熊野古道 駐車場

熊野古道は周回するスタイルではなく、「行きっぱなし」になりますので、車で来られた時の駐車場に困ることがあると思います。

特に車1台で古道歩きをしたい場合には、駐車場所に困ると思います。

今回は、コースごとにどこに駐車可能な場所や、どこに置けば効率がいいのか(スムーズに帰ることができるのか)をご紹介します。

藤白坂(海南駅~加茂郷駅)

基本的に、駐車は終了地点付近に置くのが理想ですが、このコースについては加茂郷駅周辺には理想的な駐車場が見当たりませんので、海南駅の近くに駐車することになります。

加茂郷駅まで行けば、電車はだいたい30分に1本は動いていますので、帰りはさほど困らないと思います。

海南駅東口には、1日250円~300円程度で停められる駐車場が結構あります。
車を置いて海南駅までは徒歩1、2分です。

料金は前払いなのでご注意を。
支払った際に発行される駐車券をダッシュボードに上に置いて駐車します。

中には30分無料であとは30分ごとに100円(だったかな?)かかるところがありますので、よーく料金表を確認してから駐車してください。

紀伊宮原駅~湯浅 切目駅~南部駅

湯浅駅前に駐車場は1日最大300円程度で駐車できますので、ここに置いておき、電車でスタート地点の紀伊宮原駅まで行く方法が便利です。

切目駅~南部駅も、終点の南部駅に町営の駐車場があります。
こちらも1日最大300円程度で駐車できます。

なお、紀伊宮原駅、切目駅とも特急は止まりませんのでご注意を。

滝尻王子~高原

中辺路でも、基本的に終点に停めておくのがいいのですが、このコースについては滝尻の駐車場に停めておく人が多いです。

なお、トイレのある方の駐車場は、長時間の駐車はご遠慮ください。

滝尻の駐車場(熊野古道館駐車場)に置いて歩き始め、終点の高原から、栗栖川バス停まで歩いて下りて行き、バスに乗って滝尻に戻るという方法です。

一番便利なのは、霧の里高原(たかはら)休憩所に駐車しておき、栗栖川バス停まで歩いて下りて行き、バスに乗って滝尻まで戻る方法です。

いずれにしても、高原から栗栖川までは歩いて下りなければなりません。
所要時間は約30分です。

なお、タクシーを呼ぶにも30~40分はかかりますので、私はそういった方法を使ったことはありません。

中辺路ルートのバスはそう頻繁にありません。
下手をすると1時間~1時間半待ちということになりかねませんので、朝のバスに時間を合わせた方が、帰りの時間を気にすることなく古道歩きを楽しむことができます。

熊野古道館駐車場、霧の里高原休憩所の駐車場とも、駐車料金は無料です。

高原~近露王子

近露王子公園駐車場(無料)が便利です。

駐車場内にバス停がありますので、車を停めてすぐにバスに乗ることができます。

降車の停留所は「栗栖川(くりすがわ)」です。

ただし、栗栖川から高原までは、歩いて約30~40分(約1.8km)を上らなければなりません。

霧の里高原休憩所駐車場に先に停めておくことも可能ですが、いずれにしてもこの坂を上ることは避けて通れません。
また、この場合は帰りのバスの時間を合わせないといけなくなります。

発心門王子~本宮大社

熊野本宮館駐車場が便利です。

こちらも駐車場内にバス停がありますので、ここから発心門王子行きのバスに乗車できます。
終点の本宮大社にお参りをし、参道を降りれば、道路を挟んだ向かいがこの駐車場です。

ただし、週末などは満車になる可能性があります。

その場合は、熊野本宮館裏手の河川敷の臨時駐車場に置くことができます。

臨時駐車場へは、案内看板もありますので、難しくはないです。

小雲取越

請川から入る場合は、小和瀬(渡し場跡)の駐車場(無料)に置いておき、バスで出発地点の「下地橋(しもじばし)」に向かうといいです。
時刻表には「請川(うけがわ)」しか記載がありませんが、下地橋は請川の一つ手前です。
小雲取越の入口は、請川よりも下地橋の方が近いです。
ただ、歩く前に何かを買いたい場合は、請川で降りればコンビニと、道を挟んだ向かいに小さなお店があります。
コンビニは毎週水曜が定休日で、その他の日も臨時休業している場合がありますので要注意です。
時刻表

小和瀬から入る場合は、下地橋バス停付近に数台駐車可能なところがあります(無料)
ただし、他の利用者の妨げにならないように端の方に停めてください。

大雲取越

小口から入る場合は、JR新宮駅近くの新宮市営駐車場に停めておき、7:10新宮駅発のバスに乗車し、神丸(かんまる)で乗り換え、小口(こぐち)8:06着に乗る必要があります。

