増えれば増えるほど、旅行会社の利益が上がります。
ついでに、語り部は料金が一定、つまり人数に応じて変化しませんので、1人であろうと20人であろうと、1万円のコースは1万円です。
もちろん、語り部団体によっては、一人の場合の料金が違ったり、団体料金があったりするところもあるでしょうが、だいたいは変化していないはずです。
これでは旅行会社の思うツボですよね。
なるべくたくさん参加してもらえば、語り部の単価はうんと下がります。
例えば、あるコースが1万円だとすれば、20人で500円です。
ちょっと語り部を馬鹿にしていないですかね?
もちろん旅行会社も価格競争から単価を低く抑えることを強いられている現状も分かりますが、最低でも一人2,000円はいただかないと、割に合いません。
単価2,000円とすれば、20人で4万円です。
その中から規定の1万円と、人数に応じて特定の割合を語り部に支給しても十分団体にお釣りが来ます。
こういったことに関しては、旅行会社と話をして「◯人以上は一人いくら」という「団体料金」を設定しなければ、いつまでも語り部はいいように使われてしまいます。
また、おそらく傷害保険や賠償責任保険にも加入しているはずなので、一人あたり40円ほどかかっているはずです。
そうなれば、保険料だけで800円です。
1万円の20%を語り部から「仲介料」のような形でもらっても、1200円しか団体に残らない計算になります。
これでは団体の運営は成り立たないでしょうね。
町の観光協会などの傘下にあるような団体であれば別にかまわないかもしれませんが、民間で運営しているような団体であれば、とても運営ができるような金額ではありません。
おそらく語り部が持ち回りで事務所に無償で当番に出て、役員報酬は無償という涙ぐましいことをされているのではないでしょうか?
問い合わせなどの対応は、会員の持ち回りでは「品質劣化」が否めませんし、対応も遅くなります。
やはり、それなりのサービスを提供しようとするのであれば、専門の人員を雇うべきだと考えています。
当法人も、今年から修学旅行の受け入れを始めましたが、単価が安い上に人数が多いので保険料がバカ高くなり、はっきり言って法人にお金が残りません。
こうなれば時間だけを費やしてしまっていることになりますので、時間の無駄であるため、来年以降はお断りしようかと思っています。
当法人もボランティアや定年退職後の小遣い稼ぎでやっているわけではありませんので、ここは強く出て行きたいと考えています。
歴史を伝承する貴重な存在の語り部も、現在は次世代の担い手不足が全国で深刻化しています。
こうしたことを続けていれば、あと10年もすれば自然に淘汰されていくことになるでしょう。
そうなれば、困るのは旅行会社であり、語り部を必要としているお客様です。
語り部という価値のある存在を守り、続けていくためには、語り部団体自身も生き残る努力が必要なのではないかと常々思っています。
