熊野のカエル、その鳴き声と英語

「熊野のカエル」と言っても、あまり他の地方との差はないと思いますが、見たこと、聞いたことのある鳴き声をご紹介します。

ニホンアマガエル

一番メジャーなカエルでしょうね。
個人的に一番好きなカエルです。
可愛すぎ。
ちなみに英語は「Rain frog」または「Tree frog」です。

シュレーゲルアオガエル

これの鳴き声は非常に馴染みがありますね。
はじめはアマガエルと区別がつきませんでしたが、体の大きさや、鼻~目~耳にかけて褐色の線がないので、これを見ると一目瞭然です。
これには英語名がないようです。
アマガエルの仲間ですので、「a kind of tree fogs」としか言いようがないでしょうね。

ツチガエル

田んぼによくいるヤツです。
見た目もあまりきれいではありませんね・・・
うちの近所の田んぼも、田植えが終わると「大合唱」が聞こえます。
家のインターホンを取ると、こいつの鳴き声しか聞こえません(笑)
「Wrinkled frog」・・・「シワの寄ったカエル」(笑)

ニホンアカガエル

熊野古道を歩いていると、驚いて飛び出てくる時があります。
鳴き声は聞いたことがありませんが、よく見かけるカエルです。
「Japanese brown frog」です。

モリアオガエル

本宮で見かけたことがあります。
樹上で産卵をするカエルで有名ですよね。
「Forest green treefrog」

カジカガエル

一番きれいな鳴き声をしています。
清流に住むカエルで、川のせせらぎと相まって何とも風情のある音に聞こえます。
熊野川の支流、赤木川に多いです。
こいつにも英語名はないようです。

タゴガエル

鳴き声の中では、このタゴガエルが一番癒やされますね。
岩と岩のすき間に潜んでいるので、めったにお目にかかることはありません。
姿が見えないだけに、惹かれるものがあります。
私は偶然、大雲取越で、岩から出て来たこいつを見たことがあります。
だいたい、鳴き声を聞いてもどこにいるのか特定ができません。
こんな感じ。
これに英語名があれば、逆に驚きです(笑)

姿はこんな感じ。これを撮った方、すごい!

ヒキガエル

ヒキガエルも熊野古道では多いです。
「ゴトビキ岩」の「ゴトビキ」は、ヒキガエルのことです。
鳴き声は聞いたことがありませんので、写真だけ。
グロいのであまり見ないほうがいいかも(笑)
ちなみに、これは大雲取越で撮影。
ちょっとレンズが曇ってますね・・・
「Toad」です。この単語は案内中、特に新宮を案内する時は必須なのでよく使います。

以前、三越峠を本宮方面に下りきったところで、オスメス入り混じって「大交尾合戦」に出くわしたことがあります。
写真を撮ったはずだったのですが、どこかに行ってしまったようです。
あまりの絵面に、しばし見入ってしまいました。

今日はここまでです。

熊野の鳥、その鳴き声と英語②

カケス, 鳥, 動物, 座っている

さて、昨日に引き続き、熊野の鳥、その鳴き声と英語の第2弾です。

キジ

「pheasant」
国鳥ですよね。
お札にも登場していますし、よく見かける鳥です。

結構走るのが得意な鳥のようで、時々道を高速で走って横断する姿を見かけます。
子供のころ、こいつが藪の中から突然飛び出てきて度肝を抜かれたことがあります。


「キジ撃ち、お花摘み」という用語は、日本人では馴染みのある表現ですが、これを外国人に教えてあげるとウケます。

カケス

「jay」です。「Eurasian jay」が正式な名前だそうですが、これは普通に「jay」で全然通じます。
英語名は、その鳴き声から来ているそうです。
アメリカ大リーグの「Blue Jays」の「Jay」は、この鳥の仲間ですね。
鳴き声は決して美しいものではありませんが、羽を広げた姿は非常に美しいです。
「天は二物を与えず」ですね。

オオルリ

「blue-and-white flycatcher」
「flycatcher」はヒタキのことです。

私はこいつの姿を見たことはありませんが、大雲取越でよく聞きます。
越前峠付近の歌碑にも「瑠璃啼く(るりなく)や 雲取山のいきいきと」の「瑠璃」は、このオオルリだそうです。

カワセミ

川沿いを飛んでいる姿を時折見かけます。
英語名は「kingfisher」

コジュケイ

中国中南部原産のキジの仲間。ということで外来種です。
しかし、この鳴き声はよく耳にします。

アオバト

最後は奇妙な鳴き声のアオバトです。
さすがにこれは英語名はありませんので、「ハトの仲間です」というしかありません。
お客様からは「あれは何ザルの鳴き声ですか?」と聞かれたことがあります。
小雲取越でよく耳にします。