大雲取越は中辺路の中でも最高級の難易度のコースなので、7~10時間を見ておいたほうがいいでしょう。

時刻表は小雲取越のものと同じです。

駐車料金は1日最大700円です。
ただし、24時間以降は1時間につき100円かかりますので要注意。
新宮駅東市営駐車場「はまゆう」

那智から入る場合は、那智山バス停の駐車場(混雑時は有料になる場合あり)、または那智駅(無料)に駐車し、路線バスで那智山バス停まで向かうことも可能ですが、小口で一泊することをお勧めします。
時刻表

終点の小口から那智に戻るには、神丸→新宮駅(または新宮高校前)→那智駅で乗り換えが必要なので日帰りはやめておいたほうが無難です。

小口からの日帰りは、バスの便数が限られていますので、何か起こって乗り遅れれば悲惨な状態になります。

大雲取越、小雲取越を2日かけて歩くのが通例です。

以上、ご参考になれば幸いです。

熊野古道 モデルコース

熊野古道のモデルコースは、主に中辺路に集中しています。

まずは中辺路のモデルコースをご紹介いたします。

1泊2日

1日目 紀伊田辺駅~本宮へ移動
2日目 発心門王子~本宮大社

大阪からであれば、紀伊田辺にお昼前に到着し、そこから路線バスを使って本宮エリアで宿泊、翌日発心門王子~本宮大社を歩いて路線バスで紀伊田辺駅に戻る行程です。

大阪からのアクセスは、
新大阪8:58発、紀伊田辺駅着11:23の便
新大阪10:13発、紀伊田辺駅12:34着の便
が便利です。
JRおでかけネット

紀伊田辺駅から本宮エリアへのバスは
11:35と12:50発の便があります。
紀伊田辺駅、白浜→熊野本宮大社

本宮までは2時間ほどかかりますので、12:50の便に乗ればちょうどチェックインの時間くらいに到着します。
11:23に紀伊田辺駅に到着し、駅周辺でランチを食べて12:50の便に乗れば一番いいと思います。

和歌山地域通訳案内士会では、ガイドの自家用車で本宮までの道中をご案内するプランがあります。

ただ単にバスに乗って移動をするより、道中の滝尻王子や継桜王子などに立ち寄りながら本宮に向かいますので、より密度の濃い熊野体験ができます。

2泊3日 ①

1日目 鮎川王子~滝尻王子
2日目 発心門王子~本宮大社

1日目は紀伊田辺駅からバスに乗って「鮎川新橋」で降車すれば、鮎川王子跡があります。
その向かいの橋(鮎川新橋)を渡ってウォーキングスタート。
2016年に世界遺産に追加登録された北郡越(ほくそぎごえ)を含んだ、変化に富んだコースです(先出のバス時刻表参照)

2泊3日 ②

1日目 牛馬童子口~継桜王子
2日目 発心門王子~本宮大社

1日目は、中辺路のシンボル・牛馬童子像、展望台から見下ろす近露(ちかつゆ)の景色や、樹齢800年と言われる野中の一方杉などを見ることができます。
こちらへのアクセスも、紀伊田辺駅から出発し、「牛馬童子口」バス停で降車です。

宿泊は
民宿つぎざくら
GUEST HOUSE MUI
熊野古道 古民家宿 HAGI
農家民宿さーどぷれいす熊野古道
熊野古道 いろり庵
などが便利です。

3泊4日 ①

1日目 滝尻王子~高原
2日目 高原~近露王子
3日目 発心門王子~本宮大社

1日目の滝尻王子~高原は、始めに1kmの急坂を上ります。
ゆっくり歩けば大丈夫ですが、喘息を持たれている方は注意が必要です。

2日目の高原~近露王子は、本格的な熊野古道を味わえるコースです。
距離は約9kmですが、結構こちらも起伏がありますので、無理をせずに歩いてください。

1日目の宿は
霧の里 高原
けやき
すずしろ
民宿 古道の杜 あんちゃん
あかつき
星空の宿
里山暮らしを遊ぶ宿 のこのこ
Guest House Kiyohime
お宿 日々樹

2日目の宿は
民宿ちかつゆ
熊野古道ちかつゆ 櫻の園
熊野古道の宿 近露そら
ゲストハウス あがえ
ゲストハウス 豊舟
などがあります。

3泊4日 ②

1日目 滝尻王子~高原
2日目 高原~近露王子
3日目 道湯川橋~本宮大社(健脚向け)

