現場研修で学ぶべきこと②

今日は前回の続きです。
前回の記事を読まれていない方は、こちらも合わせて読んでいただくことをおすすめします。

https://7875937fbfc6f01c.main.jp/2021/01/08/%e7%8f%be%e5%a0%b4%e7%a0%94%e4%bf%ae%e3%81%a7%e5%ad%a6%e3%81%b6%e3%81%b9%e3%81%8d%e3%81%93%e3%81%a8%e2%91%a0/

参加者への配慮

現場研修では、古道にまつわる知識の習得の他にも、実際のガイドを見ながら学ぶべきことがあります。
その中の一つとして、参加者(お客様)への配慮は欠かせません。

休憩の取り方・水を摂るタイミング

アップダウンの多い熊野古道では、適宜小休止を入れながら歩かないとお客様は疲れ果ててしまいます。
お客様の顔色やペース、お客様から聞こえる息遣いなどで止まるかどうかの判断をする時もあります。

私は、滝尻から剣ノ山の1kmの上りではかなり多くの小休止を取っています。
小休止も、バックパックを下ろして5分程度取る時もあれば、本当に一息つくくらいの1分程度の短いものまであります。
特に冬場などの気温が低い時季であれば、あまり長い休憩はかえってお客様の体温が下がってしまい、次に動く時に体が重くなってしまうので、なるべく体を冷やさないように短めに取ることが必要です。
夏であれば逆に少し長めに取って、体温を下げるようにしています。
特に欧米系のお客様は暑さ(特に高い湿度)に弱い傾向がありますので注意が必要です。

お客様によっては休憩を取らずにゆっくり歩き続ける方がいいという方もいらっしゃるので、お客様が一番疲れない方法を選択することも必要です。

小休止の間の会話ですが、ただの会話でもかまわないですが、何か話す内容を用意しておくとお客様を退屈させずに歩くことができます。
ただ、お客様が息を切らしている間は話すことはしません。
水を飲んでもらって一息ついてからとか、少し息が整ったのを見計らってから話します。

歩くペース

お客様のペースで歩くことが大前提です。
こまめに振り返ってお客様が全員ついてきているかどうかを確認する必要があります。
私は基本的に、直線になった時やつづら折れの時などに、近くに最後尾が見えているかどうかで一旦止まって最後尾が到着するのを待つかどうかの判断をしています。

和歌山地域通訳案内士会の認定試験中では、時間を気にするあまり何も言わずお客様を放っておいて自分だけ速く歩いてお客様の視界から消えるガイドがいますが、安全確保の点から絶対に避けなければいけません。
自分だけ早く歩いても、お客様のペースと合っていなければあなたについてきてはくれません。というか、お客様はついていけません。

バスに間に合わないなど、時間がなければその旨を伝えてください。
お客様のペースは自然に速くなります(笑)
それ以外は基本、ゆっくりと楽しみながら歩きたいのがお客様です。
自分たちもお客様の立場であればそう思うはずです。

「ちょっと早く歩いているかな?」と思ったら、「このペースは速いですか?」と、お客様に聞いてみることです。

注意喚起のポイント

古道の中では下りの濡れた石畳で滑ったり、木の根につまずいて転倒したり、小石に乗って滑る(「石車」といいます)といった事故が起こります。
こういった場所に差し掛かった際には、必ず注意喚起をすることを癖付けておくことが重要です。
道路では横断歩道を渡ることを守っていただくことも必要です。

あとは、大人数を案内している時に、他のお客様の迷惑にならないよう、説明で止まっている際には他のお客様が歩けるだけのスペースを空けておくといった配慮も必要です。
説明に一生懸命なあまり、見落としがちになりますので注意が必要です。
また、熊野古道を歩いていると、ペースの速いグループが追い越そうとしている場面に遭遇します。
この時には、そのグループが追い越しやすい、少し広い所で止まって先を譲るという配慮も必要です。

大切なのはガイド目線とお客様目線で見ること

大切なのは、ガイドはこの時にどうしているのかという「ガイド目線」と、どのようなガイドの振る舞いや行為が嬉しかったのか、逆にガイドのこの行為はダメだなという「お客様目線」の両方の視点から見てもらえれば、総合的なガイディングを学ぶことができると思います。
特にガイドが何気なくしている行為などは、現場の知識にばかり目が行っている場合に見落としがちになりますが、ぜひとも今回ご紹介した視点で見ていただくことをおすすめしたします。

以上、現場研修で学ぶべきことをご紹介しました。
参加者によってまた違った学び方もあるでしょうから、これがもちろんすべてではありませんが、ご参考にしていただければ幸いです。

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