試験に受かる勉強法とガイド説明暗記法②

今回はガイド説明暗記法についてお話します。
一応「ガイド説明暗記法」となっていますが、なにか暗記しなくてはならないことがあった場合にも十分使えますので、ガイド以外の方にも参考になると思います。

暗記法も、前回お話した「サイクル回し」の方法と似ています。
前回の記事を読まれていない方は、こちらから読まれることをオススメします。

では早速いきましょう。

説明文をスポットごとにまとめる

記憶をするという作業の前にしておかなければいけないのが、説明文をスポットごとにまとめるという作業です。

説明文を作るのに、様々な情報源から集めてきたものを自分なりにまとめます。
また、書籍や県が発行しているテキスト、田辺市が発行しているガイドブックなどから引用する際には、自分の言いやすい言い回しに直すことをオススメします。

それらは書き言葉で書かれていますので、文章がやや堅いです。
また、自分のいい慣れていないフレーズは覚えにくいものです。

そういった情報源を活用するのであれば、まず読んでから自分の言葉で要約を声に出して話してみて、それを自分の説明文にするといいと思います。
アウトプットすることにより、曖昧に覚えている部分は説明できないことが分かりますので、あなたの理解度を測ることもできます。

順番に暗記をする

次に順番に暗記をします。
ここでは「文章のサイクル回し」をしていきます。
例えば、次のような説明文を覚えるとします。

①Today, we will walk an ancient route that leads to one of Kumano’s important shrines.

②Emperors, samurai, and the wealthy walked this road to receive blessings.

③It was also traveled by the poor, blind and handicapped seeking mercy.

④Some were social outcasts in this life because of their disabilities, but they traveled and prayed for a better lot in the next life.

覚える順番はこのような感じになります。

①を覚えます。

①を覚えたら②に移り、②を覚えます。

②を覚えたら①から②までを暗唱します。


③を覚えます。

③を覚えたら①から③までを暗唱します。

④を覚えます。

④を覚えたら①から④までを暗唱します。

文章で書くとまどろっこしいですが、つまり、一文ずつ覚えていき、覚えたら最初から覚えたところまでを暗唱していくという方法です。
前回の記事の「パートごとに攻略→パートをサイクル回し」にあたるところです。

一ヶ所の説明スポットをひとつのパートをして捉えます。
この工程は、前回の記事のなかでも説明した通り、一番骨が折れるところです。
しかし、次の段階に行くまでの大切な工程ですので、ここが頑張りどころです。

一ヶ所のスポット説明を暗記できれば、次のスポットに進みます。
この段階での目安は7~8割言えるようになることです。
完璧を目指さなくてもかまいません。
この時に、どうしても覚えにくいフレーズがあれば、自分の覚えやすいフレーズにしておきます。

全体をサイクル回し

一ヶ所ずつ覚えていき、最後の説明スポットまでいけば、今度は全体をサイクル回しします。
ここでの作業は、前の工程でほぼ出来上がっていますので、さほど負荷は強くないと思います。
ここではほぼ完璧に覚えることができるようにしておきます。
目安としては9割以上です。

ランダムにサイクル回し

ここからが勉強法とは違う方法が登場します。

順番に説明ができるようになったら、今度はランダムに言えるようにしておきます。

ダイソーで「インデックスカード」というものが売られています。
インデックスカードとは、いわゆる単語帳がバラになったようなものとイメージしていただいたら分かりやすいと思います。

インデックスカードにスポット名を書いておき、トランプを切るようにシャッフルします。
シャッフルしたあと、ランダムになったカードの順番にしたがって説明をしていきます。
最後までいったら、「1サイクル」です。
1サイクルが終われば、またカードを切って同じようにランダムに説明をしていきます。
これで記憶が定着するまでサイクル回しをしていきます。

案外、スポットごとに順番に覚えていくと、前後のスポットの単語やフレーズから記憶をたどって覚えていることが多く、いきなりそのスポットが出てくると言えなくなる場合があります。

ランダムに説明する目的は、前後のスポット説明との関係を断ち切ることにあります。

ではなぜ、そのようなことをする必要があるのでしょうか?

それは、必ずしも、実際のガイドでは自分が用意したテキストの通りに説明することができるというわけではないからです。

たとえば、時間が押してきたり、持ち時間が最初から短かったりで、Aというスポットをスキップしなければならない場合があります。
そうなれば、前後の関係で覚えていては、次のBでの説明が出てこない可能性があります。
その「記憶の連鎖」を切るための作業です。

できれば現場で説明練習を

遠方でなかなかできない人もいると思いますが、できれば仕上げに現場で実際に一人でもいいので説明練習をしてみることをオススメします。

自宅で覚えていても、いざ現場に来て体を動かしながら説明をしてみると、記憶が飛んで出てこないことがあります(本当によくあります)
バスの中で説明する時などはその必要はないと思いますが、熊野古道や神社仏閣の境内などを歩きながら説明するのであれば、やっておいた方が絶対にいいです。

ひとりでブツブツ言っている姿は、周りから「あの人、何やってんのやろ?」というような目で見られることもありますが(笑)

あるいは、友達や知り合いに実際に聞いてもらい、わかりやすかったかなどのフィードバックをもらうことも非常にいいと思います。

自分の音声を録音して聞く

これはベテランの通訳案内士さんから聞いた話ですが、できればやっておいたほうがいいです。

自分の発音のクセや、「案外スラスラ言えていないな」など、自分の説明を客観的に見ることができます。

また、記憶のさらなる定着にも繋がります。

わたしは最近やっていませんが、デビュー当時はよくやっていました。

ひとつのコースにつき1ヶ月

記憶の定着(スラスラ言えるレベルになる)まで、だいたい1ヶ月かかります。
ですので、いきなりあちこち案内するという方法より、まずは一ヶ所を極める方法の方がいいと思います。
そうして徐々に案内できる範囲を広げていけばいいと思います。

また、今回は記憶に特化した内容でしたので、アドリブについては説明をしませんでしたが、ガイドの説明は覚えたことをなぞって話すだけではありません。
予想だにしていなかった質問がお客様から出た時に、自分の持っている知識や考えを駆使してそれを英語に直さなくてはなりません。

なので、自分の日本語での知識のストックを瞬時に英語に訳せるだけの英語のスキルを磨くことも必要となってきます。
記憶しているものを逐一全部英訳してテキストを作ることは、膨大な作業でありオススメできません。
なので、説明の骨子はテキストで覚え、知識の引き出しにあるものは瞬間的に英訳で対応できるようにしておきたいものです。