3日目のコースは、峠越え2つを含み、距離は約17kmの健脚向けです。

4泊5日 ①

1日目 滝尻王子~高原
2日目 高原~近露王子
3日目 発心門王子~本宮大社
4日目 川舟下り~速玉大社→大門坂~那智の滝

4日目は少し過密になりますが、1日で十分回ることができます。
お泊りは那智勝浦エリアの宿がオススメです。

4泊5日 ②

ガッツリ歩きたい方はこちらです。

1日目 滝尻王子~高原
2日目 高原~近露王子(または継桜王子)
3日目 道湯川橋~本宮大社
4日目 川舟下り~速玉大社→大門坂~那智の滝

5泊6日 ①

1日目 滝尻王子~高原
2日目 高原~近露王子
3日目 発心門王子~本宮大社
4日目 川舟下り~速玉大社~神倉神社
5日目 大門坂~那智の滝

4日目に神倉神社を加えたプラン。
無理なくゆっくりと楽しみたい方向けです。

5泊6日 ②

1日目 滝尻王子~高原
2日目 高原~近露王子
3日目 道湯川橋~本宮大社
4日目 小雲取越
5日目 大雲取越

中辺路最大の難所・大雲取越を含んだ健脚向けです。
3日目は、体力と脚力に自信のある方なら、近露~本宮大社(約25km)を歩くことも可能です(この場合は遅くとも7時半には出発しましょう)

他のルート

現在は中辺路中心となっていますが、当時の巡礼気分を味わいたい方には、紀伊路と組み合わせるプランもいいかと思います。

日本人であれば、まとまった日数を取ることは難しいと思いますので、分割して歩かれるといいと思います。

紀伊路であれば、下記を先ほどの中辺路と組み合わせれば、さらに熊野古道を楽しむことができます。
紀伊路は基本的に駅から駅まで歩くことができますので、アクセスは中辺路よりも断然便利です。

1日目 藤白坂(海南駅~加茂郷駅)
2日目 紀伊宮原駅~湯浅
3日目 切目駅~南部駅

また、大辺路にも長井坂や八郎峠など、魅力的なコースがあります。
ただ、アクセスが悪いので、ガイドや和歌山地域通訳案内士会が車両でお送りする形にてご対応させていただきます。

詳しいお問い合わせは、和歌山地域通訳案内士会まで。

アクセスについては、こちらもご参照ください。
熊野古道 大阪からのアクセス

 

熊野古道 大阪からのアクセス

熊野古道といっても、どのコースを歩くかによってアクセスも違ってきます。

今回は、コース別のアクセスについてご紹介します。

オススメコースを北から順に行ってみましょう。

藤白坂(海南駅~加茂郷駅)

藤白坂は、「熊野の入口」とされていた海南市に位置する熊野古道です。
国の史跡に指定されている藤白神社(藤白王子)や、鈴木家が日本に広まったきっかけになった鈴木屋敷などがあり、紀伊路では珍しく古道らしさを残した美しいコースです。

新大阪から特急くろしおに乗車し、海南駅で降車してください。
または快速に乗車して和歌山駅で乗り換え、海南駅で降車。

終点ですが、健脚の方は紀伊宮原駅まで歩くことが可能です。

健脚度にもよりますが、紀伊宮原駅までは7時間くらい見ておいたほうがいいでしょう。

橘本土橋(きつもとどばし)からは、加茂郷駅まで歩くか、タクシーを呼んで加茂郷駅まで行くかになります。
タクシーはこちら(有交タクシー)
073-471-3333
加茂郷駅に1台常駐していますので、タクシーがあれば10分程度、出払っていてタクシーがない場合は海南駅から配車をしてくれます(20分程度で来ます)

加茂郷駅まで歩けば約1時間、タクシーを呼べば約10分で1500円くらいです。

加茂郷駅は普通電車しか止まりませんので、海南駅で特急に乗り換えか、和歌山駅で紀州路快速に乗り換える必要があります。
普通電車は1時間に2本は運行されています。
加茂郷時刻表

紀伊宮原駅~湯浅

醤油発祥のまち、湯浅へ至るコース。
途中には糸我峠があり、そこからは眺めのいい景色を見ることができます。
また、古道からは外れますが、雲雀山を通って糸我峠に至るルートも、健脚の方にはオススメです。
湯浅に着いたら、重伝建地区の湯浅のまち歩きを楽しむのもいいですね。

紀伊宮原駅までは、和歌山駅から約35分です。

湯浅駅では特急が止まります。

滝尻~高原(たかはら)

