目先の少額を取るか、長期的利益を取るか

寒い日が続きますね。

わたしは年末に体調を崩してしまいました。

シーズンが終わって気が抜けたんでしょうね。

さて、今日は「目先の少額を取るか、長期的利益を取るか」のお話をしたいと思います。

みなさんの中で、どのガイド団体に入ろうか考える時に、入会金と年会費を考慮に入れる方がいらっしゃるかと思います。

うちの入会金はともかく、年会費については決して安くはないと思います。

ただ、入会基準を単に「こっちの方が安いから」と考えるのは必ずしも得をするとは限りません。

仮にガイド団体のA年会費を12000円、ガイド団体Bを3000円としたとします。

そして、いずれも年度変わりを3月とし、年度が変われば新たに年会費を納めなくてはならないとします。

これだけを見るとBの方が得だと感じるかもしれません。

しかし、この場合はどうでしょう?

Aは年度の途中で入会すれば月割計算、Bは年度中のいつ入会しても3000円。

仮に1月に入会すれば、Aは2000円、Bは3000円となりますよね?

「でも、年度が変わればAは12000円を払わなくてはいけないのではないか?」という声が聞こえてきそうですね。

今年1月に入会したとすると、来年3月までの年会費は、

Aは2000円+12000円=14000円

B=3000円+3000円=6000円

が必要となり、その差額は8000円です。

では、次に年間に現場研修がAB各5回あるとします。

Aに入会すれば研修費用が無料、Bは1回ごとに2000円必要とすると、Bの場合すべてに参加すればそれだけで年間1万円が必要になるので、年会費を足した年間費用は

A=14000円

B=16000円

ここでBの方が2000円高くなってしまいます。

「でも、研修に出なければその金額は必要ないですよね?」

という声がまたしても聞こえてきそうですが・・・

プロによる現場研修は絶対に必要ですし、実際にお客様を案内できるようになるまでは相当時間が掛かる上、経験値の少なさはそのままガイドスキルに直結します。

もちろん研修でもある程度のスキル向上は望めますが、研修ばかりでは頭でっかちになるばかりで、現場で必要な対応能力は磨かれません。いろんな人間がいるように、お客様も千差万別で様々な対応が要求されますし、質問も似通ってはきますが、この3年で述べ300回以上の経験がある私でさえ、お客様からの突拍子な内容の質問に悩まされる時があります。ガイドはただ単に説明ポイントで流暢に説明さえできればいいというものではありません。研修と実践は別物です。

また、依頼件数を増やそうと考えているなら、案内できるコースを増やすことが必要になってきます。そうなると、現場研修をその分多く受ける必要があります。

さらに、1件1万円の仕事の依頼件数が、Aは年間10回、Bが年間3回だとするとどうでしょうか?

こういったことを考えると、目先の年会費の安さだけを基準に考えることは危険だということです。

ですので、入会される際には入会金・年会費と合わせて、研修にかかる費用、仕事の依頼頻度、ガイドの依頼方法なども考慮に入れ、長期的・総合的に考えたらどうなるか?を考慮に入れるといいと思います。

「入会はしたけど、ほとんど仕事が回ってこない」ということがないようにしてくださいね。

特に、同じエリアで同じような活動をしている団体に入会すれば、「鞍替え」は非常に難しいと思います。

以上をよく考えた上で入会するようにしてくださいね。

あ、ちなみに、上記の設定金額は、分かりやすいように設定したものなので架空のものです。うちの年会費は12000円ではありません(笑)

p.s.

Mi-Kumanoでは、同じエリアで、日本語以外の言語で、同じような活動をする団体との掛け持ちは禁止しています。当たり前ですよね?

ただし、性質やエリアの違う団体、たとえば日本語の語り部団体、ジオガイドの団体、高野山で活動している団体や他の通訳案内士の団体などとの掛け持ちはOKです。どうも勘違いされている方がいるようなのでお知らせしておきます。

記事のパスワード保護について

あけましておめでとうございます。

このブログを読んでくださった方、昨年はありがとうございました。
今年も有益な記事を更新していく予定ですので、どうぞよろしくお願いいたします。

さて、本日は発心門王子~本宮大社間を友人たちと初歩きしてきました。
時折雪がちらつく中のウォーキングでしたが、仕事とはまた違った雰囲気を楽しむことができました。
・・・まぁ、結局は案内になってしまったんですがね。

古道のハイカーはまばらでしたが、本宮大社は長蛇の列だったので、本殿参拝は諦めました。
昼食を取るにもレストランでは席が空くまで待たなければならず、いつもとは違った本宮を見ることができました。

いつも三が日は避けていましたので、今回が「本宮の正月初体験」でした。

本題です。
昨年から「ガイドをするにあたって気をつけること」と題して数回に分けて掲載している記事を、本日を以って「パスワード保護」にします。
というのも、掲載中の記事は、私が執筆した電子書籍「熊野古道英語ガイドが行く」の内容が含まれているので、お金を出して書籍を買っていただいた方にその価値を正しく提供したいと考えたからです。

ですので、上記記事の内容をお読みになりたい方は、ぜひ書籍をご購入ください(校正作業をしたため、販売は1月5日以降になろうかと思います)

