ガイドのスキルアップと車の運転

今年も和歌山県主催の高野・熊野地域通訳案内士研修が無事終了しました。
今年はもう一度学びたいところがありましたので、私も一受講生として参加させていただき、多くのことを学ばせて(思い出させて?)いただきました。

研修では座学で熊野の地理と歴史、コミュニケーション及びホスピタリティーなどを学び、次に現場研修へと移ります。
これは「ガイドとなる上での基礎的な知識」という位置づけで、運転免許取得でいうところの「学科」「路上実習」にあたります。
しかし厳密にいうと、特に現場研修では単に講師の言っていることを聞くだけなので「路上実習」にはあたらないですね。
実際にだれかを案内してそこで初めて「実習」となるので。

現場が最高の学びの場

さて、この3月に口述試験がありますが、その試験に合格して晴れてライセンス取得となるわけですが、まったく未経験の方が、いざライセンスを取っていきなりガイドとしてデビューできるかというと、答えは否です。
現に、いままでそういった方にお会いしたことがありません。
それはそうですよね、誰かを案内したこともないんですから。

現場研修でもお伝えしましたが、車の運転も、運転免許証を取ってからが本当の意味でのスキルアップであり、学び・実践の場です。
実際に路上に出て運転し、たくさんの経験を積みながら、時には危険な場面に遭遇しながら、運転技術の向上につなげていくわけです。

ガイドにもまったく同じことが言えます。

少し語弊がありますが、ガイドスキルは経験した回数によって決まります。
年数でもなければ、どれだけ机で勉強したかでもありません。

ガイドは、実際にお客様を案内することで初めて見えてくるものがあります。
それを経験することによってスキルが磨かれていきます。
運転と一緒です。
免許を取ってから運転する時に「こんなことが起こったら怖いな」とか「もう少し知識を増やしてから」とか「自分はまだまだだから」とか考えて運転に二の足を踏んで、じっと家に引きこもっていましたか?
あるいは、運転をする前にもう一回、学科のテキストを開いて勉強しましたか?
もし、ガイドをする前にいろんなことを考えて二の足を踏んでいるのであれば、思い切って「こちら側」に飛び込んできてもらいたいです。

「こんなことが起こったら怖いな」と、起こるか起こらないかわからないことで悩んでいるのであれば、それは単なる「妄想」です。
もちろん対処法を考えておくことは重要ですが、それが実際に起こるかどうかは、どんなに経験を積んでも予測できないものがあります。
それは「無駄な心配」です。自分にはどうすることもできないんですから。
考えるだけ、時間の無駄です。

「もう少し知識を増やしてから」と思われている方は、これからもデビューすることはありません。
もちろんあらかじめ用意しておくことは必要ですが、「知識の習得」には終わりはなく、突き詰めていけばいくほどどんどん新しく学びたいことが出てきます。
また、深いところにある知識ほどその出番は少なく、せっかく覚えても使う機会がないかもしれません。
それなら、現場に出てお客様からの質問を実際に聞き、自分に穴のあったところを埋めていく方法を取った方が、ずっと生きた知識を身につけることができますし、ずっと早く成長することができます。
また、何回も同じ現場に出ていると、お客様の質問も似通ってきますので、知識について自信が持てないのであれば、ある特定のコースばかりをやってみて、徐々に案内範囲を広げるのもいいかもしれません。
同じように「自分はまだまだだから」と思っている方もそうです。
四の五の言う前にやってみれば、その不安が取り越し苦労だったことがわかるはずです。

「研修生」という名の輩

毎年、和歌山県が主催する、高野・熊野地域通訳士育成の現場研修に参加している方を見かけます。
その方がどういった目的で参加されているかにもよりますが、いい加減そこからは卒業して、現場に出てみることを強くお勧めします。

