気分転換も必要(事務所のあり方)

最近は自宅で仕事をすることが多いので、時々気分転換も兼ねて外で仕事をする時があります。

都会のようなスタバなどはあるはずもなく、場所は限られてはいますが、ホテルシーモアやビッグUなどに出没していますので、このあたりに来られた方はひょっとしてPCに向かって作業をしている私を見かけるかもしれません。

自宅で仕事をしていると集中はできますが、どうしてもマンネリ感が出てきてしまいます。
ましてや、事務所に缶詰になり一日仕事をするなんて、私には絶対に無理です。
自宅では、自分のペースで仕事をすることができます。
極端な話、電話がかかってきても、決めた優先順位にしたがって仕事をしている間は、電話に出ないこともあります。
事務所にいれば、必ずといっていいほど「邪魔」が入ります。
やれ「◯◯について質問がある」だとか「◯◯について相談したいことがある」「◯◯さんから電話です」など、そのたびに集中力が削がれ、集中するべき業務がなかなか終わらない・・・という経験、あなたにもありませんか?
集中していたことに再び戻って元の集中した状態に戻るまで、約20分かかると言われています。
こういった邪魔が入ることによって、あなたの集中力が徐々に削がれ、ついには疲れてしまい、本来しなければならなかった業務ができなかった・・・なんてことも起こるかもしれません。

なので、自宅で仕事ができているからこそ、今の仕事ができていると言っても過言ではありません。
特に天気の穏やかな日のシーモアは、前に私の大好きな海を見ながら仕事ができるので、そんな日は行きたくてウズウズしてきます。

最近はこの場所も認知されてきたようで、場所を確保することが難しい時もありますが、これはやはりここが他の人にとっても同じくリラックスできる場所なのだということなのでしょう。
リラックスしながら集中する・・・一見矛盾がありそうな言葉ですが、やってみればわかりますが、本当に集中できますよ。
まあ、人それぞれでしょうけど。

最近「ワーケーション」という言葉を耳にするようになりましたが、ホテルシーモアはこのワーケーションを推進する施設の一つで、ホテルに隣接する建物は、そのワーケーションの客をターゲットにしているのだとか。

当法人も現在、武漢コロナの関係で事務所は休業状態ですが、この際に事務所を引き上げて在宅勤務のみに切り替えようか、などと考えています。
この状況をきっかけに、兼ねてより思ってはいましたが、「本当に事務所は必要か」という問題に対して、真剣に考えるようになりました。

私たちの仕事は、PCさえあれば通常の業務であれば何とでもなりますからね。
事務所を引き上げるに保管書類をどうするのかという問題などもありませが、そういった書類はクラウドに保管して他の事務員がいつでも閲覧・ダウンロード可能にしておけば問題ないのでは思います。
来客があっても近くのカフェなどで待ち合わせれば事足ります。

「とりあえずやってみる。やってみて問題が出てきたらその時点で改善していく」というスタイルで行動に移さないと、いつまでも「絵に書いた餅」になってしまいます。
もちろん、事前に考えて対策を練っておくことは必要ですが、ガチガチに考え過ぎて修正が利かなくなるのも考えものです。
8割り程度まで完成すれば、後はGo!です。

ガイドの料金と団体の淘汰

ガイド料の計算って、他の団体さんなどはどのように算出されているのかわかりませんが、中には「ここだったらこれくらいが妥当だろう」という感じで適当に出しているところもあるかもしれません。

当法人については、今のところ、距離と所要時間で計算をしています。
熊野古道では、距離があっても比較的所要時間が短いコースや、逆に距離が短くても所要時間が長いコースもあります。

たとえば、滝尻王子~近露王子と小雲取越では、おなじ13kmであるにも関わらず、滝尻~近露王子は8時間、小雲取越は6時間と、2時間の開きがあります。

距離だけ、または時間だけで計算をすると、こういった「不具合」が生まれます。

そこで参考にしたのがバスやタクシーの料金計算でした。
バスは距離と時間に応じて運賃が変化します。
また、定員もあります。
ガイドは、バスやタクシーのようなのものであり、その定員に従ってお客様をお連れする・・・そんなイメージです。
ちなみに、当法人の定員は、発心門王子~本宮大社など、比較的易しいコースについては10名ですが、大雲取越えなどの難コースは6名で設定をしています。

