ガイド報告書

杉花粉がピークを迎えていますね。今年は飛散量が多いようで花粉症持ちには厳しい年となっていますね。

さて、今日はガイド報告書についてお話しようと思います。

当団体では、ガイド業務が終了すると「ガイド報告書」を事務局に提出していただきますが、これには以下のような理由があります。

1.ガイド後の反省を促す

ガイドが終わって緊張感から解放され、「やったー上手くいった。やれやれ」で終わってはガイドとしての成長は小さいです。報告書では単に「お客様に喜んでいただけたこと」「安全上危険と感じたこと」「当日のスケジュール」などを記入してもらいますが、本当はこれだけでは足りないのでもっと自己反省してもらう項目を追加したいところではありますが、あまり項目を多くするとガイドの負担になりますのでこれでも控えめだと思っています。

ちなみに私は自分なりの反省を必ずしています。

①うまくいったことは何か?

②なぜそれはうまくいったのか?

③うまくいかなかったことは何か?

④なぜ、それはうまくいかなかったのか?

⑤今後も続けたほうがいいものは何か?

⑥今後やめた方がいいものは何か?

⑦次回同じ失敗をしないようにするためにはどうすればいいか?

などの質問に答える方法で行います。10分もあれば反省できます。失敗だけでなく成功したことの原因を考えることも重要です。

ちなみに、トヨタには「5回のなぜ」という問題分析方法があります。それは一つの問題に対して「なぜ」を5回繰り返して自問することだそうです。そうすることによって原因がはっきりし、解決策を導くことができるそうです。こうして、自分に質問をするということによって思考の整理ができ、問題解決や成功の分析ができるようになります。

2.ガイド経験の共有

ガイドスキルの向上は、反省と経験です。現在当団体には19名のガイドがいますが、他のガイドの報告書を読むことにより、一人ひとりの経験を見ることができ、それを「模擬体験」として自分のデータベースとして保管することができます。特に、問題が起こったときに、実際にどうやって対処したかという点については、大いに役立つことです。

3.訴訟に対する証拠の保存

日本人はともかく、海外では訴訟が当たり前のお国柄のところも多く、何か問題が起こると訴訟に至る場合が考えられます。そういった場合に備え「○月○日の業務は問題なくきちんと終了した」「○月○日にこういった問題が発生したが、無事に解決した」という証拠を保存し、万一訴訟となった場合でもきちんと対処できるようにしておくためです。実際海外のガイド団体などでは、報告書を封筒に入れ、日付の入った割り印をして保管しているところもあるそうです。

 

提出されたガイド報告書に目を通すと、びっしり書いてそれでも用紙が足りず、用紙を付け足して記入するガイドもいれば、たった一行で終わっているガイドもいます。

大切なのは分量ではなく内容かもしれませんが、これを読んでくれている方々は意識が高い方だと思いますので、前者と後者でどちらが早く成長するか、または優れたガイドなのかはお分かりだと思います。

ひどいものでは「特になし」とだけ書いて提出したガイドがいましたが、これはさすがに再提出してもらいました。何も反省点がないというのは、単に記入が面倒だからか、あぐらをかいているかのどちらか、あるいはその両方で、こういったガイドに成長はありません。

一つ一つの積み重ねは、面倒で劇的な変化を感じにくいと思いますが、実際にはそうではありません。ダイエットと同じで、ある一定の期間が来ると本当に劇的に自分の成長を感じることができるはずです。継続は力なりです。

わたしがまだデビューしたての頃、尊敬する大先輩のガイドさんとお話をしたとき、自分はガイドが終わってから反省ばかりだということを伝えると「それがいいんです。反省しなくなったら終わりですよ。私も常に反省することがあります」という答えが返って来たときは「こんな大先輩でも常に反省材料があるんだ」と感銘を受けたことを覚えています。

「他の団体は報告書などないから楽だ」なんて言われた日には、さすがにカチンと来ましたね。そういった人に成長はありませんし、こういった人に限って文句が多い割にスキルが低いものです。よそはよそ、うちはうちです。

名選手、名コーチにあらず

花粉の飛散が始まりましたね。昨日は特にひどかった・・・雨上がりは要注意です。

さて、3月の声を聞くと、高野・熊野特区通訳案内士の口述試験が間近に迫ってきます。

最近の傾向として、問題の内容が1期、2期に比べて難しくなっているせいか、ここ近年の合格率は60%台で推移しています。

私が受けた2期では70%台だったと記憶していますので、段々「狭き門」となって来ている感があります。

現在Mi-Kumanoでは、口述試験対策講座を開催していますが、参加人数が少ないことが功を奏し、よく目が行き届いたおかげで、受講者のレベルが確実に上がってきているという実感があります。