いつまでも現場研修に参加している人に成長はありませんし、私は個人的に好きではありません。
おそらくそういった方は、他のところでも同じことをしていて、何事においても成功していない人のはずです。
知識の習得が目的であれば、習ったことをきちんと理解できたかどうか、終わってから確認する作業が必要です。
もちろん聞いたことすべてを再現することは不可能ですが、たった一ヶ所の説明でさえも「言語化」できていないのであれば、聞いたことを理解できていないのと同じです。
「あー、今日もいいこと聞いた」で終わっているならば、出るだけ無駄です。
厳しい言い方ですが、県の無料の研修を食い物にしている輩です。
通常、ガイドを8時間雇えば3万円かかります。
もし、あなたが毎回3万円払うとなれば、1回でものにしようと思いませんか?
何回も出ている人には、その意識が足りていないのです。

現場に慣れる方法

とは言っても、やはり不安は誰にもかならずあります。
私も、ある程度現場に出て慣れてくるまでは、ガイド前日まで頭が痛くなるほど緊張してロクに眠れないほどでした。
今でもプレッシャーの高いガイドがある場合は直前まで緊張はしますが、いざ始まると開き直ることができ、結局いつもと変わらない感じでガイドができています。

むしろ現場研修の講師の方が緊張します(笑)

当法人では、経験のない方でも先輩ガイドの実際の案内を見ることができる制度もあります。
また、県の研修ではカバーしきれない部分やコースについては、新人研修やその他の研修で学ぶことができますし、先輩ガイドや一般の方を案内する試験もあり、まさに「実践形式」で学ぶことができます。
できれば、ライセンスを取る前から入会してもらい、県の研修と並行して学んでもらい、ライセンス取得とともにデビューという形が理想的です。
別にライセンスを取ってからでなければならないという決まりもありませんので、すでにライセンス取得に興味のある方がいましたら、いつでもご連絡ください。

あなたのガイドとしての成功をサポートさせていただきます。

鎌鹿隆美さんの「ホスピタリティー&リスクマネージメント研修」に参加してきました

和歌山県観光連盟が主催する、令和元年度の語り部研修にこのほど参加しました。
今年は「ホスピタリティー&リスクマネージメントを考える」
講師は北海道在住のフィールドアドバイザー、鎌鹿隆美(かまかたかよし)さん。
ホスピタリティーとリスクマネージメント・・・一見関連性のない二つに思えますが、お釣りを渡す際にお客様がお釣りを落とさないように両手を添えるのがホスピタリティー、お釣りを落とすことがリスクという例を出してホスピタリティーとリスクは表裏一体だということを教えていただきました。

その中で、個人的に刺さった言葉を以下にご紹介します。

「ガイドはホスト役だが、リーダーなのでその立ち位置を間違えてはならない」

以前、仕事を一緒にさせてもらった方はまさにそれで、完全に「お客様の下僕」になっていました。
これでは相手のコントロールの下に入ってしまう形になり、ガイドとしてもはや機能はしなくなります。
お客様の意見に沿うことは大事ですが、時として毅然と「No」と言えるようにしておきたいものです。
「寄り添う」は、言いなりになることではありません。

「犯した失敗の責任はすべて引き受け、潔く謝れ」

たとえその責任が自分になくても、それを自分の責任にして謝ったほうが、意外と後から問題にならない・・・というようなことをおっしゃっていました。
私が読んだ本「成長マインドセット」の中で「100%当事者意識を持て」「他責にしないは100%」と書いていましたが、お話いただいた内容はまさにその内容と同じでした。
時間通りに到着できなくても、それを例えば同行していた添乗員のせいにすることなく、すべて自分の責任にすべきというような内容でした。
もちろん、「後の賠償責任等一切を引き受けます」という話ではありませんが、たとえ添乗員が同行していても100%自分が引っ張るという意識を持つことが大切だということです。
そうすることによって、想定されるリスクを回避できるからです。
しかし、あくまでも行程管理は添乗員の業務ですので、添乗員を差し置いて勝手に行程を考えてお客様を引っ張って行けという話ではありません。念のため。