今日、継桜王子から発心門王子まで歩きましたが、その時に観光バスとすれ違った時に語り部さんが乗っているのが見えました。
多分そのバスには20人くらいいたと思います。
他の語り部団体さんのことをとやかくいう資格はありませんが、その時に思った感想は「ああ、旅行会社にうまく安く使われてるな」でした。

20人もいれば、もちろんプロなので案内はできるでしょうが、少人数に比べれば負担も当然増えますので、精神的にもかなりのストレスになると思います。

旅行会社は「おひとりいくら」という形で客からは料金をいただいています。
この人数が増えれば増えるほど、旅行会社の利益が上がります。
ついでに、語り部は料金が一定、つまり人数に応じて変化しませんので、1人であろうと20人であろうと、1万円のコースは1万円です。
もちろん、語り部団体によっては、一人の場合の料金が違ったり、団体料金があったりするところもあるでしょうが、だいたいは変化していないはずです。

これでは旅行会社の思うツボですよね。

なるべくたくさん参加してもらえば、語り部の単価はうんと下がります。
例えば、あるコースが1万円だとすれば、20人で500円です。
ちょっと語り部を馬鹿にしていないですかね?
もちろん旅行会社も価格競争から単価を低く抑えることを強いられている現状も分かりますが、最低でも一人2,000円はいただかないと、割に合いません。
単価2,000円とすれば、20人で4万円です。
その中から規定の1万円と、人数に応じて特定の割合を語り部に支給しても十分団体にお釣りが来ます。

こういったことに関しては、旅行会社と話をして「◯人以上は一人いくら」という「団体料金」を設定しなければ、いつまでも語り部はいいように使われてしまいます。
また、おそらく傷害保険や賠償責任保険にも加入しているはずなので、一人あたり40円ほどかかっているはずです。
そうなれば、保険料だけで800円です。
1万円の20%を語り部から「仲介料」のような形でもらっても、1200円しか団体に残らない計算になります。

これでは団体の運営は成り立たないでしょうね。
町の観光協会などの傘下にあるような団体であれば別にかまわないかもしれませんが、民間で運営しているような団体であれば、とても運営ができるような金額ではありません。
おそらく語り部が持ち回りで事務所に無償で当番に出て、役員報酬は無償という涙ぐましいことをされているのではないでしょうか?
問い合わせなどの対応は、会員の持ち回りでは「品質劣化」が否めませんし、対応も遅くなります。
やはり、それなりのサービスを提供しようとするのであれば、専門の人員を雇うべきだと考えています。

当法人も、今年から修学旅行の受け入れを始めましたが、単価が安い上に人数が多いので保険料がバカ高くなり、はっきり言って法人にお金が残りません。
こうなれば時間だけを費やしてしまっていることになりますので、時間の無駄であるため、来年以降はお断りしようかと思っています。
当法人もボランティアや定年退職後の小遣い稼ぎでやっているわけではありませんので、ここは強く出て行きたいと考えています。

歴史を伝承する貴重な存在の語り部も、現在は次世代の担い手不足が全国で深刻化しています。
こうしたことを続けていれば、あと10年もすれば自然に淘汰されていくことになるでしょう。
そうなれば、困るのは旅行会社であり、語り部を必要としているお客様です。
語り部という価値のある存在を守り、続けていくためには、語り部団体自身も生き残る努力が必要なのではないかと常々思っています。

偶然と必然。人の繋がりの大切さ

PC内からなら、画像をアップロードできるようになりました・・・

現在、新たな取り組みとして、日本語指導、英語指導などをしていますが、ガイド部門でも変化が起こりつつあります。
今はまだ計画段階なので詳細はお伝えできませんが、この状況の中でいかに生き残っていくか、という考えは、何も当法人だけの問題ではありません。
同じようにこの武漢肺炎の中で生き残って行く取り組みをしている者同士、「波長の法則」が働いたのではないかと思っています。

最近、本当に人って大事だなと思えるようになりました。
以前は人が大嫌いで、なるべく人と接しないでできる仕事はないものかと、真剣に悩んだこともありました。
今年に入って気持ちが落ち着き始め、人と接することが楽しくなってきています。
そうなると、不思議と人が集まってくるもので、今回も以前からお世話になっているところから企業さんを紹介していただき、その企業さんと新たなプロジェクトを始めることになりました。