パスワードは基本的にお教えいたしません。

ただし、書籍と関係のない内容につきましては、従来通りいつでも閲覧可能です。

どうぞよろしくお願いいたします。

ガイドをするにあたって気をつけること④

9.天気予報は翌日やその先の分まで必ずチェック

熊野古道の案内は自然が相手です。

お客様も天気についてはかなり気にされていますし、晴れている日はお客様のテンションも高く、気持ちよく案内ができます。

私の中では「晴れならすでに70%成功」と考えているくらい重要なものです。

また、こちらの正確な天気予報を知る手段を知らないお客様は、翌日以降の天気もよく質問されます。

私は日本気象協会のアプリ「tenki.jp」で確認し、お客様にお知らせするようにしています。

ピンポイントの天気予報を見ることができるだけでなく、1時間おきの天気や雨量、風向・風力なども確認できます。

https://tenki.jp/

アプリもありますので、ダウンロードしておくといいでしょう。

ただ、天気予報はご存知の通り目まぐるしく変わりますので、「今の時点では」と前置きをして、結びに「天気予報はよく変わりますからね」と、ちょっと逃げ道を作っておくといいです。

10.宿のチェックイン時間や情報を把握しておく

お客様の関心事の中に宿があります。

自分が泊まったことがある宿なら、その経験を元にお伝えできますが、そうでない場合がほとんどです。

私は、電話で聞いたり、下見がてらにお客様が泊まる予定の宿に立ち寄り、少し中を見せていただいたり、オーナーさんと話をしたりして情報を入手しています。

まだ、行ったことがない宿もありますが・・・

温泉が好きなお客様が多いので、私の場合、温泉の有無や、送迎の有無の確認などをすることが多いです。送迎を対応しているところは、どのエリアまで可能なのかも併せて聞くようにしています。

また、夕食時間や、最終チェックイン時間が決められている宿もありますので、それに間に合うように案内しないといけません。

特に南国のお客様を案内する時は要注意です。

私は一度、その宿に最終チェックイン時間があることを知らず、5分遅れてお連れしたところ、えらく叱られたことがありました。

私が確認を怠ったために起きたことです。

そこがどことは言いませんが、お客様の評判はよろしくないですがね。

11.絶えず笑顔で

世界共通のコミュニケーション手段、それは「笑顔」です。

笑顔の力はもうここで説明する必要はないでしょうが、笑顔は人を元気付け、楽しませ、お互いの距離をぐっと近づける最高の手段です。

「笑う門には福来る」と言いますが、本当にそう思います。

是非、お客様と話をする時には笑顔を心がけてください。

特に気をつけたいのは、相手の言ったことが聞き取れなかった時です。

「は?」と眉間にしわを寄せて聞くと相手に威圧感を与えますよね。

逆に「すみません、もう一度お願いしていいですか?」と笑顔で聞き返すのとでは、印象は全く違ったものになります。

私はいちいちそこまで丁寧に聞き返すことはあまりないですが、「Sorry?」を笑顔と一緒に聞き返すようにしています。

ただ、「Sorry?」はお客様が一度言ったことをもう一度最初から言わせることになりますので、あまり「Sorry?」を多用すると、お客様に一から何度も言わせることになります。

なのでわたしは、聞き取れた部分を繰り返し、そのあとで「Sorry?」を付け加えて聞くようにしています。

12.現場100

これは大先輩語り部さんから教えていただいた言葉です。

その方は日本語の語り部さんですが、私なんかより遥かに経験も豊富で、たくさんの苦労もされています。

私は各コースに100回ずつ出ている自信はありませんが、同じコースでも歩くたびに新たな発見があり、また、いかに人間の記憶力が頼りないものなのかを知ることができます。

コースを熟知することは、こと熊野古道では必須です。

特にリタイヤポイントや危険箇所、ある地点からある地点までの距離とその所要時間は、なかなか地図とにらめっこしても覚えられるものではありません。

また、熊野古道を案内する場合において、所要時間の目安の計算の方法などもあります。

現場を知ることは、熊野古道ではなくても必要なことでしょう。

現場を知ればそこが「得意分野」となり、自分の強みにもなります。

13.プランBは必ず用意

自然が相手のガイドをする場合、荒天でやむなく行程を変更せざるを得ないことがあります。

また、お客様のコンディションで変更する場合もあります。

お客様が歩きたくても、それに見合う体力がないとこちらが判断した時は、代替案を提案することもあります。

そんな時のために「このプランであればどんな代替案が考えられるか?」を考えて、代替案を用意しておくと、いざという時にあたふたしなくて済みます。

分からなければ、先輩や宿泊先のオーナーさんに聞いてみるなどして考えます。

もちろん、旅行会社が間に入っている場合は、代替案を実行する前に連絡を入れて了承をもらっておく必要があります。

勝手な変更は避けてください。

やってはいけないことは、お客様の要望に合わせて行程を変更し、自分が案内したことのないコースを案内することです。

これは危険です。

いかにお客様の要望でも、自分が案内したことのないところ、特に知らないルートを歩くことは絶対にやめてください。

そしてそれをお客様に正直に伝えてください。

いかがだったでしょうか?