「弁護士並の給料はもらいたいね」

また、山岳ガイドの収入面のお話が私には刺さりました。
理想とする年収のお話やそれに対する現実をお話され、「うちも一緒だ」と共感しました。
お話によると、専業でされている山岳ガイドさんで年間120~130日だそうです。
「弁護士並の給料はもらいたいね」という話をよくガイド仲間の方とされているそうですが、「弁護士の給料が1000万とすると1回のガイド料は〇〇円だから、難しい。けど、年間の出動回数はそれくらいが限界」のような内容でした。

ちなみに、2019年のわたしの出動日数は112日でした。
今年は代表の仕事をしたいがために意識的に抑えていましたが、それでも普通は年間平均120~150日程度です。

それ以上アップダウンの激しい熊野古道を歩くとどうなるか・・・・

熊野の繁忙期はだいたい4月5月、10月11月です。
その間は月間20日程度ガイドに出ていますが、だいたい5月と11月に体が悲鳴を上げ始めます(笑)
この状態が年中続くと正直、気力体力ともに持たないです。
他の通訳案内士さんのことを悪くいうつもりは毛頭ありませんが、いわゆる街歩きや観光バスツアーと、古道歩きでは通常必要とされる歴史や文化の知識に加え、体力、コースの知識なども必要になり「だれでもできる」というわけではありませんので、そのあたりの付加価値に対する報酬というのはいただくべきだと考えています。

後半では、用意されたイラストを見て予想されるリスクを考える練習をしました。
2枚それぞれのイラストに10個のリスクが隠されていましたが、私は全部言い当てることができませんでした(汗)
あの場で言い当てることができなかったというのは収穫であり、現場ではなかったことが幸運でした。

最後に、実際に起った登山での事故についてお話をしていただきました。
このお話は有名なので、以前あるテレビ番組でも特集を組まれていて大まかな話は聞いたことがありましたが、改めて「現場100回」、下見の重要性を思い起こさせてくれた内容でした。
山岳ガイド3人とシェルパがいたにも関わらず、そのコースを知っている(歩いたことのある)ガイドはたった1人。
うち一人は有名なベテランガイドだったそうですが、それでも山はそう甘くはないということを思い知らされた事件でしょうね(このベテランガイドさんも亡くなっています)
熊野古道はそんな本格的な登山ではありませんが、やはり山の中に入り、お客様の命を預かるわけですからわたしは、私は歩いたことがないところにはお連れすることはできません。

「現場100回」

ベテラン語り部さんから教えていただいたことが、ずっと私の中に生き続けています。

ファイルの重要性

めっきり冬らしくなってきました。体調管理には十分気をつけたいところですね。

さて、今日は「ファイルの重要性」についてお話したいと思います。

なぜ必要か?

私たちガイドは、日本語でも説明が難しいことを、他国の言語を使って説明しなければなりません。前の記事に書いた通り、記憶の定着と理解度を深めるには、図や写真の使用が重要になってきます。

たとえその説明が「立て板に水」であっても、あまりにもスラスラと説明されると、理解を通り越して「すごい流暢だな」という印象ばかりが残ってしまい、肝心の説明がお客様の頭に残っていない可能性大です。

さらに、あまりにも流暢に話されると、聞いている方の理解が追いつかず、結局「ガイドの自己満足」になる可能性もあるわけです。

ですので、流暢に説明できる場合であっても、やはり図や写真は使うべきです。

先日、和歌山県主催のスキルアップ研修に講師として行ってきました。

スキルアップ研修についてご存じない方のために簡単にご説明すると、ガイドのライセンス保持者が、ネイティブのモニター(お客様に見立てた参加者)を案内し、最後に彼らからのフィードバックをいただくというものです。

最後のフィードバックで、一人のモニターから「高野山で案内を受けた時は写真を使ってくれていたので非常に分かりやすかったが、今回はそれがないことが残念だった」という意見がありました。

ファイルには何を入れているのか?