口述試験に特化したものですので、余計な贅肉は一切省き、ひたすら面接形式での訓練をしていますので、終了後、受講者はかなり疲れて帰っていると思います。

何事にも言えることですが、大切なのはやはり目標設定です。

これがぼやけたままだと、受講者も達成感がなく、いくら走ってもゴールが見えないのと同じ状態となり、ただただ苦痛になるだけです。

ですので、まず受講をするにあたって目標を一緒に立てて、その目標に向かって一緒に頑張るようにしています。長いマラソンも、伴走し、励まし、給水してあげれば精神的にも肉体的にも随分と楽になり、完走できる確率が高くなるのと同じです。

目標にも立て方があり、これを間違うとせっかく立てた目標が意味をなさなくなります。

「死ぬ気で頑張る」「必死で頑張る」

これはただの「精神論」であり「目標」ではありません。

また、「口述試験に合格する」は受験者なら当たり前に持つ目標ですので、「合格するためには自分に何が必要か」をはっきり認識し、数値化することが大切です。数値化は何においても非常に重要で、継続する意思を持ち続けるためには必須事項です。

すでに受講者はその数値をクリアしていますので、あとはそれをより確実にしていく「仕上げ作業」をし、万全の態勢で臨む準備ができています。

また、客観的に自分を見てもらうことで、自分では気付けなかった弱点も洗い出せ、修正することができるので、穴を限りなく小さくすることができます。

今年はこれが初めての試みでしたが、年を追うごとにその内容は充実したものになると思います。

来年受けられる方は是非、この講座を検討に入れてみてください。

下手な英会話の教室に行くよりよっぽど効果があると思いますよ。わたしの英語のレベルはさておき(笑)

ぶっちゃけ、ある一定のレベルがあれば、あとは「教え方」だと思います。

極端な例では、某高校のダンス部は毎年全国優勝するほどの実力校ですが、監督はダンス経験ゼロで就任し、そこから全国一に導いた「実力者」です。逆に、わたしが講習で習った武道の先生は、大会では優勝するほどの実力者でしたが、教え方が下手で、結局何を教えたかったのか混乱したまま不完全燃焼で終わったことがありました。

「名選手、名コーチにあらず」です。

英語の世界も同じだと思います。いくら英語が出来ても、教えるのが下手な人から教わって上手くなるはずはありません。それがたとえネイティブでもです。

今、私は日本語教育の講座に通っていますが、日本語の教え方を教わることで、それが確信へと変わりました。

私たちは当たり前に日常生活の中で日本語を話せ、理解できます。しかし、きちんと教え方を知らないと外国人に日本語を教えることができないのと同じです。

例を挙げましょう。

1.教室「を」出る。

2.弁当「を」食べる。

私たちは何の疑いもなく「を」を助詞として使いますし、国語の授業で習うこともありません。でも、習慣的に「を」を当然として使います。しかし、外国人には「なぜ両方に『を』を使うのか?」が理解できないそうです。この使い方をはっきり説明できなければ、外国人は「迷宮」に入ってしまいます。

何かを誰かに習う際には、教え方を熟知している講師を慎重に選ぶ必要があると思います。

ご参考にされてください。

p.s.

昨日、おとといと日本人の方をご案内させていただきました。全国通訳案内士さんで、今度熊野古道を案内することになり、コースの下見と知識の吸収に来られたそうです。それを聞いたとたん、「研修モード」に入ってしまいました(笑)

こういった「本気の人」は大好きです。

ツアーの成功をお祈りしております。

目的の所在はどこですか?

厳しい寒さもようやくひと段落し、春めいてきましたね。

遅れていた梅の開花も進み、少し遅い春がようやくここ南紀に訪れようとしています。ガイドとしてはこの時季は閑散期ですが、団体代表としては将来のことをじっくり考え、実行に移す最大のチャンスでもあります。今後どうなっていくのか、是非温かく見守っていただけたらと思います。

さて、先日2月10日のスキルアップ研修を以って、現場研修すべてを終えることができました。

とにかく事故もなく無事に終わってホッとしています。

今回は他の言語が追加されたということで参加者も増え、各研修40名ほどの参加がありました。

40名もいれば様々な人もいるわけで、常に列の先頭でわたしと話をしながら歩く方もいれば、中には説明も聞かず一体何をしに来たのかよくわからない人もいましたね。

ただ、一通りの研修を終えてひとつ気になったのが、「しっかりと目的を持って参加しているのか?」ということです。目的を設定しないまま研修に参加して「ああ、楽しかったな」で終わってしまえば何の価値もありません。

「○○について分からないから、それをはっきりさせたい」とか、「距離や所要時間が分からないから今日はそれを把握しよう」とか、「講師のいいところ、悪いところを見て今後の自分のガイドに活かしたい」など、しっかりと目的を持つことが必要です。