ここからは中辺路ルートです。

紀伊路はJRの駅から駅に歩けるので、さほど難易度は高くないですが、中辺路はバスの利用も入ってくるため、少々複雑になります。

このルートは、紀伊田辺駅で降車したあと、発心門王子行き、または道の駅奥熊野本宮行き、あるいは新宮行きのバスに乗車し、「滝尻」で降りればすぐ滝尻王子ですので、さほど注意すべき点はありません。
紀伊田辺駅から滝尻方面バス時刻表

ただし、高原で終了した場合、高原にはバス停がありませんので、お帰りになる場合は30分かけて栗栖川バス停まで歩いて下りなければなりません。
栗栖川~紀伊田辺駅バス時刻表

高原で宿を取って、翌日続きを歩くのが一番便利ですが、もし当日に高原から歩きたいのであれば、栗栖川でバスを降りて高原まで歩いて上るか、紀伊田辺駅からタクシーを利用するしかありません。

近露~本宮大社

この辺りになると、大阪から公共交通機関を使っての日帰りは難しくなります。

外国のお客様は、だいたい近露で宿を取り、翌日はバスに乗って道湯川橋まで移動し、そこから古道に入って本宮に至るコースを取ることがほとんどです。

近露から本宮大社まで、一気に歩くのであれば、25km、8~10時間を見ておかないといけませんので、ご自身の体力や日没時間と相談して、無理のない計画を立てましょう。

近露で宿を取って道湯川橋から歩く場合、朝7:23のバスに乗車する必要があります。

道湯川橋までは約10分です。

あるいは、9:07のバスに乗車し、小広峠で降車、道湯川橋まで歩いて古道に入るという方法もあります。
小広峠からは国道311号線を5分ほど歩きますので、車には十分気をつけてください。

道湯川橋から本宮大社までは約17kmあります。
途中には2つの峠越えがありますので、体力に自信のない方は、朝早くに出発することをお勧めします。

発心門王子で終了する方法もありますが、バスがあまり来ないので時間を合わせるのが難しいです。
発心門王子~紀伊田辺駅バス時刻表
タクシーも呼べなくはないですが、本宮には1台しか常駐しておらず、その1台が出払っていれば新宮からの配車になりますので1時間程度かかります。

赤木越

赤木越は、本宮を周回するコースの一部で、大日越と発心門王子~本宮大社につながっています。

湯の峰温泉、または発心門王子のいずれかからでも出発はできますが、赤木越だけを歩くのであれば、発心門王子から出発し、湯の峰温泉で終了することになります。

湯の峰温泉に宿泊されているのであれば、8:00または8:56発、発心門王子行きがありますので、それに乗車します。
車で来られている方でも、湯の峰温泉駐車場(無料)に駐車しておけますので、そこから同じバスに乗ることができます。
奈良交通(バスナンバー302)の11時台のバスに乗車し、一旦本宮大社前で乗り換えて午後から歩くことも可能です(平日と土日祝・年末では時刻が違いますのでご注意ください)
赤木越バス時刻表

大日越

大日越は、本宮と湯の峰温泉を結ぶルートで、距離は約2km。

本宮から出発しても、湯の峰温泉から出発しても、どちらでも構いません。

もし、午後に本宮に到着され、翌日すぐに別のコースに行く場合や、すぐにお帰りになる予定の場合は、この日に大日越の古道歩きに、本宮のお参りを前後に入れることもできます。

バスは本宮大社前、湯の峰温泉のいずれからも出ていますので、ご自身のスケジュールに合わせてどちらからスタートをするのか決めるといいかと思います。
大日越バス時刻表

小雲取越・大雲取越

この2つのルートは、2日かけて歩くのが通例です。

外国の方は小雲取越→大雲取越の順、日本人は大雲取越→小雲取越の順に歩くことが多いです。

小雲取越→大雲取越の場合は、請川、または下地橋(しもじばし)でバスを降りれば、小雲取越の入口付近です。
小雲取越バス時刻表

宿泊は小口(こぐち)エリアになりますが、宿が限られているため、小口に泊まれない場合は新宮市高田に宿泊する場合もあります。
高田グリーンランド

大雲取越→小雲取越の場合は、那智勝浦からのスタートになります。

紀伊勝浦駅からバスまたはタクシーに乗車をして、那智大社から歩き始めます。
バスの場合は那智大社の参道を歩いて行かなければなりません(約15分)
タクシーの場合は、青岸渡寺の防災道路を通行できますので、大雲取越の入口付近まで送ってもらえます。
大雲取越バス時刻表