まだまだ気をつけるべきことがあるかもしれませんが、おおむねこういったところに気をつけていれば、お客様からの評価も上がるかと思います。

一番はじめにも書きましたが、すべては経験からです。たくさん経験を積むことで自分のスキルも向上します。

「いや、自分はまだまだ・・・」なんて言っていたら、いつまでたっても研修のみの頭でっかちになってしまいますよ。

14.時には厳しく

これは国籍を問わず全世界共通だと思いますが、「あ、こいつは頼りないな」とか「こいつは何を言っても怒らないな」と相手が判断すると、舐めてかかってくる人がいます。

言い方は乱暴ですが、子供と一緒です。

一旦そうなると、もはやこちらの言うことは聞いてくれなくなり、主導権が相手に移ってしまいます。

その前に、「ここは引き下がってはいけない」と思ったところは厳しくいかなければいけません。

ここで誤解をしていただいては困るので敢えて言いますが、何も口論をしろということではありません。

相手が頭に乗って来る瞬間に釘を刺す・・・平たく言えばそんなところです。

たとえば、朝の出発時間をどうしても遅らせることができない状況で、ダメ元で遅らせることができないかを言ってくる人がいます。

あるいは、行程的に無理な要望を言ってくる人。

一番行程を理解しているのはガイドですから、その立場をお客様側に握られて振り回されないようにしなければいけません。

それをされて一番困るのはあなたです。

ダメなことははっきり「No」と言い、その他は笑顔を心がける。

「アメとムチ」を上手に使い分けることも必要だなと、最近思うようになってきました。

ガイドをするにあたって気をつけること③

5.すべてのお客様にまんべんなく話す

よくしゃべるお客様がいらっしゃいます。そういったお客様は、冗談を言ってその場を和ませてくれたり、たくさんの楽しい話をしてくれたりしますので、私は好きです。

ただし、そこで注意すべきことがあります。

それは、そのお客様とばかり話してしまいがちになるということです。

ある語り部さんから聞いた話では「あの語り部は特定のお客さんとしか話さない」というクレームが入ったことがあったそうです。

語り部さんは、お客様からの矢継ぎ早に尋ねてくる質問に一生懸命答えていただけなのですが、そういった場合は「今こんな質問が出ましたのでお答えします」と言って、みんなに聞いてもらうようにしているそうです。

私も毎回ではないですが、時間の許す限りそれを使っています。

 

また、熊野古道の案内は基本的にFITが多く、人数は多くても5~6名なので、お客様の前で説明する際には、全員の目を見ながらまんべんなく話すことが必要です。

あなたも経験があると思いますが、何人かで話をしていて誰かが話を始めた時、一人の人ばかりを見て話す人がいます。

一方、そこにいる人全員に目配せをしながら話す人もいます。

後者の方が明らかに話者の話を聞く姿勢を取るはずです。

なぜなら、自分にも話をしてくれていると感じるからです。

道中で説明ポイントがない場合には、世間話やお客様についての質問、私自身の話などをしますが、その時は可能な限りすべてのお客様と話をするように心がけています。

そうすることによって、「あなたは私の大切なお客様ですよ」という意識付けができ、信頼関係も生まれ、好感度も上がります。

 

6.知識もまんべんなく

人には「得意分野」というものが誰しもあります。

それは知識においても同じで、私の場合は神道の神々や神社仏閣の参拝作法、昆虫をはじめとする生き物については得意分野です。おそらく昆虫についてはそこら辺の人には負けないでしょう。

これが他の人になると、植物や花だったり、歴史だったり、仏様の話だったりするわけですが、やってはいけないことは「知らない分野を作る」ということです。

中には「私は、○○は苦手だからそこは一切説明しない」と自慢げに言っている人もいますが、ガイドとしては恥ずかしいことであり、公表するべきことではないことです。

仮にそれが自分のよく案内しているコースであればなおさらです。

怠惰以外の何物でもありません。

また、お客様の質問も自分の知識を高めてくれる重要な要素です。

うまく答えられなかったことは帰ってから調べ、次に同じ質問が出た時にはうまく説明できるようにすることが、自分のスキルを高める一番の方法です。

「終わったー。やれやれ」で終わっている人に、つまずきはあっても成長はありません。

 

7.時間厳守

外国のお客様はおおむね時間にルーズです。

日本人のように「5分前精神」なんてものは存在しません。

朝の出発時間が遅れることはザラにあります。

特に南国の方々(フィリピン、シンガポール、メキシコ等)はその傾向が顕著にみられ、その方々を案内しているとゆったりとした時間の世界に引きずり込まれがちになります。

そこで、最終バスの時間や、宿の最終チェックイン時間がある場合は、まず一日の始めにスケジュールを説明する際に「○時○分が最終のバスですので、これに間に合うようにしなければいけません」と釘を刺しておく必要があります。

そうすることでお客様の中で時間に対する意識が生まれ「今私たちは遅れている?」とお客様の方から質問してくるようになります。

どの国の方もバスや電車に乗り遅れるのは嫌ですからね。

ガイドの遅刻は論外です。

 

8.公共交通機関は必ず把握

熊野古道のガイドの強みとして、公共交通機関に強いという面があります。

バスや電車の時刻、タクシー事情・・・

最低限自分の案内するコースはもちろん、お客様の翌日以降の行程の情報を入手しているなら、お客様の身になって、どうすれば目的地に行けるのかを考えておけば、突然の質問にあたふたしなくて済むようになります。

また、時刻表はスマートフォンに入れるのではなく、プリントアウトしてすぐに見ることができるよう、ファイルに入れて持ち歩くといいです。

いちいちスマートフォンで検索をしながら確認することは「スマート」とは言えません。

また、一年に一度のサイクルで時刻表が変わる場合がありますので、特に3月は注意が必要です。

自分の持っていた時刻表が古くてバスに乗り遅れた・・・なんてことがないようにしたいものです。

 

ガイドをするにあたって気をつけること②

3.自分ばかりしゃべらない

これは特に初心者の方や、普段人の話を聞かない人が陥りやすいことですが、ガイドは「知識を売る仕事」であると同時に「お客様とコミュニケーションを図る仕事」でもあります。