本当に人の繋がりって大事ですよね。

日本語指導の活動も、漠然と日本語を教えることができればいいなと思っていたところに、田辺市の生涯学習課のチラシをたまたま見たことがきっかけで谷山先生と知り合い、先生も私の想いに強く共感していただいたおかげで始めることができました。
日本語指導活動はまだ始まったばかりで軌道に乗るまでは大変ですが、いずれこの地域の日本語教育を牽引できるような団体になることを目指しています。

英語教育も、現在は中学生に教えているだけですが、これも紀伊民報に広告を出したことがきっかけでした。
本当はSkypeの個人レッスンの募集をしていたのですが、この広告を見たところから通訳の問い合わせがあり(お断りしましたが)、たまたまそこで中学生に英語を教えている人がいなくなるということで、その代わりに教えてもらえないかと言われたことがきっかけでした。

また、そこでは別の外国人英語教師も募集したいたので、私の知り合いの方を紹介し、その方は現在そこで勤務しています。

今回の小辺路歩きで高野山の無量光院に泊まり、朝のお勤めに参加した時の住職さんのお話で「今日ここに来ていただいたことは偶然ではなく、ここに呼ばれて来たのです。Go Toで来たという人もいるかもしれませんが、そうではありません」という言葉が心に残っています。

人生に偶然はなく、必然だと聞いたこともあります。

繋がりは細い糸のようですが、人ってどこでどう繋がるかわかりません。
それが偶然であれ必然であれ、人との縁は大事にしていきたいものです。

ただ、前回の記事にも書きましたが、苦手な人とは積極的に距離を置くようにはしていますが。

無料は所詮無料

「タダより怖いものはない」

という言葉はよく聞きます。

今回は「無料は所詮無料」についてお話しようと思います。

結論から言わせてもらうと、無料を選ぶことにより、結果的に損をしているということです。

あなたは、無料のセミナーに参加したあと、家に帰って復習をしたことがありますか?
もともと意識の高い人ならしたことがあるかもしれませんが、だいたいの人は、もらったテキストはそのままで、そのうちどこに置いたのかさえ分からなくなっていると思います。

わたしはある講座に無料でずっと参加していますが、恥ずかしながら自宅で復習をしたことがありません。
「無料だから、別にいいか」と思う・思わないを抜きにして、どうしてもそういった類の心理が無料には働きます。

物を手に入れた時でもそうですよね?
今回は話をわかりやすくするために、そこに籠もっている想いや感情というのは抜きにしてお話をしますが、お金を払って買ったものと、無料でもらったものでは、扱い方が違います。

わたしは、無料で参加したガイドの研修でもらった資料や本も、結局は見ていませんし、その存在すら忘れていました。
本棚を整理していたら出てきて、「あ、そういや、こんな本もらったな」ということが多いです。

県の高野・熊野地域通訳案内士研修も無料で受講と受験ができます。
「無料だから」と気軽に?毎年受けている方がいます。
ガイドになる・ならないは本人の意思ですが、無料といっても定員というものが別にあるわけで、もしかすると初めて受講したいと思っていた方が、その人のせいで受けられないってことも考えられます。

逆に、高いお金を払って受講した講座などは、「高いお金を払ったのだから絶対にものにしてやる」という心理が働きます。

わたしたは速読の講座に、高いお金を払って受講しました。
まだまだ「速読」というレベルとは程遠いですが、以前にくらべたら格段に読む速度が上がりました。

要は意識の違いが、無料と有料に表れます。
無料で受けた講座は結局何もモノにならずに、そこに行くお金と時間をドブに捨てたようなものです。
この費用対効果に気づいていない人があまりにも多いと思います。
「無料だから損はしていない」ではないのです。

人は、何か代償を払った時初めてそこに価値を見出します。
ガイドでも同じです。
お金を払ってガイドを雇ったからこそ、「ああ、お金を払う価値のあるガイドだった」とお客様が喜んでくれるわけです。
ボランティアでやることも結構ですが、いずれ疲弊すると思いますし、それに見合う対価がなければ若い人はついてこないと思います。
また、申し訳ないですが、ボランティアはプロ意識がないためか、ボランティアの域を超えることができません。