那智大社付近では美滝山荘で宿泊すれば、参道を歩くことにはなりますが、紀伊勝浦駅からの移動の手間は省けます。

紀伊勝浦駅から那智山バス停までは約30分かかります。

大雲取越は中辺路最大の難所ですので、時間には余裕をもって計画を立ててください。

大雲取越単独で歩く場合

あまりこういったケースはないかもしれませんが、大雲取越だけを歩く場合のアクセスもご紹介いたします。

本宮方面からであれば、本宮大社前からバスは出ていますが、湯の峰温泉や川湯温泉は通りませんのでこの便はあまり使えません。
湯の峰温泉や川湯温泉からであれば、6:35本宮大社前発の便であれば乗車可能です。
ただし、神丸(かんまる)で乗り換えに約40分待たなくてはなりませんので、かなり不便です。
現実的にはタクシーを予約しておりて直接小口を目指す形になります。

新宮方面からであれば、新宮駅発7:10の便に乗車すれば、小口に8:06着です。
時刻表

熊野古道 歩行時間の目安

初心者の方は特に、熊野古道の歩行時間が気になるところかと思います。

今回は歩行時間の目安をお伝えいたします。

結論から言うと、健脚の方で1kmを15分~20分、あまり歩きなれていない方や初心者の方は20分~30分見ておけばいいかと思います。

私たちガイドは、途中でお話をしながら歩きますので、1kmの目安は30分です。

中辺路の場合、アップダウンが結構ありますので、当然平坦な場所と上り坂では1kmあたりの所要時間は変わってきます。

下記にコースごとのだいたいの目安(あくまでも目安です)を記載しておきますのでご参考にされてください。

コース距離(km)所要時間
滝尻~高原3.92.5~3
高原~近露王子9.44~5
近露王子~熊野本宮大社258~10
継桜王子~熊野本宮大社227~9
道湯川橋~熊野本宮大社176~8
大日越21~2
赤木越83~5
小雲取越135~7
大雲取越14.57~10
大門坂~熊野那智大社~那智の滝2.52.5~3

上記は本当に目安ですので、己を過信せずに、計画は余裕を持って立ててください。
一応、最大の時間まで記載をしていますが、「例外」もあります。
私がご案内したお客様の中では、例えば滝尻~高原に4時間、高原~近露王子まで8時間かかってしまった方もいます。
ご自身の体力とも相談して計画を立ててください。

また、秋から冬にかけては、山の中は夕暮れが早いです。
なるべく16時には山から出られるようにしましょう。

こちらの地図が非常に詳しいです。
https://www.tb-kumano.jp/kumano-kodo/maps/

熊野古道は何県にある?

北郡越(ほくそぎごえ)

熊野古道について、素朴な疑問にお答えいたします。

今回は、熊野古道は何県にあるのか?という疑問です。

よく見かける記事では、まず「そもそも論」から入って結論は後・・・というものが多いですが、私は結論からいきます(笑)

熊野古道は和歌山県、大阪府、奈良県、三重県の4県にまたがっています。

大阪の窪津を起点とし、山中渓を経て和歌山県に入ります。

和歌山県では、田辺市でさらに中辺路と大辺路に分かれ、中辺路は紀伊半島を横切る形で、大辺路は紀伊半島の海岸線を通ります。

中辺路を通ればまず本宮大社に、大辺路を通れば那智大社に到着します。

一方、真言密教の聖地・高野山に端を発し、奈良県を通って熊野本宮大社に至るルート、小辺路があります。

出発と終点は和歌山県ですが、小辺路の大部分は実は奈良県を通っています。

小辺路は1000m級の峠越えを3回しなければならない、熊野古道の中では厳しいルートです。

次に、伊勢の神宮から三重県の主に海岸線を通る伊勢路があります。

伊勢路は三重県熊野市有馬で、本宮大社に向かうルートと、速玉大社に向かうルートに分かれます。

本宮大社に向かう道を「本宮道」と呼びますが、これまでの海を眺めながらの景色とは一変し、山中を歩くようになります。

そしてもう一つ、奈良の吉野から、熊野本宮大社に至る道、大峰奥駈道があります。

この道は修験者の修行の道であり、そもそも熊野古道を拓いたのはこの修験者であったとされています。

この大峰奥駈道が最も厳しいルートです(私はまだ歩いたことがありませんが・・・何か気が乗らないんですよね)