ではファイルを使っているガイドが一体何を入れているのか、千差万別だと思いますが「和田」という例を使ってご紹介します。

①写真

言葉で説明しにくいもの、単語はわかるけれども、それが一体どういったものなのか、説明の補助として用意しています。具体的にいうと、タヌキ、ハチ、蛇、カケス、川下りの筏・・・などです。

ハチ、蛇はどれが毒を持っているものかを説明します。

これは言葉では絶対に説明できないことです。

②図

国内林業の年代別経緯を入れています。

③時刻表・運賃表

熊野でのご案内はバスの利用が欠かせません。慣れてくれば大体の時間や運賃は覚えてしまいますが、やはり確認のために必要です。

④地図

地図は日本地図、紀伊半島の拡大地図(熊野古道が記載されているもの)、宿や観光スポット周辺のもの、古道の高低表です。

お客様はよく、今どのあたりに自分達がいて、どこに向かっているのかを知りたがるかたがたくさんいらっしゃいます。そこで紀伊半島の地図を使って説明をしています。

特に古道の高低表は、お客様に今どこにいて、あとどれくらいあるのかを説明するには最強の道具です。高低表は、田辺市発行の英語版の地図を拡大コピーしています。

また、宿周辺の地図は、案内が終わってお客様がご自身で宿まで行かれる時に、該当する地域の地図をお渡ししています。

翌日のバスの時刻を聞かれる場合もたまにありますので、ファイルに入れている時刻表をお渡しする場合があります。

⑤ウェルカムボード

お客様の名前を書いたものを入れておきます。

以前はファイルとウェルカムボードを別々に持っていましたが煩わしいので一つにまとめました。

ウェルカムボードで注意しなければならない点は「呼び捨てにしない」です。必ず「Mr.」「Ms.」などをつけましょう。

中には性別のわからないお客様もいらっしゃいます。そんな場合は名前の後ろに「-sama」をつけています。

ファイル使用時の注意点

どのページでも瞬時に開くことができるように、インデックスは必ず貼っておきます。

せっかく写真や図を用意したのに、それを探すのに時間がかかっていてはプロとは言えません。

タブレットで代用は可能か?

タブレットの利点としては

①多くのデータを入れることができる

②ついでに検索もできる

③比較的雨にも強い

欠点としては

①少々重い

②データの呼び出しに時間がかかる

③落とせば壊れる可能性大

④高価

また、タブレットではお客様に地図や時刻表をお渡しできません。

・・・中にはタブレットの画面越しに携帯で写真を撮るお客様もいらっしゃるようですが(笑)

ファイルの欠点

いい事ずくめのファイル使用ですが、やはり欠点はあります。

①団体バスでお見せするには小さすぎる

②持ち運びがたいそう

上記以外ではファイルの欠点が見当たりません。

使う、使わないは自由ですが、自分なりに工夫をしてお客様により喜んでもらえるようにしていただけたらと思います。

図と絵の使用は、理解度を深める

樺沢紫苑氏「アウトプット大全」によると、「言葉で説明」よりも「言葉+絵」で説明したほうが理解しやすく、何倍も記憶に残りやすくなるそうです。

ある事柄を説明して、72時間後にどれくらい覚えていたかを調べた結果、「言葉だけ」が10%だったのに対し、「言葉+絵」の場合は65%も覚えていたそうです。

これは何を意味するのかというと、「案内中にも同じことが言える」ということです。

例を挙げてみましょう。

「タヌキ」とはどんな姿かを言葉だけで説明してください。

アメリカ出身の方なら、「アライグマに似ている」といえばそれで片付くかもしれませんが、他の国の方はアライグマの印象も人それぞれ違うはずですし、アライグマを知らないお客様の場合だって実際にいます。

では、その方たちへの説明はどうしますか?

