多様な文化的背景の違いを理解する28

お役立ちフレーズ①

決まりきった予定は現在進行型で

「~する予定です」の場合、「be going to」や「will」などを使いがちです。
もちろん、行程に変更が生じる場合などは問題ない表現ですが、決まりきった行程の場合は現在進行形を使います。

以前、小雲取越を歩いている時、長い上り坂を歩き終えたあと、お客様から「Are we walking the uphills like this later on?」のように聞かれ、その質問の意味を理解できなかったことがありました。

坂道は状況によってなくなったりするものではなく、順当に歩いていれば必ず訪れます。
なのでここは「We are walking 3 more.」のような返答になります。

コース説明をする場合などは、現在進行形を使うようにしましょう。

「maybe」「some more」の多様は禁物

もうご存知だと思いますが、「maybe」は日本語で「多分」です。
日本語での「多分」は、その確率が30%でも80%でも「多分」ですが、英語の場合の「maybe」は確率が低い時に使うため、あまり使用すると「この人は頼りない」と思われてしまいます。
普段の付き合いでもそうですが、特にこれが「お客様とガイド」の関係となると問題です。
日本語の感覚で「maybe」を多用しないようにしましょう。

あと、「some more」ですが、これはお客様から「あとどのくらい歩くの?」という質問が出た時に「some more」を多用して「君は『some more』ばかり使うが、全然終わりが見えないじゃないか」と言われたガイドがいます。

このような質問があった場合は、「あと10分です」など、具体的に数字で示してあげることが重要です。
お客様は歩いたことがないコースを歩いているわけですので、当然距離感が分かりません。
それが精神的な不安に繋がりますので、具体的な数字で示してあげるという配慮が必要です。
それには、やはり現場のことを熟知しておく必要があることは言うまでもありません。
距離が分かれば、同時に距離を示してあげるとなおいいです。

私は先輩の語り部さんからの「現場100回」という言葉が、深く胸に刺さっています。
それくらい、現場の知識(この場合、距離や所要時間、どこに何があるを知っておくことなど)は非常に重要です。

「15」か「50」か

「finteen」と「fifty」の発音が非常に似ているため、ネイティブ同士でも確認することがあるそうです。
私もよく「15」か「50」かを聞かれました。
15分と50分では随分違いますので、この確認は重要ですよね。

あまりにもこの手の質問を受けるので、私は「fifteen」と言ったあとに「one five」、「fifty」の後に「five zero」を付け足して説明するようにしています。

和製英語はもちろん通じない

日本語でよく使う「アバウトな」はもちろん通じません。
人について、その人がアバウトな人であると言いたい場合は「He is not fuzzy about anything.」、事・物については「ambiguous」などを使います。

また、意味が同じでも発音がまったく違う語もあります。
「アレルギー」や「ココア」などです。
あえてカタカナに直せば「アレジー」「コゥコゥ」のような発音になります。

あとは地名や固有名詞なども、日本での発音と大きな違いがある語があり、初めて耳にした場合理解出来ない場合があります。

「北京」「ウィーン」「習近平」など。
あと、最近では「武漢」も聞き取ることができず、聞き直してしまいました。

実際には、お客様が自分のレベルに合わせてくれることがほとんど

我々日本人が外国人と日本語で話をする場合、相手の日本語運用能力が低いと感じれば、こちらの日本語のレベルを落として話すように、お客様もこちらの英語の能力を見て下げてくれることがほとんどです。
特に、外国語を学んだことのある方であれば、そのあたりの配慮はしてくれます。

外国語習得がいかに難しいか、身にしみてわかっているからです。

反対に、若い人はそういった感覚があまりないようで、逆に「何で私の言っているこれくらいのことが理解できないのだ」とか、それ以前に「私の言っていることはすべてわかってくれている」という前提で容赦なく話してくる傾向があります。

もし、これを読んでくださっている方の中で、外国語に対する自身がない方がいらっしゃたら、臆せずコミュニケーションを取るように心がけてもらえればいいと思います。
中にはうまくできずに困ってしまうことがあるかもしれませんが、そういった経験がまた、あなたの外国語運用能力を高めるきっかけにもなります。

私は海外経験がまったくありません。
しかし、この仕事を6年しているおかげて、かなり英語力が鍛えられました。
ガイドとなると、1日3時間から多い時で10時間、あるいはそれ以上、日本語が許されない状態が続くわけです。
家で机に向かって1時間勉強するよりもずっと効率的で早く身につきます(もちろん、家で勉強する時間は必要ですが)

私はこれを「駅前留学」ならぬ「熊野古道留学」と言っていました。


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