そして、記憶について絶対言えることは、「テキストを眺めているだけでは絶対に記憶に定着していない」ということです。
眺めてもいいですが、かならずアウトプットする時間を設けてください。

まとめ

今回は、説明文の記憶法についてお話しました。
以下、まとめです。

◯説明文をスポットごとにまとめる

◯順番に暗記をする(スポット内の文章単位でサイクル回し→パート単位でサイクル回し)

◯全体をサイクル回し

◯ランダムにサイクル回し

◯現場で練習

◯自分の音声を録音して聞く

そして、記憶の定着にはそれなりの時間が必要で、目安としては、ひとつのコースにつき約1ヶ月かかります。
「これでもか」という繰り返しが、記憶定着の鍵です。

ご参考にされてください。



俺の話を聞け-ガイドとして慎まなければならない行動-

今回はガイドとして慎まなければならない行動、「俺の話を聞け」についてお話します。

ベテランと初心者が陥りやすい

これを読んでくださっている方は想像できたと思いますが、ガイドとは知識を売る仕事ではありますが、それイコール自分の持っている知識すべてを話さなければならないということではありません。

よくベテランの語り部さんや初心者の方が陥りやすいところなのですが、ベテランの語り部さんでこれに気づいていない方が多いことに正直驚かされます。

来てもらったからには、なるべくこの地域のことを知ってもらおうという気持ちは分からなくはないですが、人間、一度に学習できる能力は限られています。

そうであれば、特に日本のお客様ならまた来てもらうように、「また次回にもう少し深いお話をさせていただきます」などと言って繰り返し来てもらうように仕向けた方がいいように思います。

しかし、海外のお客様はなかなかそういうわけにはいきませんので、悩ましいところではあります。

ベテランさんは特に「俺の話を聞け」というタイプの方が多いように見受けられます。
日本人ならこの方法でもほとんどが黙って聞いてくれると思いますが、海外のお客様は、あからさまに退屈な態度を取ります。
日本人だけを案内していると、日本人の性格の問題と相まってこのことに気づかず、「俺の話を聞け」という方法が「成功例」として固まってしまったのかもしれません。

もちろん、その人の基礎的な知識量によって、話の内容を変えていかなくてはならないことは、日本人でも外国人でも同じです。

ただし例外もあり

ただし、相手に興味のあることだけを話していると、ネタが尽きることが起こります。
その日だけのデイガイドなら大丈夫ですが、同じお客様と3日、4日と一緒にいると、流石に話すことがなくなってきます。

特に長年連れ添った夫婦はやりづらいです。
お互いの会話が少なく、沈黙が多いので気まずい雰囲気になりがちです。

そんな時は、新たな興味を引き出す(または持ってもらう)ために、その土地にまつわる話をすることが多くなります。
いわゆる話題作りです。
そこから話が広がることがあるからです。

逆に、募集型ツアーで集まったお客様は、お客様どうしで会話が弾むことが多く、話題作りの点では、募集型の方がやりやすかったりします(ソリが合わないお客様がいると別の問題で大変になりますが)

学校の先生は要注意

お客様には当然、様々な職種の方がいますが、その中で学校の先生は要注意です。
何が要注意なのかというと、こちらの説明をよく覚えているので、下手なことは言えないという点です。

おそらく、長年教育の現場に携わっている関係からだと思いますが、話を聞きながら要点を整理する能力に長けており、聞き終わったころには自分が説明できるくらいまで要点を整理できている方が多いように思います。
また、不明な点は質問をして解決しようとする意識が強いので、一日のガイドが終わったら、次からそのコースを案内できるのではないかと思うほどの方がいます(笑)

そういった方は、さらに深い内容に入っていけますので、ガイドとしも歯ごたえがある案内になる傾向にあります。

なので、私は先生が大好きです(笑)

おそらく、「俺の話を聞け」タイプの人とも歯車が噛み合うかもしれません。

「俺の話を聞け」タイプは研修講師向き

そんなどうしようも無い「俺の話を聞け」タイプの人が、学校の先生以外でハマるのが研修の講師です。

「名選手、名コーチにあらず」とはよく言ったもので、評価の高いガイドが、研修で高い評価を得られるかというと、必ずしもそうとは限りません。

あなたは、研修終了後、講師が話したことをどれくらい再現できますか?
半分も再現できればかなりいいほうです。
ということは、研修が終了した時点でのあなたの実力は、知識面でいうとそこまでしか出せないということです。
あとは悲しいかな、ほとんどすでに忘れてしまっています。

仮に100の知識を教わったとして、50再現できれば、あなたの知識量は50です。
しかし、50の知識を教わってその半分しか再現できなければ、あなたの知識量は25しか出せないことになります。

もちろん、知識の吸収には個人差がありますが、単純に数字を見てお分かりのように、研修では大量のインプットが必要です。

そのインプットの量が少ない研修では、自ずと得られる知識も少なくなってしまいます。

「評価が高い」というのは、知識の他にもエンターテインメント性があったり、人柄が良かったりといった評価も加味されますが、研修ではそれらは参考にはなれど、すべての人に当てはまるわけでは当然ありませんのでさほど必要なことではありません。
例えば、エンターテインメント性の高い人が講師だった場合、「楽しかった」と、お客気分になって満足して帰るのがオチです。

研修で必要なのは、そういった面を真似することではありません。

無理に講師のエンターテインメント性を真似しても、その人の性格上無理があればお客様からは高い評価を得ることができませんし、あなたもしんどくなってきます。

研修で必要なのは、その現場でしか得られない知識です。

それを教えてくれるのが「俺の話を聞け」タイプの人です。

研修は研修、ガイド時はガイド時で割り切って対応することが大切ですが、ガイド時はくれぐれも「俺の話を聞け」タイプにならないようにしたいものです。

ガイド業務と車の運転

今日は「ガイド業務と車の運転」と題してお話します。

スルーガイドで他府県からお客様をお連れする場合は別として、地元のガイドが熊野古道の案内をする時に、なくてはならないものが車です。

熊野は公共交通機関はあるものの、運行頻度が少ないので、集合場所、あるいは解散場所までの車での移動は必須となります。

スルーガイド以外のデイガイドでは、和歌山県在住のガイドは車がなくてはガイドができません。

気をつけなければいけないことは、何と言っても安全運転です。
しかし、一口に「安全運転」と言っても、どこを注意すればいいのでしょうか?