「これです」

と写真を見せれば一発でわかってもらえるはずです。

なにも「ずんぐりした体型をしていて、毛の色がグレーから茶色で、顔には目から頬にかけて黒く・・・」

なんて回りくどい説明は不要です。

また、「和歌山県」がどのあたりかを、口頭だけで土地勘のないお客様にどうやって説明したらいいですか?

答えは同じです。

地図を見せれば一発解決です。

わざわざ「日本の中心部の紀伊半島に位置し・・・」なんて説明するガイドはいないでしょう。

特にお客様は「いま自分たちが日本のどのあたりにいて、これからどこに向かっていくのか」ということに大変興味を持たれている方が多いです。

こうして理解度が深まれば、当然記憶にも残りやすくなります。

記憶に残りやすくなるということは、その後の説明も容易にしてくれます。

その後の説明が容易になれば、そこからさらに深い説明ができるようになります。

こうしてお客様は「予想以上の情報」を簡単に得ることができ「正の循環」が生まれ、「このガイドで良かった」となるわけです。

もちろん、今はお客様がある程度の情報を求めて来ている場合でお話をしていますので、すべてのお客様に対して同じ型にはめることは当然できません。

しかし、そうはいっても、「必要最低限お伝えしなければならない情報」というのはあります。これさえ説明しないのであれば逆に、何のためにガイドを雇っているのか意味をなさなくなりますし、お客様も満足はされないでしょう。

また、お客様からどのような質問が飛んでくるか、時々予想もしなかった質問が飛んでくることがありますので、「知識の引き出し」「知識の武装」は必要です。

ガイドとは「自分の知識を売る仕事でもあり、自分の知識をひけらかす仕事でもないが、お客様の興味を見極めて話題を選び、加えて、お客様が知らなかったことに気づいてもらい、新たな興味を持ってもらう」に尽きると思います。

今はあくまで知識(情報)伝達のみについてお話をしていますので、総合的なお話ではありません。ご了承を。

樺沢氏はこう締めくくっています。

文字情報で伝えるよりも、視覚情報を併用したほうが、情報伝達をする上で圧倒的に有利です。人に納得してもらうのに図と絵を描いてビジュアル的に説明するのは必須の方法といえます。

最近「ファイルを使って説明するのは、独りよがりの自己満足だ」という言葉を耳にしました。また「お客様に寄り添って、お客様の好みに合わせて説明をするのが本当のガイド」のようなことも耳にしましたが、はたしてファイルを使って説明するのと、そうでないのとでは「どちらがお客様に寄り添っているか」上記の説明でお分かりになろうかと思います。

何でもお客様の言うことを聞き、下僕のようになっていることを果たして「寄り添っている」といえるのか、私にはわかりませんが。

何もわたしは、知識をひけらかすためにファイルを持ち歩いているわけではありません。

ということで、次回は「ファイルの重要性」についてお話をさせていただきます。

旅程管理研修に行ってきました

高野・熊野地域通訳案内士のライセンスを取る際に一度習いましたが、当時はあまりその重要度を認識しておらず、何となく聞いていたせいもあってほとんど頭に入っていなかったので、もう一度受けようと思い受講してきました。

内容は普段やっていることのおさらい・確認ももちろんありましたが、新たな発見(ただ単に覚えていなかっただけ?)もありました。

わたしの少ない記憶力の中で、特に印象に残ったことを取り上げて、備忘録として残しておきます。

■旅程管理とは、添乗員が行う業務のことで、旅行サービスを確実・円滑に提供することをいう

主な添乗員の業務とは

①予定通りのサービスが受けられるかどうか(食事・交通・宿などの予約の再確認を事前に行う)

②チェックイン・代金の支払い

③代替案の提案

④グループの案内(集合時間などの確認)

※個人・企業からの依頼については、旅程管理の資格は必要ない

■受注型・募集型で、確認する対象が変わる (スケジュールや人数等)

①受注型=主に幹事に確認

②募集型=個別に(名簿などで人数を確認、全員にまんべんなく行程の説明)