奈良の吉野は桜で有名ですが、これは修験道の開祖・役行者が最初に蔵王権現を感得した時に桜でそれを彫ったということにちなんで、桜が修験道のご神木となったためです。

以後、信者が桜を次々に植え、現在のような桜の名所になったそうです。

ちなみに、本宮大社の旧社地・大斎原(おおゆのはら)から、山中に大峰奥駈道を見ることができますが、一番分かりやすいのは桜の開花時季です。

ここにもたくさんの桜が植えられています。

このころになると、山がピンクに染まるので一目でわかります。

そもそも、「熊野古道」という呼称も昭和になってからのもので、以前は「熊野道」とか「熊野街道」などと呼ばれていました。

大辺路などでよく見かける道標地蔵には「右 くまのみち 左 やまみち」などと刻まれています。

考えてみれば、当時の人にとっては「古道」ではなく「現役の道」なわけで、「古道」という発想は生まれなくて当然と言われれば納得します。

また、大阪では「熊野古道」よりも「小栗街道」と言ったほうがピンと来る方が多いようです。

小栗とは小栗判官のことで、照手姫と結婚をしたまではよかったのですが、それを照手姫の父に無断でしたことにより父の怒りを買い、毒殺されてしまった人物のことです。

しかし、小栗判官は閻魔大王によって餓鬼阿弥となりこの世に生き返らされ、本宮の湯の峰温泉で見事に復活し、照手姫とも再開し、めでたし、めでたしというお話(かいつまみすぎ)によるものです。

その小栗判官が引き車に引かれて通った道が熊野古道とリンクしている部分があり、それを「小栗街道」と呼んでいます。

小栗判官と照手姫の物語や、小栗街道については、またの機会に詳しくお話をしようと思います。

ということで、熊野古道は和歌山県、大阪府、奈良県、三重県にありますというお話でした。

熊野古道 初心者にオススメのコース

初心者でも歩ける熊野古道のコースってどこがあるでしょうか?

一口に熊野古道と言っても、紀伊路、中辺路、大辺路、小辺路、伊勢路とあり、和歌山県はもちろん、大阪から奈良県、三重県広範囲にわたります。

おそらく、現在は「熊野古道」と言えば中辺路をイメージする方が多いと思います。

しかし、中辺路は結構起伏が激しく、初心者でも歩けるコースというものが少ないルートでもあります。

ただ、厳しい道だから現在まで古道らしい道が残ったとも言えます。

「そうは言っても歩きたい」という方のために、その中でも比較的易しいコースをご紹介いたします。

牛馬童子口~継桜王子

1つ目は、牛馬童子口~継桜王子です。

中辺路のシンボル・牛馬童子像、近露の集落を見渡す美しい景色、最後には野中の一方杉と野中の清水と、変化に富んだ景色を楽しみながら歩くことができます。

野中の集落に上る楠山坂は少々キツいかもしれませんが、比較的なだらかで歩きやすいコースです。

詳しくはこちら

継桜王子では、毎年11月3日の午後2時頃から、和歌山県無形民俗文化財の「野中の獅子舞」が奉納されます。

発心門王子~本宮大社

2つ目は発心門王子~本宮大社です。

熊野古道には「王子」と呼ばれる神社があり、かつての上皇・法皇、貴族たちは道中の王子で旅の安全を祈願しながら熊野三山を目指しました。

その王子の数は102とも言われており、「九十九王子」と称されています。

その九十九王子の中でも最も格式の高い王子社として崇められているのが「五体王子」です。

その五体王子の一つである発心門王子を出発し、熊野三山のひとつ、熊野本宮大社を目指すコース。

厳しいアップダウンはほとんどなく、また、集落を歩いたり、森の中を歩いたりと、こちらも変化に富んだ景色を見ながら歩くことができます。

道中の「森のベッド」は森林浴にはうってつけの場所です。

本宮大社の旧社地・大斎原では、日本一の大鳥居があり、見る者を圧倒します。

詳しくはこちら

高野坂

新宮市内にある熊野古道。

距離は非常に短いですが、古道らしい雰囲気と、中辺路では珍しく海を見ながら、潮騒を聞きながら歩くことができるコースです。

ちょっと寄り道をすれば、「鯨山見跡」からは太平洋を一望することができます。

こちらでは熊野速玉大社から歩くようになっていますが、路線バスで「広角(高野坂)」で降りて少し歩けば高野坂の入口に行くことができます。

お帰りは、JR三輪崎駅、または三輪崎駅前バス停から新宮・勝浦方面に行くことができます。

大門坂~那智の滝

約650mに渡って石畳が敷設されている大門坂から、熊野三山のひとつ、熊野那智大社、そして那智の滝にいたるコース。

大門坂から那智大社までは約1.3km。
ほとんどが上りですので、少々きついかもしれません。
また、那智大社から那智の滝までも同じくらいの距離を今度は下りますので、足にくるかもしれませんが、大門坂沿いの杉の巨木と石畳が醸し出す雰囲気と那智の滝は、訪れる価値のあるところです。