同じように、研修の最後にお話させていただきましたが、ガイドを通して何をしたいのかを是非考えていただけたらと思います。

このブログの一番最初の記事にも書かせていただきましたが、ガイドを通して自分は何をしたいのかを明確にさせることが大切です。ガイドになることは、その気があれば誰でもなれる可能性はあります。ただ、それを今後どう活かしていくかが最も重要で、ガイドになることを目的としてしまっていれば、必ず将来消滅してしまうでしょう。

ですので、目的の所在をはっきりとさせておくことが重要です。

「自分は本宮まで行きたい」という人は、その手段を探し、バスに乗って本宮にたどり着くことができます。

目的を持っていない人は、行き先の分からないバスに乗るようなものです。絶対に目的地にはたどり着くことはできません。

これからガイドを目指す方は、是非このことを念頭においてください。

天皇陛下(お客様からの質問)

前回の更新から約1カ月、更新も放置状態となりましたが、12月も近くなり、繁忙期もそろそろ終わりに近づいてきました。12月~2月にかけては、熊野古道のガイドには文字通り「冬の時代」がやってきます。

この時期をいかに乗り切るかが最大の課題でもあります。

さて、先日あるお客様から、天皇についてたくさんの質問を受けました。

その中かからいくつかピックアップしたいと思います(以下の内容をすべてお伝えしたわけではありません)

■天皇ってどんな存在?

これは日本人でもうまく答えられないのではないでしょうか?

学校ではただ単に「日本国の象徴」としか教えられていませんし。

「象徴」と漠然と言われても子供心に「ふーん」って程度にしか理解していなかったので、大人になるまで、それもここ数年前まで納得のいく答えを見つけることができませんでした。というか、知ろうとしていなかったからですが。これは日本国憲法がGHQによって作成された際「Symbol」という記述をそのまま「象徴」と翻訳したために起こった現象です。

では、天皇陛下とはどんな存在なのか?

一言でいうと「神道の頂点に立つ祭祀王」であり、「祈りの存在」です。

陛下は今でも毎日、国民の幸福・平和を祈り続けておられます。

遠い昔、人々の間には争い事や邪気をぶつけ合うことなどもなく、神の恵みに感謝をし、お互いが和の精神で協力し合う平和な時代がありました。

人々は完璧な清廉潔白であったわけではなく、もちろん善を行うための「磨き砂」として少しの邪気は持ち合わせていましたが、それをうまくコントロールしていたそうです。

しかし、邪気は正の感情の何倍もの強いエネルギーを持っており簡単に増幅してしまう力があります。いつしか、人々の心は神から遠くなり、我欲を持つ人間が多く現れ、邪気をぶつけ合うまでになりました。神は、このままでは人々が神から遠のき、邪気に満ちた世界になってしまうことを危惧され、神と交信のできる人間を遣い、人々の心を正しい方向へと導く存在を世に降ろされました。

それが天皇陛下です。

それでも、歴史的には政治的に利用されたり、暗殺されたり、現在では本当に象徴としか、あえて言葉を悪く言えば飾りになっている感も否めません。そういった状況からか、「天皇は必要ない」という人まで現れ始めました。ただ、ここで勘違いしないでいただきたいのは、元来の天皇の能力を封印させてしまったのは、我々の負の感情・邪気だということです。

■女系天皇ではダメなの?

ダメです。

一見、女系天皇を容認しないのは女性差別と捉えられるかもしれませんが、実際には男性が差別?されているといっていいでしょう。

その証拠に、一般女性は皇族の方々と結婚し、皇族の一員となることができますが、一般男性にはそれは一切許されていません。そこで血統が変わってしまうからです。
血統が変わることは、国号が変わることを意味します。

女性天皇がいらしたことは事実ですが、それは男系の女性天皇であって、女系ではありません。
あくまでも即位した天皇が幼い間の中継ぎであり、結婚さえも許されていませんでした。なので、全員一般男性と結婚はしておりません。

ここで「天照大神は女性なのに?」とおっしゃる方がいますが、はっきりと「天照は女性である」という記述は、日本書紀には「姉」と書かれてはいますが、それが正しいとは限りません。
歴史書は、その時の政権によってつごうのいいように書き換えられるのが常です。
ホツマツタヱが偽書と言う前に、日本書紀や古事記の真偽について語られないのはおかしいと思います。

そのホツマツタヱでは、天照大神(ホツマツタヱでは「アマテル」)はれっきとした男性であり、12人の皇后がいたと書かれています。

また、「アマカミ」とは、国を司る人物の称号であって、現在「天照大神」として広く知られている神様はその8代目アマカミにあたる人物だったそうです。

そして、素戔嗚尊と天照大神の誓約(うけい)の場面ですが、ホツマツタヱでは素戔嗚尊とワカヒメになっています。
ワカヒメとは、イザナギ・イザナミの第一子で、アマテルの姉にあたります。
アマテルの姉に当たるということは当然、素戔嗚尊の姉にもあたります。
ホツマツタヱではワカヒメなのに、日本書紀や古事記ではなぜか天照大神になっています。
ここが、「天照大神は女性」とされた大きな理由だと思います。

「それでも」とおっしゃる方は、伊勢の神宮に奉納されている衣装がすべて男性用だということについてどう説明されますか?