知識だけを知りたいのであれば「Self Guided」で事が足ります。

ガイドは、自分の持っている知識をすべて発表する場ではありません。

ベテランの人でさえ、そういった方が見受けられます。

話した本人は満足気ですが、終始聞いている方は最後には聞く気力が残っていませんでした。

 

人は自分の話をすることは好きですが、人の話を聞くことは苦手です。

 

お客様も同じで、こちらが一方的にしゃべってしまうと、お客様は疲れてしまいます。

説明中にクイズを入れたり、道中はお客様のことについて質問したりするなどして、双方をバランス良くし、お客様を飽きさせない工夫をする必要があります。

お客様自身のことを質問し、その話を聞くことによって「このガイドは私の話を聞いてくれるし、興味を持ってくれている」と気分を良くします。

そうすると、こちらの話も聞いてくれるようになります。

また、相槌も重要です。

お客様が言った単語を繰り返すだけでも効果があります。

さらに、聞いた話を要約して確認を取ることができればなおいいです。

たとえば「うちの息子は結婚して今サンフランシスコにいるんだ」と聞けば、「息子さんはサンフランシスコにいるんですね」といった具合です。

これをすることで「このガイドは私の言っていることを分かってくれている」と、さらに気分を良くします。

ここで注意しなければならないことが2つあります。

 

一つ目は、お客様の話を最後まで聞くこと。

話を聞かない人の傾向として、人が話している最中に強引に中断して自分の話題を始める人がいます。しまいには自分が言いたかった話からはるかに遠ざかってしまい、元の話題に戻ることができなくなってしまいます。これをされると、された側は「私の話はどうでもいいのか」と思い、心を閉ざしてしまいます。

人は結論を言う前に、その前振りの話をします。

その結論を言う前に話を遮られた経験のある方ならお分かりかと思いますが、それをされるとものすごく気分が悪くなります。

せっかくこの話をして相手を喜ばせてあげよう、自分のことを知ってもらおうと思ってくれている気持ちを踏みにじることになり、それと同時にお客様と打ち解けるチャンスまで摘み取ってしまいます。

中には聞いているうちに結論が分かってしまう場合がありますが、その時も一緒です。

お客様が言う前に結論を言ってしまうのは言語道断です。

話は最後まで聞きましょう。

 

二つ目はお客様の仕事についてです。

私は、お客様自身から仕事の話をしない限りは、お客様がしている仕事についての質問はしないようにしています。

なぜなら、中には仕事を忘れて来ている方がいらっしゃるからです。

現実から離れて今を楽しんでいるお客様がいらっしゃることを頭の片隅に入れておいてください。

 

4.お客様の間違いを指摘しない

あなたは、人の間違いをチクチク指摘してくる人をどう思いますか?

お客様は楽しみに来られているのであって、教育を受けに来ているわけではありません。

お客様が間違ったことを言っていても、また、自分の意見と違うことを言ったとしても、それを正してはいけません。議論なんてもってのほかです。

私たち人間は自尊心の塊です。それはもちろんお客様にもありますので、間違いを指摘されることで、たとえそれが本当に間違っていたとしてもお客様は気分を害されます。

人は間違いを指摘されることが嫌いです。

間違いを指摘されることにより自尊心が傷つけられ、やはりお客様は心を閉ざしてしまいます。

また、たとえ議論で相手を論破しても、相手は納得しているようで絶対にしていません。そこでは納得したように振舞っていても、自分の考えは曲げてはいません。

それどころか、相手は自尊心を著しく傷つけられ、あなたに対して反感を持つこととなるでしょう。議論は何も生みません。時間の無駄になるばかりでなく、お客様の気持ちも離してしまいます。

このことは、お客様にだけではなく、普段の生活においても同じことが言えます。

 

誤解を招かないように言わなければなりませんが、これはお客様との会話の中でのお話であって、もちろん翌日の集合時間や乗るべきバス停など、絶対に正さなければならないことははっきりと言う必要がありますし、自分が説明したことについて、お客様が確認を取るように質問をしてくる場合があります。この場合は、お客様は正しいことを知ろうとされているということですので、やんわりと正してあげると良いです。

 

また、自分の知識を話そうとされるお客様がいらっしゃいます。

そんな場合も最後まで興味深く聞いてあげましょう。

相槌を入れ、時には確認をし、聞き終わったら「教えてくれてありがとう」という気持ちを伝えましょう。

実際、わたしはそれで多くの知識をお客様からいただきました。

それが結果として自分の知識となり、次以降のガイドに活かせることとなります。

仮にそれが自分の方が詳しいものであっても「あ、そのことなら私の方が詳しい」みたいな、上から出るような態度はご法度です。

知識に対して知識で対抗することに意味はありません。

話を聞くことで、たとえそれが自分の得意分野であっても、自分の知らなかったことを聞くことができる場合だってあります。

ガイドをするにあたって気を付けるべきこと

昨日で大きなツアーが終了し、残すは数回のデイガイドのみとなりました。

高野・熊野特区通訳案内士の試験も間近に控え、また、それに向けての現場研修も今月より始まります。

そこで、本日より、数回に分けてガイドとしての心得および試験対策などについてお話しようと思います。

1.すべては経験から

2014年に高野・熊野特区通訳案内士の資格を取得し、その年の11月9日にガイドとしてデビューし、現在までおよそ延べ300組以上をご案内させていただきましたが、机上の勉強だけではガイドとしての成長は絶対にありませんでした。これははっきり言えることです。