集合時間の最低20分前には現場に到着するように家を出る

まずは案内前についてです。

ガイドの中で、時間にルーズな人がいます。
集合時間のギリギリに来る人です。
あなたも経験があると思いますが、時間ギリギリに目的地に到着するというのは、それだけで精神的な余裕がなくなります。

時間に間に合わないかもしれないという焦りから、スピードも出してしまいがちです。
スピードを出すということは、余計に判断力と集中力が必要になってきます。
この時点で、目的地に到着する前から精神的に疲れてしまっています。

また、この余裕のなさが焦りとなり、事故を引き起こしてしまう可能性が大いにありますので、少なくとも集合時間の20分前には到着するように家を出ましょう。

早く出ることにより、万一忘れ物に気づいた時などは自宅から近ければ取りにも行けますし、事故渋滞に巻き込まれた場合でも迂回路があれば間に合うかもしれません。

そもそも、ギリギリに家を出る人って、そういった「まさか」を想定できておらず、「危機管理」という認識に欠けていると言えます。

以前、どことは言いませんが集合場所までの運転中に、後方からものすごい勢いで追い越していった車がありました。
私が目的地に到着するとさっきの車がいて、すでに運転手は車から降りていました。
その姿は、皆地笠に「◯◯語り部の会」と書いたシャツという「お馴染み」のいでたちでした。
このおばさんを見た時、プロとしての意識の低さに軽いショックを覚えました。

金額の多い少ないは別として、お金を頂いている以上はプロなのですから、ガイドの前後にもプロとしての意識を持つべきでしょう。

眠くなったら迷わず寝ろ

次に案内後についてです。

あなたにも経験があると思いますが、案内が終わると肉体的にも、精神的にも疲れ切っています。
また、案内終了後は気が張っていて自覚がなくても、車に乗ってしばらく運転をしていると急に睡魔に襲われることがあります。

特に「マイクロスリープ」と呼ばれる、意識をしていない短時間の睡眠はかなり危険です。

あなたも経験があるかもしれませんが、「気づいたら景色が変わっていた」ということはありませんか?

それがマイクロスリープです。

私は自宅が白浜なので、本宮まで約1時間、新宮まで約2時間、那智勝浦までは約1時間30分かかります。
往復するわけですから、この倍を運転するわけです。

行きはそれこそ気が張っているので眠くなることはまずありませんが、問題は帰りです。
緊張から開放されて気が緩みがちになり、道中で眠くなることはこれまで数え切れないほどありました。

こういった場合、私は駐車できる場所を見つけたらすぐに入ってシートを倒して眠るようにしています。

一番危険なのは、「道の駅すさみ」から白浜までの紀勢道です。
ひとたび眠くなると、駐車できるところはまずありません。
なので、一旦道の駅で休憩して眠気があれば休んでから紀勢道に乗るようにしています。
ほとんどは、仮眠をすれば眠気は飛びますが、眠気が取れない場合があります。
そんな場合は、迷わず国道42号線(いわゆる「下道」)を通りって帰ります。
国道であれば、万一眠くなっても駐車できる場所はたくさんありますからね。

車内で眠る際の注意点として、

■ロックをする
■真夏以外はなるべくエンジンを切る

という点です。

ロックは言わずもがな、防犯のためです。
仮眠中にドアを開けられ、バックバックを奪われるかもしれませんし、女性なら襲われる可能性もあります。
あなたが武術の達人でない限り、ドアロックをして仮眠しましょう。

エンジンをかけたまま眠ると、排気ガスが車内に入ってくる可能性があり、一酸化炭素中毒になる恐れがあります。
どうしてもエンジンをかけたまま眠らなければならないのであれば、外気導入は避け、室内循環に切り替えておきましょう。

また、エンジンを切って仮眠をするもう一つの理由は、長時間眠ってしまわないようにするためです。
長時間眠ってしまうと、判断力が鈍り余計に危険になります。
車中泊をするわけではありませんから、エンジンをかけてエアコン使って快適に眠る必要はありません。

仮眠と言ってもせいぜい30分程度です。
冬でも防寒着を着て眠れば問題ない場合が多いですし、眠っていて寒ければ自然に起きます。
できることならエンジンは切って仮眠しましょう。

あと、重要なのは、仮眠が終わってもすぐに運転しないことです。
一度外の空気を吸って体を動かすなり、トイレに行くなり、自販機で水を買うなりして、引きずっている眠気をリセットしましょう。

運転中に眠くなった場合は?

睡魔は突然襲ってくることがあります。
駐車場所を探すにも、なかなか見つからない場合もあります。
そんな場合はどうすればいいのでしょうか?

私は次のようなことを試して頑張っています。

■カフェインを摂る
■窓を開ける
■大声で歌う
■ハンドルを一定時間強く握る

しかし、これらは所詮一時しのぎです。
一定時間が経つと、また眠気が襲ってきます。
やはり根本の原因を取り除かないと解消されない場合がほとんどですので、仮眠に勝る対処法はないでしょう。

また、「カフェイン」といっても、コーヒーの場合に注意しておかなくてはならない点があります。
砂糖が大量に入った缶コーヒーなどは、砂糖のせいで余計に眠気が増しますので、ブラック一択です。
また、誤解を生みやすいのが「微糖」です。
「微糖」とは言っても、「微糖」に明確な基準がないため、結構砂糖が入っていたりしますので、微糖もバツです。

「眠くなるのはエネルギーが足りないからだ!」と砂糖を摂ることは止めましょう。
逆効果です。
それなら、ブドウ糖タブレットです。
ただし、ザバスのような純粋なブドウ糖です。
市販のものは砂糖が大量に入っているものがあるため、注意が必要です。

まとめ

今日のまとめはいたってシンプルです。

1.集合時間の最低20分前には到着するように自宅を出る
2.眠くなったら迷わず眠る

眠くなったら仮眠を取る。これ以外に方法はありません。
仮眠はせいぜい30分以内にしてください。

以上、ご参考にされてください。


夏の水分補給、やってはいけないベスト5

8月も、気づけば終盤に差し掛かり、もう朝晩は秋の気配が漂ってきましたが、まだまだ日中は30℃を超える暑い日が続きます。
ちょっと話題の季節性が遅いような気がしますが、今回は夏の水分補給についてお話したいと思います。