■もし、後継者が今後女性しかいなくなった場合はどうなるの?

時としてこういった難しい質問をされるかたがいらっしゃいますが、本当に素朴な疑問ですよね。

「私の意見として」という前置きをして、過去にGHQによって分離させられた11の宮家を復活させるのが一番だと思いますとお答えしました。

ただ、すでに一般社会の人間となってしまった方々が、皇族復帰を望まれるのかどうかはわかりませんが。

 

以前にも書きましたが、日本は世界の親国であり、天皇陛下はその頂点に立たれているお方です。

その天皇家がなくなれば日本もなくなり、世界がなくなることを意味します。

現在は「象徴」としか認識されていませんが、それでも陛下は日々、私たちの平和、国の安寧を祈り続けられており、その姿勢は歴代天皇と変わりはないはずです。様々な危機を乗り越えながら、万世一系で126代も続いた国は日本より他はありません。これを偶然と言えるでしょうか?それほど天皇家は重要な存在で神によって守られているとしか思えません。また、その国に生まれた私たちも重要な役割を担っていることを自覚し、世界を平和に導くことができるよう、邪気をぶつけ合うことなく、和を以って世界の模範となることが世界平和へのカギとなるのではないでしょうか?

私たちも、天皇家が未来永劫続くよう、祈り続けることが大切だと私は思います。

時間を守ってもらうには?

台風が近づいていますね。

その影響でスケジュールが前倒しになり、手配に四苦八苦しました。

さて、海外のお客様、特に南国のお客様は時間の感覚が私たちと全く違い、彼らと一緒にいると、こちらまでそのペースに巻き込まれがちになります。

遅刻なんてしても悪びれることなく、それどころか当たり前です。

日本でもそうですが、いわゆる「○○時間」と言われるものがありますよね?私の住んでいた場所も「湯崎時間」というものがあり、仮に集合が夜7時だとすると、だいたいみんなが集まるのが7時30分~8時頃だったりします。それと似ています。

話は逸れますが、以前沖縄に行った時に、お世話になったホテルのご夫婦に朝から色々ともてなしてくれ、約束をしていた時間にどうも間に合いそうにない時間になってきました。

「すみません、ここから○○までどれくらいかかりますか?」

「1時間くらいかな?大丈夫、島時間だから」

と言われ、実際に待ち合わせ場所に遅れて行ってみると(タクシーに道を間違われた)その方も30分の遅刻・・・

島時間、恐るべしです(笑)

外国でも、やはり南方系の国々の方々はそれに近いものがあります。

メキシコ、シンガポール、フィリピン・・・

ただ、あることが予定にあると、時間通りに現れたりします。

それはバスや電車の時間です。

ですので、もし予定にそれが入っているならば、それらを使って「脅し」を掛けることにより、時間を守ってくれるようになったりします。ほんと効果てきめんです。

「明日は○時○分のバスに乗れなければ宿に行けない。タクシーもないので(本宮には現在本当にありません)朝7時30分に出発します」

「明日は○時○分のバスに乗らなければ次は1時間30分後しかないので、必ず8:00に宿を出ます」

というと、ほぼ言うことを聞いてくれます。

中には例外的に超わがままなお客様もいらっしゃいますが、それは稀です。

昨日も「16:30分の新幹線に乗れるように朝8:45分のボートに乗って必ず来てください」というと、

「9:00ではだめ?」

「だめです。乗り遅れたくないでしょう?」

「OK」

と言ってくれましたが、半信半疑でした。これまでの4日間、時間通りに現れたことは一度もなかったので、一応遅れることも想定に入れて時間を決めてはいましたので、「時間通りに現れてくれればラッキー」程度に考えていたのですが、きちんと時間通りに現れました。やればできるやん。5日間のツアー中、時間通りに来てくれたのはこれが最初で最後でしたが。

おかげで新幹線も乗り遅れずに済みました。

もしお客様が遅れがちな方々で、行程にバスや電車の時間があるならこの手を使ってみてください。

しかしこれも、日本の交通機関が時間通りに来るから使える技ですよね。

p.s.

先日のスイスのお客様は、私が30分前に待ち合わせ場所に行くと、すでに来てくれていました。

さすが日本とならんでpunctualな国の方々ですね。