私ははっきりいって英語のスキルも高くはありませんので、うまく言えなかった表現を帰ってから復習し、次のガイドの時までに言えるようにしたり、答えられなかった質問を調べて次につなげたり、それら以外でさまざまな失敗やうれしい経験を積んできたからこそ、今の自分があります。

私は良くも悪くも、私は前の代表から背中を押されて(いや、蹴っ飛ばされて?)未熟なままガイドに出されました。

万人にこの方法がいいかというとそうではないと思いますが、結果として私にはこれが良かったのでしょう。

回数を重ねるうちに、ガイドに出ることにためらいがなくなり、自信も湧いてきました。

始めた当時は、前日はロクに眠れず、頭が痛くなるほど緊張していましたが。

ただ、この方法は手荒で、成長までに時間がかかりすぎます。

そして未熟さゆえにたくさんの失敗を重ねてきました。

そのたびに前代表からお咎めを受ける始末・・・

しかし、これがよくも重大な事故につながらなかったものだと、今でも不思議なくらいです。

 

今では、私の経験を元に新人さんにはアドバイスができますので、背中を蹴っ飛ばしたり、泳げないのにプールに放り込んだりという手荒なことはしませんのでご安心を。

きちんと泳ぎ方を教えて泳がせた方が、成長が格段に早いのは当然のことですから。

 

高野・熊野特区通訳案内士の資格や、通訳案内士の資格をお持ちの方の中には、いまだに研修だけに参加したり、ボランティアで案内されたりしている方もいるようです。

もったいない話です。

 

そんな方は、ガイドを始めるための明確な基準は持っておらず、ただ漠然とされている方が多いように思います。

 

私の場合は「蹴っ飛ばされた」ので、当日まで必死でした。

忘れもしない、ガイド人生最初のコースは「発心門王子~本宮大社」でしたが、「現場での練習を5回はする」と決めて現場に行き、うまく説明できなかった部分については家で覚えなおし、次の練習では言えるようにする・・・といった工程を踏んでデビューに至りました。

今想えば、よくもあんなガイドでお金がもらえたものだという程のお粗末な内容でしたが、とにかく一度経験することで、自身にとって大きな一歩となったことは間違いありません。

 

漠然とされている方は、この方法の逆をたどって「このコースを10回練習したらガイドに出る」などと決めてデビューされるのもひとつの方法かと思います。

それを繰り返し、案内できるコースを増やしていけばいいと思います。

「いや、私はまだまだ・・・」なんて言っていたら、いつまでたってもガイドに出ることはできませんよ。

 

2.最優先事項はお客様の安全

ガイドをするにあたり、最優先すべき事項は当然のことながらお客様の安全です。

これをないがしろにする方はいないと思いますが、そこには盲点があるので敢えて記載しました。

こと熊野古道においては歩くたびにコースの状況が変化します。

アスファルト道になったり、上り坂・下り坂、コース上に根が出ていたり、石が転がっていたり、狭くなったり・・・

一番危険なのは下りの石畳です。

特に雨の日や雨上がりには間違いなく滑りやすくなっています。

昔の人はわら草履をはいていたので、雨の日でもそう滑ることはなったでしょうが、トレッキングシューズでは個体差はあれ確実にわら草履よりも滑ります。

以前お客様を案内していた際に、話が盛り上がり、下りの石畳で注意喚起を忘れて下っていました。

石畳も中間あたりに差し掛かったとき、それは起きました。

お客様が滑って肘を強打したのです。

幸い大事には至りませんでしたが、万一骨折でもすれば大問題になっていたでしょう。

特に訴訟が大好きなお国柄のお客様には、特に注意が必要です。

それ以来、石畳や急な下り坂に差し掛かった際には必ず話の途中でも注意喚起をし、下っている間はあえて話をしないで足元に集中してもらうようにしています。

 

あと、やはり自然の中を歩くわけですから、マムシ・ヤマカガシなどの毒蛇や、オオスズメバチ・キイロスズメバチといったアグレッシブなハチがいますので注意が必要です。

以前ある地点に差し掛かったときに、草むらに逃げていくマムシを発見しました。

この場合は、マムシはすでに古道沿いに設置している手すりの向こうにいてお客様との接触の可能性がないことと、頭が古道方向に向いておらず、再び古道には出てこないことが確実だったので、敢えてお客様にはお知らせしませんでした。

これは、お客様にむやみに恐怖心を与えないためです。

お客様の中には、無毒のシマヘビを見ただけで悲鳴を上げるほど怖がる方がいらっしゃいます。もちろんお客様にはそれが毒蛇かどうかなんてわかりませんから怖がるのは当然ですが、生理的に受け付けない方もいらっしゃいます。

それを、わざわざ逃げている最中の蛇を見つけて「毒蛇だから気をつけて」というのは、「注意喚起」どころか単に恐怖心をあおるだけです。

お客様の気持ちも考えて状況に応じて判断することが問われます。

 

ちなみに、私は子供の頃、マムシに咬まれたことがありますが、今もこうして元気に生きています。

 

あと、お客様は道に迷わないか不安があるためにガイドを雇います。

「ここからだとあと何キロで何分」と、コース情報を正確にさらっと言えることは信頼にもつながります。

また、特に熊野古道においては、自分の案内したことのない道は歩かないことです。

「当たり前じゃないか」という声が聞こえてきそうですが、私が言っているのは古道から迂回して別ルートを取る場合です。

以前こんな経験がありました。

雨が降ると川ができ、それが古道を横切っている箇所があります(あなたがエキスパートならそれがどこかわかるはずです)