ソウシチョウ

昔、「ウグイスの糞(粉)」という化粧品がありました。
文字通り、ウグイスの糞を使っているそうなのですが、ウグイスの糞はあまり量が取れないために、たくさん糞の取れるソウシチョウを中国から輸入し、大量に飼っていました。
その後、カネボウや資生堂が科学化粧品を開発し、ウグイスの糞が売れなくなると、日本の野山に放しました。
そこから大量に繁殖し、いまではウグイスの生息域を脅かすほどまでになってきました。
鳴き声はキレイですが、体がウグイスよりも大きいため、ウグイスが押しやられているとのことです。

まだまだ勉強不足で知らない鳥も多いですが、また新たにわかったものがあれば随時アップしていきます。

熊野の鳥、その鳴き声と英語①

フリー写真 カワセミ

今回は、「熊野の鳥、その鳴き声と英語」と題してお話をします。
熊野古道を歩いていると、様々な鳥の鳴き声を耳にします。
お客様からも「あの鳥は何?」と聞かれることも多いので、知っておくとガイドとしての株も上がりますよ。

では、早速いってみましょう。

ウグイス

もうこんなもん、だれでもお分かりですよね。
では、英語は?



bush warbler です。
ちなみに、「warble」は「(小鳥が)さえずる」という動詞です。

これもウグイスです。
「ウグイスの谷渡り」と呼ばれる鳴き声で、縄張りに何者かが侵入した際に、警戒音として鳴きます。

ちなみに、鳥には「地鳴き」という、鳥たちが普段出す単調な鳴き声があります。



映像を見ると、「ウグイス」が「ウグイス色」ではないことがわかりますよね。
鳴き声はよく聞きますが、姿が小さくて茶色に近い色なので、山で見つけることはめったにありませんので、「ウグイスはウグイス色」と思われている方が多いと思います。

むしろメジロの方がウグイス色に近いです。
フリー写真, CC0 写真, 動物(写真), 鳥類, 鳥(トリ), メジロ, 桜(サクラ), 春(写真)

ちなみに、オーストラリアにはwhip birdという鳥がいるそうで、鳴き声はウグイスそっくりです。

「whip」はムチの意味ですが、ムチを打つ時の音から名付けられたとか。

トビ

日本では普通に見ることのできる猛禽類ですね。
アメリカ(恐らく都市部のお客様)では、猛禽類をあまり見かけることがないためか、トビを見てえらく興奮する方がいらっしゃいます。

英語は「black kite」です。

単に「kite」ということもありますが、「凧」と同じスペル・発音なので、たまにお客様が「え?あれって凧なの?」と言われることがあります(笑)

ちなみに、イギリスには「red kite」がいるそうで、見分け方は、redの方は尾が2つに分かれているそうです。

カラス スズメ ツバメ

ちょっとこれはあまりにも「バカにしているのか!」と言われそうなので止めておきます(笑)
しかし、これは英語でどういうでしょうか?

お客様に聞かれて、「ハトはハトだけど、何バトか分からない」と答えて失笑されたことがあります(笑)

「eastern turtle dove」 だそうです。

ヒヨドリ

「bulbul」です。
この鳥も、山であれば普通にいる鳥ですね。

シジュウカラ

少しずつマニアックになってきます。
「great tit」ですが、「tit」だけだと「小鳥」になりますので、答えになってません(笑)

ホトトギス

カッコウの仲間なので、「little cuckoo」と、「cuckoo」がつきます。
ちなみに、「cuckoo」に発音は「クックー」です。
日本語と少し似ていますね。

ツツドリ

同じくカッコウの仲間で「ツツドリ」という鳥がいます。
ツツドリは、その名の通り「筒を叩いた時のような」鳴き声を発するところから来ています。
初めてこの鳴き声を聞いた時、鳥の鳴き声とは思えませんでした。
山の中ではそこそこ響いて聞こえますので、実際にはこの動画の音にエコーをかけたような鳴き声に聞こえます。

大雲取越など、比較的山深いところにいることが多いです。


このカッコウの類は「托卵」という習性があり、親はウグイスなどの巣に卵を産んで、ウグイスに自分のヒナを育ててもらいます。

カッコウの方が体も大きいので、ヒナが成長すると親であるウグイスより大きくなってしまいますが、ウグイスといしては「我が子よ、見違えるほど成長したな」とでも思っているのでしょうかね(笑)

あ、英語は「oriental cuckoo」です。

その②に続きます。

熊野古道とオオカミの話

今年は梅雨に入っても雨が少なく、ここ紀南地方では梅の収穫の最盛期を迎えようとしていますが、以前として雨が降らないので身太りせずに小粒傾向、さらには春も寒かったために受粉があまりできずに結果も少ないとのこと。