ガイドでも結構勘違いされている方がいるようなので、ご自身の確認の意味も込めて読んでいただければと思います。

第5位 スポーツドリンクだけを飲む

水分補給にスポーツドリンクは欠かせませんが、これだけだと残念ながら△です。
スポーツドリンクを摂ること自体はいいことなのですが、「原液」のままだと糖分が多すぎます。
一度冷えていないスポーツドリンクを飲んでみてください。
めちゃくちゃ甘く感じるはずです。
糖分というのは、冷たいとあまり感じませんが、温めると甘みが増します。
逆に、塩分は温めると塩辛さが減少し、冷えると増します。
冷えた塩サバが塩辛く感じるのはこのためです。

スポーツドリンクの糖分濃度はおよそ4.5~7%。
それぞれの飲料メーカーが出している糖分濃度については、こちらをご参照ください。

糖分が多いスポーツドリンクイオン飲料

アクエリアスは4.6%、ポカリスエットは6.7%(!)
・・・ちょっと普通に多すぎじゃね?
500 mlで角砂糖3~5個分らしいです。

スポーツドリンクには、アイソトニック系とハイポトニック系があります。
アイソトニックは体液と同じ浸透圧ですが、糖分濃度が高く、約6%入っています。
人間が汗をかいて体内の水分が減り、浸透圧が下がると、この糖分濃度と浸透圧では早く吸収されません。

一方、ハイポトニックは低浸透圧で、汗をかいてしまった体には、こちらの方が早く吸収されます。
糖分もアイソトニックの約半分です。

暑い季節に熊野古道を歩いていれば、汗をかかないことはありません。
歩いている時はハイポトニックを飲むようにしましょう。

では、具体的にハイポトニックとはどんなものがあるでしょうか?

Asahi飲料のスーパーH2Oや、アミノバイタルなどがそうですが、じつは簡単に手に入れることができます。

市販のアイソトニック飲料を水で2倍程度に薄めれば出来上がりです。
最初、味はそっけない感じがしますが、慣れてくれば平気になります。

わたしは、粉末のポカリスエットを買ってきて、規定の2倍に薄めて作っています。
1袋で1リッターですので、その倍、2リッター作ります。

第4位 一度にたくさん飲む

一度に人間が吸収できる量は、約140 ml ~200 mlとされています。
一度にそれ以上摂ってしまうと、吸収されずに排出されてしまいますし、胃腸に負担がかかります。
特に、胃液が薄まれば食欲も減退しますし、消化も悪くなりますので、とりすぎには注意です。

第3位 塩分を摂らない

人間は汗をかくと塩分も失われます。
汗がしょっぱいのはこのためです。

アメリカのフーバー・ダム建設では、塩分を摂らないがために97名もの人が熱中症で命を落としています。
この後、水と塩分のタブレットを作業員に摂取させたところ、「被害」は収まったそうです。

ただし、市販の「塩分タブレット」は、糖分が多いものが多いので注意が必要です。
多少の糖分は必要ですが、基本、砂糖は害悪でしかありません。

「砂糖はエネルギー」とか言っている人がいますが、精製された砂糖自体にその効果がないため、体内のビタミンB1を使ってエネルギーに変えます。
砂糖を大量に摂ったあとに疲れるのは、このビタミンB1が大量に奪われたからです。

砂糖はほどほどにしておきましょう。

即効性のエネルギー補給が必要ならば、ブドウ糖のタブレットの方がずっといいです。
糖分が最終的に分解された形がブドウ糖です。
すでに分解されている形ですので、砂糖のように体内のビタミンB1も消費しません。

第2位 水・お茶だけを飲む

これ、案外多くの人がやっています。
普段の生活であれば特に問題はありませんが、暑い季節に汗をかきながら歩くとなれば、これは問題です。

さきほどの「塩分を摂らない」と共通することですが、人間、汗をかけば塩分も奪われます。
水だけを飲んで体内の塩分濃度が薄まると、いくら水を飲んでも体が「もう十分」と判断し、吸収せずに排出してしまいます。
これが脱水症状を引き起こしますので大変危険です。

特にお茶は利尿作用のあるカテキンが入っているものは「自殺行為」です。
緑茶、烏龍茶、紅茶などは絶対に避けましょう。
弁当屋でも、古道歩きのお客様用に緑茶をつけているところがあります。
春や秋なら問題ないでしょうが、夏だけは麦茶にしてもらいたいものです。

ちなみに、麦茶はカテキンもありませんし、体温を下げる作用があります。
麦茶と塩分の摂取でもいいと思います。

第1位 水分を摂らない

当たり前やろ!という声が聞こえてきそうですが、以外と、熊野古道を歩くお客様に多いパターンで、一番危険なのはいうまでもありません。

理由は「トイレに行きたくないから」

それだけの理由で、頑なに水分を摂ろうとしないお客様が結構います。

ここは、ガイドとしてお客様の安全を守る立場から、毅然と摂取してもらうように言いたいところです。

まとめ

今日は「水分補給、やってはいけないベスト5」としてお話しました。
今日お話したことについて最後にまとめておきます。

第5位 スポーツドリンクだけを飲む
スポーツドリンクが悪いわけではありませんが、汗をかいたなら「2倍薄め」のものを。

第4位 一度にたくさん飲む
人間が一度に吸収できる水分量は約140~200 ml です。
食欲減退、消化不良を起こしますので注意しましょう。

第3位 塩分を摂らない
汗と一緒に出た塩分も補いましょう。

第2位 水だけ、お茶だけを飲む
水だけでは体内の塩分濃度が下がり、結果的に脱水症状を引き起こします。
また、利尿作用のあるカテキンの入ったお茶は避けましょう。

第1位 水分を摂らない
トイレに行くことを嫌がって水分を摂ろうとしないお客様には、きちんと摂ってもらうようにしましょう。
 

以上、お役に立てれば幸いです。

あなたの息、大丈夫ですか?

今回は気にされている方もいるかとは思いますが、息、ずばり口臭についてお話しようと思います。
「なぜ、このような話題を話そうと思ったのか」なのですが、私はたまに、ガイドの方々と話をしたり、ガイド中にトレイニーについてもらったりしていますが、その人と話している時に、離れていても臭う場合があるからです。

その時は言いませんでしたが、後から思うと、その人のために言うべきだったかな?と思います。

口臭予防は最低限のマナー

私達ガイドの仕事は「客商売」です。
当然、息が臭うとそれだけでその人の印象は下がりますし、「面と向かって話してくれるな」と思われているかもしれません。

残念ながら、本人は気付いていないことが多いのです。

口臭は普段の手入れを怠っている証拠

息が臭うというのは、胃に問題がある場合がありますが、大方の原因は、歯垢がたまっているからです。

「いや、そうは言っても俺はきちんと毎日歯磨きしているよ」という声が聞こえて来そうですが、では、1回の歯磨きに何分くらいかけていますか?
一日何回歯を磨いていますか?