もちろん、それがどんなのもか、無料版があるなら試してから判断するという選択肢がありますし、高い買い物をするのであれば利用するべきでしょう。

しかし、先程のお話で出た、県の研修に毎年参加している人というのは、時間を無駄遣いし、将来の収入を捨てていることに気づいていないのです。

県の研修は入口しか教えてくれません。
そこで「ああ、今回もいいお話を聞いた」と毎回思っているとしたら、それは単なるバカであり、県の予算や他の参加希望者のチャンスを食いつぶしている輩です。
わたしにそんなことを言う権限がもちろんないことを承知で言いますが、そこに毎年足を運ぶようなことは、なるべく謹んでいただきたいと思います。

「税金を払っているからいいだろう」という考えは通用しません。
では、あなたが払った県民税のうちの何%がその予算に使われたのですか?
ガイドを雇えば1日で3万円かかります。
もっと実りのあることを学びたいのであれば、きちんとお金を払って学ぶべきです。

無料は所詮無料です。
無料はあなたの貴重な時間を奪い、将来の収入の芽を摘み取っている可能性があるということを意識していただけたらと思います。

無関心は最大の敵

検察庁法改正法、種苗法改正案、持続化給付金の支給の遅延など、国会では野党の追求が激しさを増していますが、マスコミの報道だけではそれがどんなものなのか、判断しにくいですね。
幸い、現代はネットがありますので、その気になって調べれば丁寧に解説してくれている動画がありますので、非常に恵まれた環境にあると思います。

なので、「知らない」「自分には関係ない」「難しい」というのは、ただの言い訳にしか過ぎません。

私も以前は政治にはまったく興味がありませんでした。
しかし、テレビを見ることを止めて動画を見始めたことがきっかけで、変わりました。
動画では、本当に分かりやすく解説してくれていて、マスコミが流すニュースでは知り得なかった情報なども知ることができます。
それ以来、遅まきながら政治にも多少興味を持つようになりました。

「和田さんが決めたことなら、それでいい」の別の意味

そこで思ったことがあります。
当法人の運営も、結局一緒だと。

「和田さんが決めたことなら、それでいい」という会員の言動は、一見ありがたいようですが、無責任でもあります。

相談・会議をするからには、これから決めようとしていることに穴がないか、より良くしていくにはどうすればいいかなど、何かしらの意見が欲しいわけで、これなら相談や会議を開く意味がありませんよね。

「私がこう決めたので、これからはこれでいきます」と、メールでお知らせすれば済むことです。

結局、「和田さんが決めたことなら、それでいい」というのは、政治に対する無関心と一緒です。
組織のことを本当に思っているのか、疑心暗鬼になってしまいます。

組織には人生経験者と若い力が必要

ある語り部団体の方とお話をした際に「定年延長が、語り部の成り手が少なくなった原因」という趣旨のことを言って嘆いておられました。
それを聞いた私は当初「なんで定年退職者を求めるんだ。そんなことを言うから語り部の後継者がいなくなるんだ」と思っていましたが、これには一理あります。

定年退職された方の大半は、時間に余裕のある方が多いです。
結局それが、組織運営の原動力となります。

当法人の平均年齢は、55歳です。
これは、他の語り部団体の平均年齢に比べれば、非常に若いと思います。
しかし、この年代というのはまだまだ働き盛りで本業を持たれている人が大半です。
したがって、当法人の運営に時間を割くことが難しいのが現状です。
26名のガイドがいる中で、本当に組織の運営に関わることができる人はわずか数名です。
仕方ありません。
みなさんには時間が本当にないのですから。

私としては、ガイドがきちんと安定した仕事としてやって行けるのであれば、もっと若い世代の人が入ってくると思っています。
しかしながら、現状では給料も完全出来高制の上、季節労働者なので収入はかなり不安定です。
そんな給与体系では、将来若い人が入って来ることはまずないでしょう。
小遣い稼ぎ程度の副業目的の人しか来ません。

組織の運営には、経験を積んだ人と、若い力が必要です。
その若い力が不足しています。
もっと熱量を持った人がいれば、組織は間違いなく上昇していきます。

残念ながら、現在はそういった状況にはないようです。
しかし、ここ2~3年で入会してくれた人の中には、これから力になってくれそうな人がいます。
それがせめてもの救いです。

結局は自分に返ってくる

政治に関心を持つことで、正しい政治家を選ぶことができます。
現在の野党のようなポンコツが国会でのさばっているのは、私達が政治に関心がないために起こったことだということを認識しなければいけないでしょう。
あそこに立っているポンコツは、私達国民が選んだ人間だということを忘れてはなりません。
ポンコツが国会議員に成ることで、結局は「悪政」というツケが国民に返ってきます。
まあ、私がやっていることが悪政かどうかはわかりませんが。

