
日本語指導の第一人者、谷山徹先生から、日本語指導についてたくさんのお話を聞く機会をいただいています。
そのお話の中で、外国人を案内するガイドとの共通点が多く見られることに気づきました。
今日はその一部をみなさんに共有しようと思います。
外国人から見た日本
一番大きな共通点は、「外国人から見た日本」「外国人から見た日本語」という視点を持つということです。
私たち日本人の「当たり前」が、一歩引いて改めて見つめてみると、なぜそうなのか、理論立てて説明することが難しいということが実に多くあります。
たとえば、ガイドで言うと
「神社の朱色の起源と意味は何ですか?」
日本語指導で言うと
「さっきに地震があった」の「に」はなぜおかしいのでしょうか?
私たち日本人は、神社が朱色に塗られていても何ら不思議ではありませんし、「さっき地震があった」と誰もが言えるはずです。
しかし、これが外国人からみると、なぜ朱色なのか、なぜ「に」をつけてはいけないのかが分からないのです。
さて、あなたはこれらについて、相手が納得するように説明することができますか?
ガイドも日本語指導も、相手は外国人です。
こうして常日頃から「なぜそうなのか」という視点で物事を見ていると、意外な発見があり面白いです。
知識を教える前に技術が必要
日本語指導の場合、指導初心者には知識を教えさせる以前に、指導のコツと技術を教える必要があるとのことです。
これもガイドと重なる部分があります。
日本語指導で言えば、例えばホワイトボードの書き方。
慣れない人は、ホワイトボードに書いた字を自分でブロックしてしまって生徒がそれを見ることができなかったり、開始早々いきなり5分間無言でホワイトボードに書き続け、書き終わってから説明を始める人がいたり、生徒の方を見ないでホワイトボードに向かって話す人など、様々な人がいたり。
内容に入る前にそういった「技術」を教える必要があるとのことです。
これは、ガイドにも同じことが言えます。
たとえば、手に持っている写真を自分の前に掲げず自分の横に掲げたせいで、その背後に立っている人がその写真を見れなかったり、写真を水平にして自分の方に向けて見せたり、ゴトビキ岩に向かって話したりと、日本語指導でやってしまう点と本当によく似ています。
また、教師あがりの人に多く見られる傾向として、学習者を子供扱いする人が多いそうです。
これにガイドが当てはまるかどうかは分かりませんが、もしあなたが教師経験があり思い当たる節があれば気を付けたほうがいいと思います。
外国人は特に子供扱いというか、見下されることを本当に嫌います。
「さっき言ったことを覚えているか、テストをします」
なんて、間違っても言わないようにしてください。
お客様は楽しみに来ているのであって、教育を受けに来ているのではありませんので。
教育実習を通してフィードバックをもらう
日本語指導では、指導初心者が実際に生徒に向けて、主任教員が決めたテーマに沿って授業をし、後から、同席した先生や生徒からフィードバックをもらうということをしているそうです。
当法人でも、認定試験というものがあり、当法人の試験官や会員、そして一般参加者を実際に案内して、その後フィードバックをもらうということをしています。
そこで、良かった点と改善点を受験者に伝え、今後実際にガイドをする際の指針となるようなシステムを採っています。
日本語指導と違うところは、試験ですので基準点に満たない場合は再試を受けなければならないという点です。
この点では当法人の方が厳しいかもしれませんね。
しかし、実際に現場に出て困るのは本人です。
その前に先輩ガイドからのフィードバックをもらえることによって、お客様と対峙するまでに改善できるという点では、非常にありがたいことだと思います。