これらのコースを自分たちで歩くこともできますが、ガイドと一緒に歩くと、もっと深く熊野について知ることが出来ますよ。

お問い合わせは和歌山地域通訳案内士会まで。

滝尻~本宮大社を一気歩き

かねてより計画していた、滝尻~本宮大社までの「一気歩き」をしてきました。

トータルの距離は37.8km。
朝6時に滝尻を出発して、本宮大社に到着したのが16時10分。
約10時間かかりました。

以前の小雲取越~那智駅では34.4kmだったので、今回は記録更新です。
前回の記事はこちら
ロングウォークと食べ物

今回はバスの時間があったので時間との戦いでした。
なので前回よりもペースはかなり早かったです。

ちなみに、前回は平坦で1kmを約15分でしたが、今回は12分でした。

上り坂は、以前プロの山岳カメラマンに教えてもらったやり方でガンガン登り、滝尻から剣ノ山まで30分、高原から上多和茶屋跡まで1時間30分、岩上峠まで20分、三越峠まで14分、たっくん坂を6分で登りました。

おかげで足が自分のものではないようです(笑)

今日はゆっくり寝ます。

おやすみなさい。

I had long planned to do a “one-stop walk” from Takijiri to Hongu Taisha.

The total distance was 37.8 km.
I left Takijiri at 6:00 a.m. and arrived at Hongu Taisha at 4:10 p.m.
It took about 10 hours.

The previous distance from Kogumotori-goe to Nachi Station was 34.4 km, so this time I broke the record.

This time, I had time to catch the bus, so I was fighting against time.
So my pace was much faster than last time.

By the way, last time it was about 15 minutes for 1 km on the flat, but this time it was 12 minutes.

I climbed uphill with the method that a professional mountain photographer had taught me before. It took me 30minutes from Takijiri to Tsurugi-no-yama, 20 minutes to reach the Iwagami Pass, 14 minutes to reach Mikoshi Pass, and 6 minutes to climb Takkunzaka.

Thanks to that, my legs don’t seem to belong to me (laughs).

I will sleep well today.

Good night.

大雲取越

大雲取越えは、定家が「雲の中を行くが如し」と言ったくらい険しいルートです。

かつての上皇・法皇は来た道を帰る(熊野川を遡って帰る)のが一般的であったため、ここを越えたのは後鳥羽上皇の1回のみといわれています。

江戸時代になって庶民に熊野詣が広がってくると、お伊勢参りを終えた巡礼者たちや、西国三十三ヵ所観音霊場巡りの巡礼者たちが、二番札所の紀三井寺に向かう際によく利用するようになりました。

昭和30年代、現・国道42号線が整備されるまではメインルートであったため、以前は茶屋や旅籠などもあり賑わいを見せていたそうです。

小雲取越

小雲取越は坂道を上ったあとには必ず平らな箇所がありますので、険しい熊野古道のなかでも「比較的」楽に歩けるコースです。
ただし、請川から入った場合、桜茶屋からの下り約2.5kmは滑りやすい石畳がありますので注意が必要です。

中辺路によくある光景の植林によるスギ・ヒノキではなく、ウバメガシなどの原生林がよく残っている数少ないルートのうちの一つです。

ですので、古道沿いの植生などを見ながら歩くと違った楽しみ方ができると思います。
ただ、小雲取越・大雲取越は王子などは一切なく、歴史的なものはほとんど見られません。

松畑茶屋跡

旅人がここの茶屋の子に名前をつけてやり、十年後にその子の安否を尋ねたところ、十一歳の美しい少年になっていた、という話が残っています。

往時、稀人信仰というものがあり、旅人がその「稀人」にあたったそうです。

旅人というのは各地を巡り、さまざまな情報(特に食べ物)を持っていることから、貴重な情報源の持ち主として崇められ、その旅人に子の名づけをしてもらうという風習があったらしいです。

百間ぐら

「ぐら」とは高い崖の意。行き倒れの巡礼者を祀る。石が積み上げられた地蔵は元来この場所にはなく、移動されたそうです。

賽の河原地蔵

行き倒れの旅人を祀っているという説と、狼に襲われて亡くなった若い僧を祀っているとの説もあります。

賽の河原とは、親より先に死んでしまった子らが行くとされる三途の川の河原のことを指します。
親より先に死ぬことは親不孝とされているため、子は親の供養のために河原の石を積み上げ塔を作り、それが完成すれば供養が完了するとされているが、あと少しのところで鬼がやって来て積み上げた石を破壊して去っていく。
再度、再々度積み上げては鬼に破壊されるが、最終的には地蔵菩薩が現れてその子供を救う。