■添乗員の立場として、ガイドに求めるもの

行程のズレに合わせて説明時間などを調整してくれるガイド

これはわたしもよく経験がありますが、出発時間の遅れや交通渋滞などで、待ち合わせの時間を大幅に遅れることがよくあります。わたしはよく、「この時間であれば〇〇と☓☓の説明をして、△△は割愛しよう」とか、「○○を先に回って☓☓を後回しにすれば時間を短縮できるな」とか、待っている間に色々考えておきます。ただ、これを全てに当てはめることは、やはり無理な場合があります。

■Go show

No showはたまに聞きますし、わたしも実際に経験をしたのでわかりましたが、その逆、「こちらが把握していたお客様以外の方が見えた」ということがあるそうです。わたしは今までそのような経験はありませんが、その場合は、ツアー名や日程、お客様の行程表などを見せてもらい確認します。

万一、こちらの手違いで名簿に記載されていなかった場合は

①名前がなかったことをお詫び

②担当に連絡をして指示を仰ぐ

③補助席しか空いていなかった場合は謝る

④食事・宿など追加の手配

をする。

■医療行為はできない

医者まがいの行為はもちろん、薬をお客様に渡すことも含まれているので注意が必要です。

ただし、塗り薬なら可とのことでした。

他にもありましたが、まだまとめきれていません。

今後、加筆・修正大いにありです。

あと、「いくら経験を積んでも、振り返りがないと成長がない」という言葉が一番刺さったかも(笑)ガイド業務が立て込んできたり、ある程度パターンが決まったコースなんかでは、最近振り返りをしていないことが多いです。「ガイド報告書」で一応振り返りも兼ねてはいますが、それだけでは不十分です。やはり「どこがうまくでき、どこがマズかったのか」など、報告書には書かない内容の反省が必要です。詳しくは以前の記事「ガイド報告書」をご覧ください。

年数より経験

お客様から必ずといっていいほど受ける質問の中に

How long have you been a guide?

というものがあります。

わたしは、今は正直に答えていますが、ぶっちゃけ、デビュー当時は「詐称」していました(笑)

ちなみに今年(2018年)11月9日で丸4年となります。

これが長いか短いかは意見の分かれるところだと思いますが、要は「年数」ではなく「経験回数」です。

先日の現場ウォークでの会話の中で経験年数を質問され正直に答えたところ、「10年くらいだと思っていました」とのこと。

年数でいうとまだ「ペーペーレベル」ですかね(笑)

これは運転技術と似ています。

あなたが2人のうち、どちらかに運転をお願いするとします。

一人は免許取得から30年だが、年に2~3回しか運転しない人、もう一人は運転歴は3年だけれど毎日運転している人。

あなたはどちらにお願いしますか?

毎日するような仕事、たとえば事務であるとか、物作りをしているとかならば「年数=経験」として測れると思いますが、お分かりの通りガイドも運転もどちらも経験回数による技術がものをいう世界ですので、安易に年数では測ることができません。

運転中に危険な目に遭うことによってそれが自分の経験値となり、次に同じことが起こりそうな状況になった場合に回避できたり、逆に美しい景色の中を気分よく運転する時の喜びを伝えることができるようになります。

ちなみにわたしは、昨年は130日、一昨年は150日程度ガイドに出ています。これは、10年の経験がありながら年に2~3回の実務経験しかない通訳案内士よりも確実に密度が濃いです。

すべては経験から。

机上の勉強からだけでは得られないものを、なるべく早く経験していただきたい。

その準備のお手伝いをさせていただくために、この講座が生まれました。

割引適用期間は今日までです。

https://mi-kumano.com/archives/37909

すぐにガイドにはなれない

平成30年度・第7期 高野・熊野特区通訳案内士の受講者を募集する時期がそろそろ来ます。

例年通りだと、8月に募集が始まり、9月から第1回の講義が始まります。

講義内容はホスピタリティー、旅程管理、世界遺産地域の地理・歴史、現場研修などから構成されており、翌年3月の口述試験の受験には、県が実施する研修の受講と一定の語学能力が条件となります。

