「知っている」だけではガイドはできない

「人生では、知識より体得を重視する」ということも大切な原理原則です。

これは、言い換えれば「知っている」ことと「できる」ということはかならずしもイコールということではない。

稲盛 和夫

いくら頭で勉強して分かっていても、それは「分かっているつもり」であり、実践しないと本当の意味で「分かった」「できる」ということにはならないということです。

稲盛さんはこうも言っておられます。

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セラミックスの合成にしても、この原料とこの原料を混ぜて何度で焼けば、このようなセラミックスが出来上がるということは本を読めば分かります。

しかし、その理論通りにやってみても思い通りのものはできません。

現場で何度も経験を積むうちに次第に真髄が把握できる。

知識に経験が加わって初めて、物事は「できる」ようになるのです。

それまでは単に「知っている」にすぎない。

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ガイドにも同じことが言えます。

単に「知っている」だけで「ガイドができる」というわけではありません。

ガイドとは知識を売る仕事ですが、その知識をお客様にどのように伝えるのか、それは現場でこそ培われるものであると私は思っています。

説明一つを取っても、この場所ならどのくらいの音量で、どこを向いて、どこに立って、どうやって資料を見せながら、どれくらいの長さで、分かりやすく、他の歩行者の迷惑にならないようにするように配慮をして・・・ということなどは、現場でやってみて初めて体得できるものです。

その配慮がなく、ただ単に自分の思うように説明だけをしているのは、言葉は悪いですがボランティアガイドの域です(ボランティアガイドさんのことを悪く言うつもりはありませんよ)

そしてもちろん、自分の持っている知識をアウトプット(言語化)ができて初めて「できる」と言えることはいうまでもありません。

資料を読んだり、説明を聞いたりしただけで「研修が終わった」と勘違いされている方がいますが、本番はそこからです。

一度自分でアウトプットをしてもらえれば分かりますが、自分が思ったよりも理解できていないことに気づくはずです。

また、アウトプットすることによって、自分が学習したところの穴が分かるようになります。
理解があやふやなところは言語化できませんので、アウトプットは欠かせません。