という話があります。

「賽の河原」という言葉は「報われない努力」の意味でも使用されますが、ここに積み上げられた石はこの話にまつわるものなのかは不明です。

幾重にも重なった山並みの中にある、三角に尖った山が野竹法師(970.8m)

ここではオオカミは悪者扱いされていますが、熊野古道をはじめとする日本各地ではオオカミはむしろ旅人を守ってくれる存在として捉えられていることの方が多いようです。

こちらをご参照ください。

https://7875937fbfc6f01c.main.jp/2017/06/20/%e7%86%8a%e9%87%8e%e5%8f%a4%e9%81%93%e3%81%a8%e3%82%aa%e3%82%aa%e3%82%ab%e3%83%9f%e3%81%ae%e8%a9%b1/
https://7875937fbfc6f01c.main.jp/2020/12/04/%e7%b6%99%e6%a1%9c%e7%8e%8b%e5%ad%90%ef%bd%9e%e9%81%93%e6%b9%af%e5%b7%9d%e6%a9%8b/

三界萬霊塔

仏教の考えで、世界には大きく分けて3つの世界に分けられる。

欲界:人間界や地獄を含む淫欲・食欲の欲望にとらわれた世界

色界:2つの欲望は超越したが、物質的な欲望の残った状態の世界

無色界:上記すべてを超越した精神世界

以上のすべての世界にある魂を供養するという意味で建立されたものです。

無縁仏を祀る塔として、墓地でもよく見かけられますよね。

桜茶茶屋跡

茶屋の庭先に大木があったことから桜茶屋と名付けられました。

店の主人は大雲取越えにある楠ノ久保旅籠辺りを通る白衣の参詣者の一団を見かけると、大急ぎで湯を沸かし餅をつきました。
一団を見かけてから餅をつけるほど、楠ノ久保からの距離は遠かった(約2時間)

ちなみに、楠ノ久保の旅籠の主人は、その先すぐ近くに別の宿があるにも関わらず旅人に桜茶屋を指差し、あそこまでは宿がないからここで泊るように勧めていたとい話が残っています。

尾切り地蔵

昔、山の稜線の端(尾っぽ)の集落は栄えないとされていました。

この地蔵は山の「尾」を切り、集落が栄えるようにとの願いが込められています。

歌碑

旧熊野川町域に入ると、所々に歌碑が設置されています。
この歌碑を見て休憩を取ってもらいたいという町の願いが込められているそうです。

小雲取越えには計6か所設置されています(カッコ内は作者)

①歩まねば 供養ならずと 亡き母が のたまいていし 雲取に来ぬ (嶋正央)

今は亡き母が、雲取越え(大雲・小雲)は歩かなければ供養にならないとよく言っていた。今わたしは、その雲取に来ている、といった内容の歌。

②まさびしき ものとぞ思ふ ただなづく 青山のまの 川原を見れば (斎藤茂吉)

この歌の作者は医者で、妻は派手好きで浪費家であったそうです。この歌は、この地から見える広大な山並みや川原を見て、医者という地位にありながら妻の日ごろの派手な振る舞いに対して寂しい気持ちになって詠んだ歌だろうといわれています。

③どちらへも 遠き山路や 遅桜 (岩田涼莵)

作者は伊勢の神宮の神職で、この地に差しかかった時に詠んだ歌だと言われています。(こんな遠くまで来てしまったが)伊勢に戻るのも、熊野に参るのもどちらも遠いことに嘆いた歌らしい。彼は「遅桜」の時季、晩春に熊野を訪れたのでしょう。

④小雲取 のぼり来たれば 枯れ萱の 光和みて 山つたふ風 (杉浦勝)

作者は地元出身。小雲取越えの美しさを詠んだもの。彼は宮中の歌会に招待されたが、病気のために出席していません。

⑤かがなべて 待つらむ母の 真熊野の 羊歯の穂長と 箸を切るかも (長塚節)

幾日も待っている母の元に羊歯の穂長(シダの茎)を折って、箸にして持って行ってやろう、という歌。歌に登場するシダはウラジロで、その茎は非常に硬く往時は箸に利用していたそうです。切って乾燥させればどんどん硬くなります。

⑥男手に 牡丹餅(ぼたもち)握り 山祭り (平松いとど)

山の神様は女神で嫉妬深く、女性を嫌っていたので、山の祭は準備から運営まですべて男性がまかなっていました。きれいな女性を連想させる魚、例えば鯛などのようなものも供えず、代わりにオコゼのような見た目の良くない魚を供えたり、餅もすべて男性が作って供えていました。