私は一日4回、それぞれ3分くらいかけて磨いています。
ちなみに私は夜寝る前の歯磨きには、合計10分ほどかけて磨いています。

まあ、10分とまではいかなくても、せめて3分は磨いていただきたいところです。

丁寧すぎるブラッシング?

「10分も磨けない」と思われた方が大半だと思いますが、歯ブラシだけで10分は、私もさすがに磨けません。
「合計10分」という言葉に、その理由があります。

では、どうしているのでしょうか?

まずはフロス

ブラッシングをする前、私は必ずフロスをします。
歯垢は歯と歯の間、歯と歯茎の境目に多くたまり、それが臭いを発します。
また、虫歯や歯槽膿漏の原因にもなります。

その、隙間に入っている歯垢をフロスで掻き出します。
フロスは歯と歯の間はもちろん、そのまま歯と歯茎の間にも入れて、掻き出すようにして行います。

私は毎日やっていますが、変な話、毎日やっていてもフロスについた歯垢の臭いは強烈ですよ。
ドブの臭いです。

フロスは、初心者ならワックス処理をしているものの方が歯と歯の間にフロスが入りやすいので使いやすいですが、慣れてくればワックスなしのものの方が、歯垢を掻き出す力は強いので、ワックスなしをオススメします。

私のオススメは歯科で販売されているフロアフロスです。
歯と歯の間に入れるとフロスが広がり、歯垢を掻き出す力が結構強いです。
ネットでも買えますよ。

フロアフロス 45m × 2個

次に歯間ブラシ

歯間ブラシは読んで字のごとく、歯と歯の間に入れて軽くゴシゴシします。
フロスでは取り切れなかった歯垢を除去できます。
歯間ブラシはサイズがありますので、ご自身にあったものを使ってください。
まずは細めのものから始めてもいいと思います。

さらにタフトブラシ

フロスが、歯の横面の歯と歯茎の間を磨くのに対し、タフトブラシは、歯の正面側の歯と歯茎の間を磨くものです。
ここに歯垢が溜まりやすいので、鏡を見ながら丁寧に磨きます。
ここまで、歯磨き粉は一切使いません。

最後にブラッシング

ここまで来て、最後にブラッシングです。
歯ブラシ選びも重要です。

電動歯ブラシでもいいと思いますが、そこそこの価格帯のものを買わないと、あまりきれいに磨けません。

私は毛先が細かくて歯と歯茎の間に入り込むもので、ストレートネックの歯ブラシを使っています。
ストレートネックの歯ブラシは、均等に力がかかるので無理なく磨けます。

この毛先が細かい歯ブラシで磨くと、最初は血が出ます(笑)
しかし、使い続けているうちに歯と歯茎の間が締まってくるのが分かるようになります。

強くゴシゴシ磨くのではなく、軽く小刻みに左右に動かしながら磨いていきます。

システマ ハブラシ 超コンパクト ストレートハンドル ふつう 1本

歯磨き粉も重要

市販のものは、研磨剤が入ってるので、毎回それで磨くことはオススメできません。
また、泡が立つのと、香料の清涼感も手伝って磨けているような錯覚を起こしますが、じつはあまり磨けていなかったりします。

私がオススメするのは「ジェルコート」です。
私は歯科医で買っていますが、ネットでも販売しています。

これ、歯を強くするフッ素の含有率が半端ないです。
研磨剤も一切入っていませんし、泡も立ちませんので、「本当に磨けているのか?」と思われる方がいると思いますが、一度騙されたと思って使ってみてください。

私はかれこれ15年くらい、ずっとこれです。

ただし、カテキンが含まれている関係で、これだけで磨いていると茶渋のような色素が歯に付着しますので、週に1回程度は研磨剤入りの歯磨き粉を使うといいと思います。

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マウスウォッシュで仕上げ

最後はマウスウォッシュで終わります。
ここまでで合計10分くらいです。
マウスウォッシュも、あまりブクブクやってしまうと、せっかく歯磨きで歯についたフッ素を全部洗い流してしまうことになりますので、1回口に含んで終わりです。
水ですすぎもしません。
ブクブクするのではなく、ほっぺたをふくらませるようにして含みます。

ちなみに、私は〇〇テリンとか、〇〇ダミンとかは一切使いません。

水で希釈するタイプのコンクールFを使っています。
刺激は一切ありませんし、3~4滴を水で希釈するので結構長持ちします。
私は一日一回しか歯磨き粉やマウスウォッシュを使って磨きませんので、だいたい3ヶ月は持ちます。

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ハイドロフロスもオススメ

ハイドロフロスとは、名前からも想像できると思いますが、水を噴射して歯垢を除去する代物です。
普通のフロスや、歯間ブラシでは落としきれない、歯周ポケットの奥深くに入っている食べかすや歯垢を洗い出してくれます。

また、コンクールFを混ぜて使うとさらに効果的です。

ただし、水流の調整には十分気をつけてください。
下手に強すぎるとかえって歯茎を痛める可能性があります。

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砂糖も控えめに

砂糖は口の中の細菌の餌となり、砂糖を食べて増殖し、それが臭いを発します。
また、ミュータンス菌の餌にもなります。
甘いものを食べて、口が粘つくことがあると思いますが、あれがまさに、細菌が増殖している時だと思います。

唾液には、口の中を洗い流す役割もありますので、時間が経てばその粘つきも収まりますが、プロのガイドとしては、業務中は自らすすんで甘いものを取らないようにしたほうがいいかもしれません。

とは言っても、お客様から「ソフトクリーム食べる?」と言われれば、ありがたく頂戴することも多いですが(笑)

定期検診を受ける

歯科医の定期検診は、強くオススメします。
自分では取り切れなかった歯垢は、やがて歯石になります。
こうなるともはや自分の力で取ることはできなくなってしまいます。
「餅は餅屋」です。
自分の力では取れなくなった歯石を、歯科衛生士さんがきれいに取ってくれます。

私は最近、コロナの影響で行けていませんが、下の歯の裏に歯石があるのか、食後しばらくするとすぐにざらついてきます。
きちんと定期的に検診を受けていれば、歯槽膿漏のチェックもしてくれますし、正しい歯磨きの方法も教えてくれます。

私はこの指導のおかげで、ここ15年虫歯ゼロです。

習慣化することが大切

以前の記事にも書きましたが、きちんとした歯磨きも、習慣化させることが大切です。
始めはなかなか定着しませんが、強制的に一定期間続けていると、「強制」から「習慣」へと変わり、しんどくなくなってきます。

習慣化すればしめたもの。
あとは「しないと気持ち悪い」という感覚になります。

しっかりと口臭ケアをして、お客様を不快にさせないようにしましょう。

この値段、当てられますか?(適正な価格とは?)