普段は水流がないので問題なく渡ることができますが、その日は前日の大雨で渡ることが難しく、お客様も「靴を濡らしたくない」とおっしゃったので、迂回路を通ることにしました。

しかし、当時かけだしの私は、「そこを通れば行ける」とは聞いたことはありましたが、実際に通ったことはありませんでした。

お客様には「こっちを歩きましょう」と提案しましたが、不安で不安で仕方ありません。お客様からは「あとどれくらいで古道に入れる?」などと質問を受けますが、もちろん的確に答えることができません。ついに自信がなくなり、結局は舗装された林道(こちらは知っていた)を通って迂回しました。お客様には平謝り。

そういった箇所は、あらかじめ迂回路を実際に歩いて確認することです。

ガイド料金と後継者問題

現在、おかげさまでMi-Kumanoの依頼件数は2014年以降右肩上がりで成長を続けており、ガイドの育成が急務となっています。和歌山県では特区通訳案内士の育成をしていますが、それだけではガイドとしてすぐに使い物にならないため、ライセンスを取得してからお客様を実際にご案内できるまでに相当な時間を要します。これが今私どもが抱えている問題なのですが、これとは別に現在日本語の語り部団体の方からお聞きする中で「後継者が入ってこない」「語り部の高齢化が顕著」という問題があります。

これは育成以前の問題です。

熊野の歴史や民話を、訪れたお客様にご紹介する重要な役割を担う語り部においては、これは由々しき事態です。

では、なぜこのような問題が起こるのか?

その理由の一つにガイド料金の安さが挙げられると思います。

言い方は悪いですが、現地までの交通費と時間、下見やたくさんの事前準備をかけて小遣い稼ぎ程度の報酬しか入らないのであれば、若い世代には魅力的には映らないでしょう。お金がすべてではありませんが、その努力に見合う報酬がなければやる気も起こらないし魅力も感じないですよね。

厳しい言い方ですが、これでは報酬を度外視した、語り部に強い憧れを持った人物しか入っては来ないでしょう。むしろ入って来なくて当然です。若い世代を取り入れたいのであれば、定年退職後の小遣い稼ぎ程度の報酬ではなく、きちんとした報酬を支払える体制作りが必要だと感じます。あまり言うと内政干渉になるのでこれ以上言いませんが。

Mi-Kumanoは後発団体として発足し、地元の語り部団体の皆さまに多大なご理解・ご支援をいただいた経緯もあって、日本人案内の料金でさえも他の語り部団体より高めです。一番安直に依頼件数を伸ばすやり方は他の団体より安く設定することですが、これは頭の悪い人間がやることです。値下げ競争は失業する人を増やすだけで何の得にもなりはしません。わたしはそれをガソリンスタンドで嫌というほど見て来ました。

ガソリンスタンドの仕事はある程度の作業なら誰でもできる仕事ですが、語り部は安全・時間管理、記憶力(知識)、体力、リーダーシップを要しますのでそうはいきません。そのような業界で値下げをすることは、将来を見据えず今の自分たちだけ得をすればいいという愚かな考えから発生するとしか言いようがありません。

外国人の案内となると、当然これに外国語のスキルが求められます。また、外国のお客様は個の主張が強く、コントロールに苦慮することもしばしばですので料金はもっと高めです。当然ですよね。これは、料金を高め(高いとは思っていませんが)に設定することにより、ガイドもそれに見合う案内、向上心を常に心がける動機ともなり、その努力に見合うだけの報酬を支払えるようにするためです。

語り部団体の料金体系と通訳案内士の料金体系の違いもありますが、Mi-Kumano発足当時に語り部団体の料金体系に倣って料金を設定したため、現在でも通訳案内士のレートとは大きく違う部分もありますし、現在でもその歪みに苦慮している部分も確かにあります。本音はもっと料金を上げたいのですが、なかなか今まで懇意にしていただいているお客様には、値上げをお願いすることは非常に難しいです。下げることは簡単ですがね。

また、ガイドだけではなく、事務局の運営費もガイド料から賄わなくてはなりませんので当然その分も加味しなくてはなりません。以前あるお客様から「私がガイドをしていた時は○○円だったよ。Mi-Kumanoさんは高いねぇ」と言われたことがありましたが、これも言い方は悪いですが頭が悪いとしか言いようがありません。「あなたに入った金額が○○円なだけであって、実際事務所はもっともらっているはずだよ」と言いたい。うちも当然ガイド料のすべてがガイドに渡るわけではありませんから。

文句ばかりになってしまいましたが、このブログの趣旨に沿った「本音」の部分でもあります。

p.s.

文句のついでにもう一つ、逆にガイド料について「安い」とか「もう少し考慮して」というガイドに限って、それほどのスキルがないことが多いです。であればもっとスキルを磨いてから言ってくださいね。

天皇陛下(お客様からの質問)

前回の更新から約1カ月、更新も放置状態となりましたが、12月も近くなり、繁忙期もそろそろ終わりに近づいてきました。12月~2月にかけては、熊野古道のガイドには文字通り「冬の時代」がやってきます。

この時期をいかに乗り切るかが最大の課題でもあります。

さて、先日あるお客様から、天皇についてたくさんの質問を受けました。

その中かからいくつかピックアップしたいと思います(以下の内容をすべてお伝えしたわけではありません)

■天皇ってどんな存在?

これは日本人でもうまく答えられないのではないでしょうか?