ひと雨ほしいところです。

熊野古道のガイドも6月はほとんど依頼がなく、梅雨時期はひと段落します。

そんな中でも休みがないのが野生動物。

梅雨時期でももちろんおかまいなし。落ちている梅も猿にかなりかじられています。

本宮では、古道沿いで栽培していたシイタケを20匹の猿の集団に壊滅させられたとか。また、シカによる食害も深刻で、古道沿いには皮を剥ぎ取られた杉、食い荒らされたシダなどを見かけることがあります。また、古道はイノシシに破壊され、年々道幅が狭くなってきているところもあります。

和歌山県では野生動物の食害による被害が年間3億円以上。紀勢本線では電車とシカが接触する事故がたびたび起こっています。

年間捕獲目標を増やしても効果はなし、狩猟者も高齢化・減少傾向で、県も頭を抱えています。こうなった最大の原因は生態系の頂点に君臨していたニホンオオカミの絶滅でしょう。

その絶滅は1905年に奈良で発見されたものが最後とされていますが、その後も日本各地で目撃例や啼き声を聞いたという例があるため、それがいつなのかははっきりしません。

原因としては、明治時代の野生動物の乱獲による捕食対象動物の減少、オオカミの駆除政策、生活環境の破壊、狂犬病やジステンパーの蔓延などが挙げられていますが、いまだはっきりとはしていません。

熊野古道には「小広峠」と呼ばれる場所があり、以前は「吼比狼峠」と書いたそうです。昔は「千匹狼」と呼ばれるほどの遠吠えが聞こえたのだとか。

オオカミが吼(ほ)える峠・・・

小広峠は昔、昼なお薄暗い峠で、野獣や魔物が現れるとされる不気味な場所だったそうですが、旅人や村人は道中、オオカミの群れに守られたことからこの名がつけられたとされています。

古来オオカミは、農作物を食い荒らす害獣を駆除する動物として崇められていたり、旅人はオオカミが付いて来ているのを見ると安心したそうです。なぜなら、オオカミが付いている間は、小広峠の話と同様、他の獣が近寄れなかったからです。そして、自分たちのテリトリーから旅人が出ていくと、オオカミは自分たちの縄張りに戻っていったそうです。

これを送り狼といいます。

・・・今は別の意味で使われていますが。

わたしはそんなことしませんよ。今はお客様を安全に目的地までお送りすることを心がけてはいますが。ん?これは送り狼になるのか???

もうひとつ、古道にはオオカミにまつわる話があります。

奥州・藤原秀衡(ふじわらひでひら)が妻(実際には側室)を連れて熊野詣でに来た際、滝尻で妻が産気付き、男児を出産。しかし、彼らはその子をこともあろうか、とある岩陰に残し熊野詣でを続けました。

はたして、彼らが熊野詣でから戻って来たとき、その子ははオオカミに育てられ、その岩から滴る乳(水)を飲んで元気だったという。その物語からその岩は「乳岩」と呼ばれ、以後多くの女性が訪れるようになりました。

なぜ、彼らはわが子を岩屋に残したのか・・・それはまたの機会にお話します。

このように、熊野古道においてもオオカミは人間を守る存在であったことがわかります。オオカミ=害獣という概念が始まったのは明治時代の駆除政策からで、その背景にはおそらく、江戸~明治にかけて狂犬病が蔓延し、ウィルスを持った犬と接触をして感染したオオカミが人を襲うようになったのがひとつの原因だったと考えられます。

しかし、オオカミ=害獣で、駆除しなければならないという考えは非常に浅はかですよね。だったら、今でも狂犬病でない犬が時々人間を噛み殺していますが、「犬はたまに人間を襲うから駆除しなければならない」となりますか?

まったく、明治時代っていうのは日本がおかしくなり始めた時代ですよね。特に熊野では神仏分離令で大打撃を被っています。

先にも述べたように和歌山県は、害獣とされる動物の駆除に手を焼いています。ただ、ひとつ言えることは、いくら捕獲頭数を増やしても、狩猟者を増やしても、「焼け石に水」だということが何で分からないんでしょうかね?

シカやサル、イノシシは人間が踏み込めないような山深いところにも当然住んでいます。それを狩猟者がどうやって駆除するんですか?ただ駆除するだけでは「虫歯ができたからそこを直した」と言っているようなもので、根本である普段の虫歯ケア・ブラッシングがしっかりできていないとまた虫歯になるのと同じことです。

人間の都合で破壊したものは、やはり人間が復帰させなければ、自然の力では到底無理でしょう。そのためには、何が一番の解決策であるかを考え、誤解を解くことから始めないとならないように思います。

P.S.

ツキノワグマが人里に現れてそれを射殺したというニュースを時々耳にしますが、オオカミと同じ運命をたどらないことを願います。