いきなりですが、以下の商品の値段を当ててみてください。

1.瓦 (J形53A桟瓦 いぶし 8枚セット)
2.神棚 茅葺神棚屋根通三社造
3.梅干し(プラ容器入り1kg)













正解はこちら

1.瓦 (J形53A桟瓦 いぶし 8枚セット) 4,950円
2.神棚 茅葺神棚屋根通三社造 30,5000円
3.梅干し(プラ容器入り1kg) 4,320円

全部当てる事ができましたか?

近い金額はあったかもしれないですが、すべてをピタリと当てることはできなかったと思います。

たとえば同じ神棚でも、5万円のものもあれば1万円未満のものもあります。

「30万円」と言われて「そう言われればそうなのかなあ」という印象を受けたかもしません。

一般の人が値段を決めることの難しさは、テレビでは古いですが「世界まるごとHow much?」(←古すぎ)や、ぐるナイの「ゴチバトル」でも十分証明されていると思います。

アンカリング効果って知っていますか?

なんで、その価格で売れちゃうの? 行動経済学でわかる「値づけの科学」 (PHP新書)によると、アンカリング効果とは、行動経済学者・ダニエル・カーネマンが提唱し、ノーベル経済学賞を取った考え方ですが、一言でいうと「人は無意識に最初に見せられた数字から大きな影響を受ける」というものです。

その実験として、
学生を2つのグループに分け、宝くじの当選番号を決める時に使用する回転式円盤を回して、出た数字のメモを取らせました。
円盤は、1つのグループのものは10、もう一つのグループは65で必ず止まるように細工がされています。

そのあと、2つ質問をします。
1.国連加盟国に占めるアフリカ諸国の比率は、それよりも大きいですか?
2.では、その比率は何%ですか?

質問2は、円盤で出た数字とはまったく関係ないにも関わらず、
「10」を見せられたグループの平均は、25%
「65」を見せられたグループの平均は、45%

という結果が出たそうです。

アンカリング効果の重要性

「その神棚は30万円です」
「このワインは100万円です」
「このバッグは50万円です」

と言われると「高いと思うけど、そんなものなんだな」となりますし、逆に

「あそこのスーパーの牛乳はいつも198円」
となると、他のスーパーで同じ牛乳を230円で売っていれば買いたくなくなります。

また、同書では、ユニクロが値上げをして顧客が離れてしまったことを例に挙げ、ユニクロは日本国内では「価格破壊を起こしたリーダー」というイメージがあまりにも強く「ユニクロは安いウェア」と、顧客にアンカリングされていたことが原因だと説明しています。

「お得感」<「損失感」

また、人は「得をした」と思うことよりも「損をした」と感じることを回避しようとすることも説明しています。

同じくダニエル・カーネマンが提唱した「プロスペクト理論」の説明で、同書では次のような例を挙げています。

モリさんとハラさんは同じ給料。
モリさんは今年も来年も給料が変わらない。
ハラさんは今年は月給1万円増えて、来年は1万円下がった。

来年の時点では二人とも同じ給料だが、損失感を感じるのはハラさんの方。

人はなるべく損をしないように回避をします。

一旦値下げをし後、再び元の値段に戻しただけでも、お客様は「損をした」と感じます。

著者の永井孝尚氏は、「価格を元に戻すくらいならば、そもそも最初から安売りをしなければよいのである」とバッサリ切っています。

値段に合理的な根拠はない

絶対儲かる「値上げ」のしくみ、教えますの著者・石原 明氏は

経済学では「モノやサービスの値段は需要と供給のバランスで決まる」と教えています。
そのために「すべてのモノやサービスの値段には確たる理由がある」と思っている人が多いですが、実際には値段に合理的な根拠はありません。

と説いています。

さきほどの神棚の話もそうですが、神棚一つとっても、また椅子ひとつとっても、値段はピンきりで、消費者にとって本当の値段というものは分からないものなのです。

銀座の高級寿司店の大トロと、町のお寿司屋さんの大トロでも、味だけで見た時に、その差額分の違いが分かるかというと、正直分からないと思います。

石原氏は「はっきり言って、何にどんな値段をつけようと売る側の自由です」と説明しています。
ただし、「値段には、そのモノやサービスの価値がしっかりと反映されるべき」と断りは入れていますが。

自分の能力を安く売らないで

通訳案内士という仕事は、誰がやってもできるような仕事ではありません。
外国語能力を有し、知識も豊富でコミュニケーション能力も必要です。
さらに、上記の条件を満たしながら熊野古道を案内できるガイドはどれくらいいるのかというと、その中からでも非常に限られてきます。

危機管理能力、体力、自然の知識などの追加要素が必要だからです。

長い時間をかけて下見をし、知識を入れ、体力をつけて晴れて熊野古道ガイドとして活躍できるわけで、軽はずみに「やりたい」といってもすぐになれるわけではありませんし、デビューまでには時間がかかります。

そういった意味でも、お客様には、こと熊野古道のガイドにおいては「付加価値」を理解していただき、ガイドも自信を持って自分が納得できる金額で案内ができるように、自己研鑽を重ねていかなくてはなりません

「自分はまだまだだから」と、金額を安く設定してしまうと、後で上げてもらうことは大変ですし、「安い=レベルが低い」と見られてしまい、お客様・ガイドにとって得なことはありません。

当法人では基本的に値引きはしていませんし、あまりにもこちらとエージェントとの間でガイド料について折り合いがつかない場合はお断りをしています。

値段を低く設定してお客様を取ろうとするガイドや団体が出て来ないことを願って止みません。
また、団体に収める会費やガイド料に対する手数料が安いからといって飛びつくのも考えものです。

はっきり言って、そういった人、および団体は、いずれ苦労することになりますよ。

今日ご紹介した本はこちら

熊野古道ガイドの持ち物

今日は「熊野古道ガイドの持ち物」と題してお話します。
「熊野古道のガイドって、一体どんな持ち物を持っているの?」と疑問に思うこともあるでしょう。

今日は私が普段常備しているものを中心にお話をします。

また、当法人、一般社団法人 和歌山地域通訳案内士会でも、ガイドとしての意識をきちんと持って臨んでもらうよう、認定試験の際には持ち物のチェックをしてその意識付けをしています。