学校ではただ単に「日本国の象徴」としか教えられていませんし。

「象徴」と漠然と言われても子供心に「ふーん」って程度にしか理解していなかったので、大人になるまで、それもここ数年前まで納得のいく答えを見つけることができませんでした。というか、知ろうとしていなかったからですが。これは日本国憲法がGHQによって作成された際「Symbol」という記述をそのまま「象徴」と翻訳したために起こった現象です。

では、天皇陛下とはどんな存在なのか?

一言でいうと「神道の頂点に立つ祭祀王」であり、「祈りの存在」です。

陛下は今でも毎日、国民の幸福・平和を祈り続けておられます。

遠い昔、人々の間には争い事や邪気をぶつけ合うことなどもなく、神の恵みに感謝をし、お互いが和の精神で協力し合う平和な時代がありました。

人々は完璧な清廉潔白であったわけではなく、もちろん善を行うための「磨き砂」として少しの邪気は持ち合わせていましたが、それをうまくコントロールしていたそうです。

しかし、邪気は正の感情の何倍もの強いエネルギーを持っており簡単に増幅してしまう力があります。いつしか、人々の心は神から遠くなり、我欲を持つ人間が多く現れ、邪気をぶつけ合うまでになりました。神は、このままでは人々が神から遠のき、邪気に満ちた世界になってしまうことを危惧され、神と交信のできる人間を遣い、人々の心を正しい方向へと導く存在を世に降ろされました。

それが天皇陛下です。

それでも、歴史的には政治的に利用されたり、暗殺されたり、現在では本当に象徴としか、あえて言葉を悪く言えば飾りになっている感も否めません。そういった状況からか、「天皇は必要ない」という人まで現れ始めました。ただ、ここで勘違いしないでいただきたいのは、元来の天皇の能力を封印させてしまったのは、我々の負の感情・邪気だということです。

■女系天皇ではダメなの?

ダメです。

一見、女系天皇を容認しないのは女性差別と捉えられるかもしれませんが、実際には男性が差別?されているといっていいでしょう。

その証拠に、一般女性は皇族の方々と結婚し、皇族の一員となることができますが、一般男性にはそれは一切許されていません。そこで血統が変わってしまうからです。
血統が変わることは、国号が変わることを意味します。

女性天皇がいらしたことは事実ですが、それは男系の女性天皇であって、女系ではありません。
あくまでも即位した天皇が幼い間の中継ぎであり、結婚さえも許されていませんでした。なので、全員一般男性と結婚はしておりません。

ここで「天照大神は女性なのに?」とおっしゃる方がいますが、はっきりと「天照は女性である」という記述は、日本書紀には「姉」と書かれてはいますが、それが正しいとは限りません。
歴史書は、その時の政権によってつごうのいいように書き換えられるのが常です。
ホツマツタヱが偽書と言う前に、日本書紀や古事記の真偽について語られないのはおかしいと思います。

そのホツマツタヱでは、天照大神(ホツマツタヱでは「アマテル」)はれっきとした男性であり、12人の皇后がいたと書かれています。

また、「アマカミ」とは、国を司る人物の称号であって、現在「天照大神」として広く知られている神様はその8代目アマカミにあたる人物だったそうです。

そして、素戔嗚尊と天照大神の誓約(うけい)の場面ですが、ホツマツタヱでは素戔嗚尊とワカヒメになっています。
ワカヒメとは、イザナギ・イザナミの第一子で、アマテルの姉にあたります。
アマテルの姉に当たるということは当然、素戔嗚尊の姉にもあたります。
ホツマツタヱではワカヒメなのに、日本書紀や古事記ではなぜか天照大神になっています。
ここが、「天照大神は女性」とされた大きな理由だと思います。

「それでも」とおっしゃる方は、伊勢の神宮に奉納されている衣装がすべて男性用だということについてどう説明されますか?

■もし、後継者が今後女性しかいなくなった場合はどうなるの?

時としてこういった難しい質問をされるかたがいらっしゃいますが、本当に素朴な疑問ですよね。

「私の意見として」という前置きをして、過去にGHQによって分離させられた11の宮家を復活させるのが一番だと思いますとお答えしました。

ただ、すでに一般社会の人間となってしまった方々が、皇族復帰を望まれるのかどうかはわかりませんが。

 

以前にも書きましたが、日本は世界の親国であり、天皇陛下はその頂点に立たれているお方です。

その天皇家がなくなれば日本もなくなり、世界がなくなることを意味します。

現在は「象徴」としか認識されていませんが、それでも陛下は日々、私たちの平和、国の安寧を祈り続けられており、その姿勢は歴代天皇と変わりはないはずです。様々な危機を乗り越えながら、万世一系で126代も続いた国は日本より他はありません。これを偶然と言えるでしょうか?それほど天皇家は重要な存在で神によって守られているとしか思えません。また、その国に生まれた私たちも重要な役割を担っていることを自覚し、世界を平和に導くことができるよう、邪気をぶつけ合うことなく、和を以って世界の模範となることが世界平和へのカギとなるのではないでしょうか?

私たちも、天皇家が未来永劫続くよう、祈り続けることが大切だと私は思います。

時間を守ってもらうには?