組織に対する無関心も、同じことが言えるのではないでしょうか。

土井英司氏の著書、「伝説の社員になれ」に、「若かろうと平社員だろうと『経営者アタマ』で仕事をする」ことを勧めています。
当法人の会員は従業員ではありませんが、一般社団法人は会員が組織を運営する団体です。
会員一人ひとりがそういう意識を持って運営に携わってくれれば、もっと組織は熱を帯びてくると思います。
今はみんな「言われるがまま」で、ちょっと味気ないです。

熊野古道専業ガイドの年収

今回は、みなさんの気になっている専業ガイドの年収についてお話します。

私が専業になってから、早5年が経ちました。

今は法人の役員報酬が私の収入になっていますので、専業ガイドの年収という概念がありませんので現在の収入についてはお話できませんが、私が専業ガイドとして始めた2016年と2017年の収入についてお話します。

まずは収入です。
「収入」とは、経費を差し引く前の金額です。

2016年 2,100,263円
2017年 2,244,504円

次に稼働日数です。

2016年 約120日(4月~12月は107日)
2017年 128日

2016年1月~3月のデータが取れていないので「約」という数字になりましたが、年平均してこの3ヶ月で20日くらいですのでほぼ誤差はないと思います。

次に経費です。

2016年 340,013円
2017年 467,917円

交通費、通信費で約3分の2を占めます。
熊野ではどうしても現地まで車の移動が必要になりますし、それにかかる交通費をいただけていないという現状も手伝って、経費がかさみがちです。

これは、良くも悪くも、熊野古道の英語ガイドが、地元の語り部団体から派生しているという歴史に原因があります。
語り部さんなどは現地までの交通費というのは「地元」という概念があるため頂いておらず、「謝金」と呼ばれるガイド料と、案内中にかかる交通費のみの負担でまかなっています。
現在も、熊野古道を案内する英語ガイドでも、このような思想が蔓延しているようです。

白浜から本宮、また帰ってきて翌日は白浜から新宮・・・などという案内では、この2往復で給油が必要になります。

もちろん、この経費の部分は個人によっても大きく変わってくるところですので、一概にこの金額がすべてというわけではありませんが、遠方(紀北)から来られる方なら、単純にもっと必要ですよね。

なお、現在は事情を説明して自宅から現場までの往復の交通費をいただけるところが増えてきましたが、それでもまだまだ100%ではないです。

最後に所得です。
所得とは、収入から経費を引いた金額です。

2016年 1,760,250円
2017年 1,776,587円

収入は同年代の平均年収以下

厳しい現実をお伝えしましたが、現実は現実です。
統計によって差こそあれ、年代別のだいたいの平均年収は以下のようです。

40代 500万円
30代 355万円
20代前半 267万円
20代後半 370万円

ちなみに、20代前半と後半をあわせた平均は318万円です。

地域差や職業の差があり、これがすべてだとはもちろん言えませんが、ガイドの年収は圧倒的に少ないと言えます。

専業でのガイドは気候による影響を受けるなどしてキャンセルが相次ぎ、安定していません。

もし、熊野古道で専業を考えられている方は、収入面ではせいぜいこれくらいかもしれませんね。それを覚悟の上で決めてくださいね。

もちろん、一日あたりの単価で比べれば、ガイドの単価は他の職業に比べれば非常に高いです。
また、都市部では年間200日ほど出て500万円ほど稼いでいるガイドさんもいるようですが、残念ながらそれはほんの一握りです。

都市部にでも「出稼ぎ」に行かない限り、このような数字を出すことは現実的に限りなく不可能に近いです。
こと熊野古道や和歌山県内でみれば、私の年間120日程度の稼働日数というのは、他の県内のガイドさんと比べても群を抜いている方だと思います。