では早速いきましょう。

地図

田辺市が発行している英語の地図です。
https://www.tb-kumano.jp/en/kumano-kodo/maps/

理由は3つ。

1.現在地の把握

自分が今、どのあたりを歩いているのかを把握するためでもありますが(中辺路についてはもう私は必要ありませんが)お客様に地図を見せて説明するためにも使います。

ちなみに私は、地図に記載している標高表を拡大コピーして、ファイルに入れて持ち歩いています。

2.お客様用

すでにお客様が持っていることもありますが、持っていないお客様もいるので、必ず人数分用意しておきます。
また、同じお客様を連日案内している時にたまに起こりますが、持っていた地図を翌朝スーツケースに入れて荷物搬送に出すお客様がいらっしゃいます。
その時のためにすでに渡しているお客様をご案内する時でも、必ず予備に1冊は用意しておきます。

地図は

田辺市観光センター
熊野古道館
世界遺産 熊野本宮館

等の主要観光施設や、宿泊施設でも用意しているところがあります。
無料です。

スタンプ帳

スペインの巡礼道、サンティアゴ・コンポステーラと熊野古道の共通巡礼手帳がありますので、地図と同じく人数分持って行きます。
スタンプ帳の入手先も、地図と同じです。
https://www.tb-kumano.jp/kumano-kodo/dual-pilgrim/

雨具

○レインウェア

ガイドとしては、透湿防水機能を備えたきちんとしたレインウェアが欲しいところです。
GORE-TEXであれば申し分ありませんが、高価ですよね。

最近私は、もっぱらWORKMANの透湿防水機能を備えた、WORKMANでも「そこそこ」の価格帯のものを使っています(それでも上下で7,000円ほどです)
WORKMANは安い割に作りがしっかりしていて、デザインもいいので、GORE-TEX購入を躊躇されている方にはお勧めです(きちんと耐久テストなどもしています)

カタログなどで透湿防水の数値などを見ると、GORE-TEXとWORKMANのレインウェアの性能の違いは歴然ですが、私が以前よく釣りをしていた時に、GORE-TEXを着ていた時と、ぶっちゃけ体感的な違いは分かりません。

また、いくら高くて性能が良いものでも、経年劣化は否めません。
5万円のレインウェアを5年使うのと、安くて機能性のそこそこある7,000円のレインウェアを毎年買い換えるのと比べてみた時に、私なら後者を選びますね。
5年も使ったら飽きますよ(笑)
https://workman.jp/shop/g/g2300067527020/
https://workman.jp/shop/c/c60/

また、お客様を案内している手前、バックパックにいちいちきれいに畳んで入れられないことも多いです。
高いレインウェアなら、なかなかそういう扱いは出来ませんよね。

まあ、これは個人の価値観の問題ですので、GORE-TEXを批判しているわけではありませんよ、念の為。

○折りたたみ傘

熊野古道は結構アップダウンが激しいところが多いですが、中には傘を差して歩くことのできるコースもあります。
また、新宮などの街歩きなどでは、レインウェアを着るよりも現実的です(さすがに神倉神社は傘差しでは危険ですが)

折りたたみ傘は、レインウェアとうまく組み合わせることによって威力を発揮します。
レインウェアを着るまでもない弱い雨の場合や、早春や晩秋、冬期に歩く時などは特に重宝します。
レインウェアだけだと手が濡れてしまい、そこから体温がどんどん冷えていきます。
以前私は3月にレインウェアだけで大雨の中歩いた事がありましたが、濡れた手から体が冷え切って低体温症寸前のところまでいきました。
気温の低い時期の降雨時などは、傘を差せば手が濡れるのを防いでくれます。

しかし、強風の時や、雷が遠くで鳴っている(もちろん近くでも)場合はもちろん使用できません。

腕時計

「時間はスマホで見ている」という方も最近は増えてきたと思いますが、ガイドをするのであれば、腕時計は必須です。
スマホは圏外に入ると、電波を探すためにかなりバッテリーを消費します。
バッテリー切れを起こせば、時間の確認はお客様まかせになってしまいます。

また、たとえ自分はスマホで時間を確認している時であっても、お客様はそうは見てくれない場合もありますので注意が必要です。

メモと筆記用具

気付いたことを書き留めることはもちろん、お客様に場所の名前を教える時や、お客様の名前のスペルを確認したりする時など、用途はたくさんあります。

できれば蛍光ペンも持っておくと便利です。

お客様とお別れする時に、翌日のバスの時刻を教えてあげる時などに、持っている時刻表に印を付けてお渡しすることができます。

ファーストエイドキット

ガイドとしては、お客様が万一怪我などの問題が起こった時のために、絶対に持っておかなくてはならないものです。
以前、和歌山県のスキルアップ研修で参加生に持っているか聞いたところ、1割程度だったことにガイドとしての意識の低さを感じました。

逆に、その前の現場研修でお伝えするべきだったのかなと反省しています。

熊野古道は雨が多いので、私は以下のものをジップロックに入れています。

絆創膏

様々なサイズが入っているセットを用意しておきます。
バックパックの中で揉まれて箱が潰れないように、私は缶入りのものを用意しています(写真は紙箱入り)

消毒液

外国人は、妙なところで潔癖なところがある人が多いようです。
よくお弁当を食べる前に自前の消毒液で手を拭いているお客様を見ます。

また、海外の水事情にも関連してくるのでしょうが、水に対して神経質な方もいます。

ペットボトルに入れた水道水を応急用処置の消毒液として使用し「その水は大丈夫か?」「水道水を消毒に使うのか」と言われたガイドもいるようなので、弁当を食べる時の消毒液を持つ必要はないとは思いますが、怪我した際のものは持っておくべきです。

しかし今後、コロナが収まってお客様が戻ってきた際には、昼食前の消毒液も用意しておく必要が出てきそうですね。

ガーゼ

止血に使います。
「大は小を兼ねる」の言葉通り大きめのものを用意しておけば、必要に応じて切ることができます。
なお、止血の際にはお客様の血に直接触れないよう、ビニール手袋か、なければビニール袋ごしに止血するようにしてください。