台風が近づいていますね。

その影響でスケジュールが前倒しになり、手配に四苦八苦しました。

さて、海外のお客様、特に南国のお客様は時間の感覚が私たちと全く違い、彼らと一緒にいると、こちらまでそのペースに巻き込まれがちになります。

遅刻なんてしても悪びれることなく、それどころか当たり前です。

日本でもそうですが、いわゆる「○○時間」と言われるものがありますよね?私の住んでいた場所も「湯崎時間」というものがあり、仮に集合が夜7時だとすると、だいたいみんなが集まるのが7時30分~8時頃だったりします。それと似ています。

話は逸れますが、以前沖縄に行った時に、お世話になったホテルのご夫婦に朝から色々ともてなしてくれ、約束をしていた時間にどうも間に合いそうにない時間になってきました。

「すみません、ここから○○までどれくらいかかりますか?」

「1時間くらいかな?大丈夫、島時間だから」

と言われ、実際に待ち合わせ場所に遅れて行ってみると(タクシーに道を間違われた)その方も30分の遅刻・・・

島時間、恐るべしです(笑)

外国でも、やはり南方系の国々の方々はそれに近いものがあります。

メキシコ、シンガポール、フィリピン・・・

ただ、あることが予定にあると、時間通りに現れたりします。

それはバスや電車の時間です。

ですので、もし予定にそれが入っているならば、それらを使って「脅し」を掛けることにより、時間を守ってくれるようになったりします。ほんと効果てきめんです。

「明日は○時○分のバスに乗れなければ宿に行けない。タクシーもないので(本宮には現在本当にありません)朝7時30分に出発します」

「明日は○時○分のバスに乗らなければ次は1時間30分後しかないので、必ず8:00に宿を出ます」

というと、ほぼ言うことを聞いてくれます。

中には例外的に超わがままなお客様もいらっしゃいますが、それは稀です。

昨日も「16:30分の新幹線に乗れるように朝8:45分のボートに乗って必ず来てください」というと、

「9:00ではだめ?」

「だめです。乗り遅れたくないでしょう?」

「OK」

と言ってくれましたが、半信半疑でした。これまでの4日間、時間通りに現れたことは一度もなかったので、一応遅れることも想定に入れて時間を決めてはいましたので、「時間通りに現れてくれればラッキー」程度に考えていたのですが、きちんと時間通りに現れました。やればできるやん。5日間のツアー中、時間通りに来てくれたのはこれが最初で最後でしたが。

おかげで新幹線も乗り遅れずに済みました。

もしお客様が遅れがちな方々で、行程にバスや電車の時間があるならこの手を使ってみてください。

しかしこれも、日本の交通機関が時間通りに来るから使える技ですよね。

p.s.

先日のスイスのお客様は、私が30分前に待ち合わせ場所に行くと、すでに来てくれていました。

さすが日本とならんでpunctualな国の方々ですね。

トレッキングポールは安全?

ここ熊野では繁忙期を迎え、更新も滞りがちになってしまっております。

さて、今回はトレッキングポール(ウォーキングスティック)の安全性についてお話しようと思います。

最近、当たり前のように使用されているトレッキングポール。特に脚力に自信のない方には、間違いなく足への負担が軽減される代物です。

最近はカーボン製のものも多く販売されていて、持ってみると驚くほどの軽さだったりします。

しかし、私が最近思うことの中の一つとして、「道中で滑って転んだお客様の和田の統計データ」によると、8割以上のお客様が「トレッキングポール支持者」だったりします。

安全なはずのトレッキングポールが、どういうわけか、滑ったお客様の大半を占めている。

確かにスピードの点においては、特に石畳の下り坂では、ポール使用者の歩行スピードが非常に落ちます。それもそうですよね、二足歩行なら自分の注意すべき位置(足を下ろすべき位置)は2点でいいわけで、ポールを両手に持てば「右手に持っているポールをここに、左手はここ、右足はここに下ろして、左足はえっと・・・」みたいな感じになり、こちらが見ていてイライラしてきます。わたしはそもそもポールを一切使わないので、下りの石畳を両手にポールを持って下ったことはありませんが、かえって煩わしいことは想像に難くありません。

しかし、それはスピードの話。滑る滑らないは別の話ですよね?単なる偶然なのか、それとも必然なのか、使わない方が安全なのでは?と疑問になり、今更ながらちょっとネットで調べてみました。

どうやら何でもかんでもポールに頼ることは危険でお勧めできないとのことでした。特に扱いに慣れていない初心者はポールに依存する傾向があり、必要のない場所でも使う傾向があるようです。

石畳の下りは最初からポールをザックにしまってから下りる方がいいのかもしれません。確かに、「ポールを持っていると安全」のような錯覚を起こしますが、ポールが滑った時なんか態勢を立て直すのも難しいのではないかと思います。わたしはバランスを崩した時、フリーになっている両手をフル活用してバランスを取ります。

https://www.yamareco.com/modules/plzXoo/index.php?action=detail&qid=2954

http://www.fujisanpo.com/gear/stock-01.html

また、石畳では石の縁に着地することを心がけ、それが見当たらない場合は滑らないように着地するコツがあります。普通に歩いていては私も絶対に滑ります。あと、意外かもしれませんが、杉の落ち葉はスパイク代わりになるようで案外滑りません。私は結構杉の落ち葉を踏みながら下ります。意外といえばコケの上も実は滑りにくいのですが、コケは一度踏んで削いでしまうと、再生までかなりの時間を要しますので、なるべく踏まないように心がけています。案外コケが生えているようないないような微妙な場所が滑ったりします。

是非ご参考にされてください。

p.s.

先日、龍神バスの運転手さんの「コケの上で滑ってコケないように」とアナウンスを聞いて吹いてしまいました。まさかのダジャレ・・・