今後の課題

2020年5月現在で、高野・熊野地域通訳案内士の登録人数は206名ですが、英語ガイドを専業でしている方は、ほんの一握りです。

和歌山県もお客様の誘致に力を入れてくれてはいますが、現実はまだまだ都市部との格差があることは否めません。

今後の課題は、都市部並とはいかずとも、いかにお客様にもっと和歌山に来てもらうかですね。

逆に専業ガイドを増やすことができればお客様も増えるのでは?と思っています。
それには、トレッキング志向の強いお客様だけを相手にしていると、その数字にの限界があると思いますので、県内の観光資源をもっと活かし、トレッキング目的のお客様以外のお客様にも来てもらえるよう、工夫しなくてはいけないと思います。

高野・熊野だけではダメだと思います。

ちょっと現実的な話をします。

これを読んでガイドになるのをやめようと思わないでください(笑)

ただ、やはりガイドを生業としている者が、どういった生活をしているのか、この職業をどう考えているのかを正直にお伝えすることも、今後同じような目的でこの世界に入ろうとしている方には必要だと思いますので敢えて書きます。

4月から始まった繁忙期も5月末で終わり、これから梅雨の時季は例年通りだと一気に暇になります(梅雨にも関わらず、今年はどういう訳か例年より依頼件数が多いですが)

その分6月にゆっくり休めたらいいのですが、ぶっちゃけそこまで稼げていない上に、毎月の住宅ローンが重くのし掛かっているため、毎年この時季は梅取りの手伝いに行っています。

私のガイド歴もこの11月9日を以って丸4年となりますが、色々試行錯誤をした結果、ようやく1年間の生活リズムが出来つつあります。

なにせ、ここ熊野で英語ガイドを生業としている先輩がいないため、私がある意味実験台になっている格好です。

この5月に、ある旅行会社のツアーリーダーさん(私と同じように英語ガイドを生業としている方)とお話をした際にも同じようなことをおっしゃっていたので、「どことも同じなんですね」と意気投合しました。

夏も熊野は閑散期に当たりますが、幸い白浜がありますのでこの時期は何とかなりますが、問題は1月2月ですね。

この3年間は、団体の年度変わりの前月・前々月に当たるので、料金の改定(これが大変でした)や、事務作業の見直し・改訂などで膨大な時間を費やし、他に働きに行くことができませんでした。来年の1月2月も恐らくそんな感じになりそうな気配がします。さて、どうやって生きていこうか・・・と今から考えています。

現在、冬の閑散期を乗り切るには、春と秋でいかに稼ぐかにかかっています。しかし、ツアーが同じ日に何本も重なることが多いので、ツアーに出ることが出来る日数は限られています。もちろん体は一つしかありません。

なので、閑散期にいかにお客さんを呼び込むことができるか、季節を問わず来てもらうにはどうしたらいいか・・・ということにも焦点を当てつつ、現在の料金体系のさらなる変更をしていかなくてはいけないと考えています。

現在の料金体系は、日本語の語り部団体から派生したものであるため、コースにもよりますが、通訳案内士の平均的な料金よりもかなり安い設定になっています。

「どうしてそんな料金でやっているんですか?8時間だと通訳案内士の相場は3万円ですよ。もっといただくべきです」

内閣府の方や通訳案内士に精通している大学の教授から言われた言葉です。

そもそも、語り部団体はボランティア団体から発展し、後から有料になった経緯があるため、謝金は驚くほど安い設定となっています。以前にも書きましたが、日本語の語り部団体に後継者が入って来ないのは、そこにも問題があると思います。

また、特に熊野のガイドは歩くことが基本ですので、体力も必要です。

はっきり言って、フル稼働で2ヵ月間、約40日ガイドに出れば、かなり疲労はたまります。ましてや、これは私の場合ですが、ガイドが終わってから事務処理やお客様対応のメールをすることが日常ですから、寝不足気味のまま翌日を迎え、また翌日は1時間あまりかけて運転をして現場に行きガイドをし、1時間かけて帰る・・・という日々の繰り返しになります。途中車で何度寝たことか(笑)

なので、いつまでこの状態を維持できるかは正直不安でもあります。

ガイドを通して得るものは大きく、視野も広がりますし、やりがいのある仕事であることは事実ですが、現時点では、それに見合うほどの収入はないということ、また、このままでは将来ガイドを生業としていこうとする人がいなくなってしまう危機感も感じています。

副業としてする人たちだけではお客様の要望にお応えすることはできません(副業をする人が悪いと言っているのではありませんよ)

なんか、暗い話になってしまいましたね・・・すみません。

現在、将来に向けて色々な考えがありますが、また具体的に形になればお知らせしようと思っています。