見事基準を達成し、口述試験に合格すればライセンスが交付されますが、ライセンスを取ってからガイドになろうとする方がとても多いです。

はっきり言います。

それでは遅いです。

個人差等もありますが、未経験者だとデビューまで約1年かかってしまいます。

熊野全体の知識は県の講義でも教えてはくれますが、古道の細かいスポットに対する知識(道中の説明、スポットからスポットの所要時間と距離、トイレの場所、リタイヤポイント)、弁当を食べることが出来る場所(場所によってはレストラン)、宿の場所・情報、季節の花・草木、鳥、動物、昆虫、バスの運行時間と路線・行先・接続・・・

こういった、実務に関する内容は講義では教えてくれません。

また、現場研修では、ある程度の知識を得ることはできますが、大人数が参加するため(約40~50名)、説明を聞き逃したり、聞きたいことが聞けなかったりで、1つのコースを1回だけ受けただけでは絶対に身についていません。

なので、こちらとしても、あまりにも経験の浅いガイドをお客様に紹介するわけにはいきません。

もし、あなたが来年ライセンスを取ってからすぐにガイドに出ようと考えているなら、今から準備をしておかないと絶対に間に合いません。

今年より、Mi-Kumanoではライセンス取得後すぐにガイドに出ることができるような研修制度を検討中です。

内容が固まりましたらこのページでお知らせいたしますのでお楽しみに。

ガイド報告書

杉花粉がピークを迎えていますね。今年は飛散量が多いようで花粉症持ちには厳しい年となっていますね。

さて、今日はガイド報告書についてお話しようと思います。

当団体では、ガイド業務が終了すると「ガイド報告書」を事務局に提出していただきますが、これには以下のような理由があります。

1.ガイド後の反省を促す

ガイドが終わって緊張感から解放され、「やったー上手くいった。やれやれ」で終わってはガイドとしての成長は小さいです。報告書では単に「お客様に喜んでいただけたこと」「安全上危険と感じたこと」「当日のスケジュール」などを記入してもらいますが、本当はこれだけでは足りないのでもっと自己反省してもらう項目を追加したいところではありますが、あまり項目を多くするとガイドの負担になりますのでこれでも控えめだと思っています。

ちなみに私は自分なりの反省を必ずしています。

①うまくいったことは何か?

②なぜそれはうまくいったのか?

③うまくいかなかったことは何か?

④なぜ、それはうまくいかなかったのか?

⑤今後も続けたほうがいいものは何か?

⑥今後やめた方がいいものは何か?

⑦次回同じ失敗をしないようにするためにはどうすればいいか?

などの質問に答える方法で行います。10分もあれば反省できます。失敗だけでなく成功したことの原因を考えることも重要です。

ちなみに、トヨタには「5回のなぜ」という問題分析方法があります。それは一つの問題に対して「なぜ」を5回繰り返して自問することだそうです。そうすることによって原因がはっきりし、解決策を導くことができるそうです。こうして、自分に質問をするということによって思考の整理ができ、問題解決や成功の分析ができるようになります。

2.ガイド経験の共有

ガイドスキルの向上は、反省と経験です。現在当団体には19名のガイドがいますが、他のガイドの報告書を読むことにより、一人ひとりの経験を見ることができ、それを「模擬体験」として自分のデータベースとして保管することができます。特に、問題が起こったときに、実際にどうやって対処したかという点については、大いに役立つことです。

3.訴訟に対する証拠の保存

日本人はともかく、海外では訴訟が当たり前のお国柄のところも多く、何か問題が起こると訴訟に至る場合が考えられます。そういった場合に備え「○月○日の業務は問題なくきちんと終了した」「○月○日にこういった問題が発生したが、無事に解決した」という証拠を保存し、万一訴訟となった場合でもきちんと対処できるようにしておくためです。実際海外のガイド団体などでは、報告書を封筒に入れ、日付の入った割り印をして保管しているところもあるそうです。

 

提出されたガイド報告書に目を通すと、びっしり書いてそれでも用紙が足りず、用紙を付け足して記入するガイドもいれば、たった一行で終わっているガイドもいます。

大切なのは分量ではなく内容かもしれませんが、これを読んでくれている方々は意識が高い方だと思いますので、前者と後者でどちらが早く成長するか、または優れたガイドなのかはお分かりだと思います。

ひどいものでは「特になし」とだけ書いて提出したガイドがいましたが、これはさすがに再提出してもらいました。何も反省点がないというのは、単に記入が面倒だからか、あぐらをかいているかのどちらか、あるいはその両方で、こういったガイドに成長はありません。

一つ一つの積み重ねは、面倒で劇的な変化を感じにくいと思いますが、実際にはそうではありません。ダイエットと同じで、ある一定の期間が来ると本当に劇的に自分の成長を感じることができるはずです。継続は力なりです。

わたしがまだデビューしたての頃、尊敬する大先輩のガイドさんとお話をしたとき、自分はガイドが終わってから反省ばかりだということを伝えると「それがいいんです。反省しなくなったら終わりですよ。私も常に反省することがあります」という答えが返って来たときは「こんな大先輩でも常に反省材料があるんだ」と感銘を受けたことを覚えています。

「他の団体は報告書などないから楽だ」なんて言われた日には、さすがにカチンと来ましたね。そういった人に成長はありませんし、こういった人に限って文句が多い割にスキルが低いものです。よそはよそ、うちはうちです。

目的の所在はどこですか?

厳しい寒さもようやくひと段落し、春めいてきましたね。

遅れていた梅の開花も進み、少し遅い春がようやくここ南紀に訪れようとしています。ガイドとしてはこの時季は閑散期ですが、団体代表としては将来のことをじっくり考え、実行に移す最大のチャンスでもあります。今後どうなっていくのか、是非温かく見守っていただけたらと思います。

さて、先日2月10日のスキルアップ研修を以って、現場研修すべてを終えることができました。

とにかく事故もなく無事に終わってホッとしています。

今回は他の言語が追加されたということで参加者も増え、各研修40名ほどの参加がありました。

40名もいれば様々な人もいるわけで、常に列の先頭でわたしと話をしながら歩く方もいれば、中には説明も聞かず一体何をしに来たのかよくわからない人もいましたね。

ただ、一通りの研修を終えてひとつ気になったのが、「しっかりと目的を持って参加しているのか?」ということです。目的を設定しないまま研修に参加して「ああ、楽しかったな」で終わってしまえば何の価値もありません。

「○○について分からないから、それをはっきりさせたい」とか、「距離や所要時間が分からないから今日はそれを把握しよう」とか、「講師のいいところ、悪いところを見て今後の自分のガイドに活かしたい」など、しっかりと目的を持つことが必要です。

同じように、研修の最後にお話させていただきましたが、ガイドを通して何をしたいのかを是非考えていただけたらと思います。

このブログの一番最初の記事にも書かせていただきましたが、ガイドを通して自分は何をしたいのかを明確にさせることが大切です。ガイドになることは、その気があれば誰でもなれる可能性はあります。ただ、それを今後どう活かしていくかが最も重要で、ガイドになることを目的としてしまっていれば、必ず将来消滅してしまうでしょう。

ですので、目的の所在をはっきりとさせておくことが重要です。

「自分は本宮まで行きたい」という人は、その手段を探し、バスに乗って本宮にたどり着くことができます。

目的を持っていない人は、行き先の分からないバスに乗るようなものです。絶対に目的地にはたどり着くことはできません。

これからガイドを目指す方は、是非このことを念頭においてください。