テーピングテープ

本来の目的のテーピングに使用することはもちろん、トレッキングポールの応急修理などにも利用できます。
テープは伸縮性のないもので代用できます。

「伸縮性のあるものとないもの、両方持つべき」という意見もありますが、伸縮性のあるものについてはこれまで使用経験がないため、あまり必要ないと思います。

幅は50mmを持っています。
幅が結構広いですが、足の捻挫などで固定をするのであれば、これくらいの幅が必要です。
「大は小を兼ねる」です。

ビニールテープ

トレッキングシューズの応急処置用です。
特に日本人のお客様に多いようですが、数年経ったトレッキングシューズを久しぶりに引っ張り出して来た方に多く見受けられるのが「ソール剥がれ」です。

一旦ソールが剥がれてしまうと、歩くことができなくなりますので、応急でビニールテープをソールと靴ごとグルグルに巻いて補修します。

ビニールテープは伸縮性があるため、曲げ伸ばしを繰り返す靴の補修にも、比較的耐えることができます。
伸縮性のないガムテープで固定してしまうと歩きにくくなるため、お勧めできません。

包帯

包帯を巻くような大怪我をされたことは今までありませんが、万一のために用意しています。

三角巾

手首を骨折した時、足首を捻挫した場合に使います。
上級救命講習では、三角巾の使い方について教えてくれます。
各市町によって開催時期が異なりますし、さほど頻繁にされていない自治体もありますが、受講されていない方は一度受講をお勧めします。

百均の三角巾サイズが小さいのでダメです。
105センチ✕150センチのものが薬局にありますので、それを用意しておくようにしましょう。

ハサミ

テーピングテープやビニールテープを切る時に使います。
手で切れなくはないですが、手がかじかんでいたときなどは困難になりますので、できれば用意しておきたいです。

予備の水

自分の荷物が重くなりますが、必ず予備に新しいペットボトルの水を入れています。
理由は2つ。

1.道中でお客様が水を飲み干した時に差し上げる

出発前に、お客様には水の確認をしますが、特に湿度の高い日などは予想以上に水を消費します。
道中で飲みきってしまうことも度々起こります。
私は普段からあまり水を飲まないので、少々水がなくても大丈夫ですが、お客様はそういうわけにはいきません。

そんな時のために、常に水を用意しています。

2.消毒用

「消毒液があるじゃないか」という声が聞こえて来そうですが、傷口に砂などが大量に付着している場合などは、消毒液では量的に足りない場合があります。
その時は新しい(封を切っていない)ペットボトルの水で傷を洗い流します。

お客様も、その水が新品であるかどうかは封を切る音で分かりますので「これは新しい水ですよ」というのをアピールするために、お客様の目の前でわざと見せながら封を切って、それが新しい水だということを分かってもらい、安心してもらうという意図もあります。

湿布

万一お客様が打ち身や捻挫をした際にお渡しします。
まずは患部を冷やすことが基本ですが、氷嚢を持って歩くわけにはいきませんので、とりあえず湿布で対応します。
可能であれば、お客様に泊まる宿に連絡を入れておいて、ビニール袋と氷を分けてもらえないか確認を取っておくといいと思います(実際にしたことが何回かありますが、だいたい快く対応してくれます)

「コールドスプレーでいいんじゃないの?」と思う人もいるかもしれませんが、あれは単なる気休めです。
ならば、鎮痛剤が入っている湿布のほうが、より効果的だと思います。

持っていればなお良いもの

必須ではないけれども、持っていればなお良いものもご紹介しておきます。

トレッキングポール

私はトレッキングポールを一切使わないですが、自分用に持っておくことも、人によっては必要でしょうね。
特に足腰に自信のない方がアップダウンの激しい熊野古道を歩く際には、トレッキングポールは大きな助けとなります。

ただし、以前の記事「トレッキングポールは安全?」にも書かせてもらいましたが、トレッキングポールへの過信は逆に危険です。
頼るのも、ほどほどにしておいたほうがいいと思います。

また、トレッキングポールを持ってきていないお客様がいて、あまりの起伏の激しさに途中で必要になる(使った方がいいと判断される)お客様もいらっしゃいます。
私はその時用に、特に人数が多い時に一本だけですが、お客様用に用意することもあります。

トレッキングポールには主にアルミ製とカーボン製があります。
カーボン製は非常に軽くて持ち運びにも便利ですが、やや高価です。

また、釣り竿のように伸縮できるタイプと、脱着するタイプがあります。

ヘッドランプ

秋を過ぎた頃からまさに読んで字のごとく「つるべ落とし」で日暮れが急にやってきます。
特に熊野古道の深い杉木立の中では、想像以上に暗くなる時間も早いです。
長距離を案内する場合で特に秋以降は、自分の分と予備を一つ持って行きます。

最終手段はスマホの明かりで対応できますが、バッテリーの消費が心配なので、やはり必要でしょう。

行動食

行動食は、特に長距離を案内する時には必ず持っていくようにしています。
行動食に関しては、お客様も結構持っておられますが、ガイドが休憩時間にあげることも重要だと思います。

私は、井村屋のえいようかん、カロリーメイト、エネルギーゼリーなどは自分用、お客様用にはチョコレートやかりんとうなどを用意しておきます。
ただし、チョコレートは気温の高い季節は溶けますので注意が必要です。

ただし、お客様にアレルギーがないか、事前に確認して用意する必要があります。
特に小麦アレルギーのお客様の場合は、慎重に選ばなくてはなりません。

ビニール袋

ゴミ入れ、止血用に用意しておきます。

ジップロック数枚

突然の雨でお客様の荷物の中に、濡れてはマズイものがあった時などに差し上げることができます。
以前、突然の雨に遭い、パスポートを守るために差し上げたことがあります。

また、道中でお弁当を食べる時に下が濡れている時などは、ジップロックを敷いて座ります。

サイズはLであれば、だいたいの用途に応用ができます。

虫除けスプレー

先程、海外のお客様は、結構潔癖な方が多いと言いましたが、虫に対しても敏感で、お客様自身で持ち歩いている方が多いです。

特に気をつけてもらいたいのがマダニです。

海外のお客様はショートパンツスタイルの方が多く、しまいにやられてしまう人が出ないかと、心配しています。
実際に高原でマダニに咬まれ、10日ほど寝込んだという話も聞いたことがありますし、私は咬まれた経験こそありませんが、桜の葉を触っていた時に、葉っぱから手の指を伝ってマダニが這ってきた姿を見ました。

本当に注意してもらいたいです。

あと、蚊には一定の効果がありますが、ブトウ(ハエを小さくしたような吸血虫)や、アブにはあまり効果がないようです。
虫除けスプレーをしていても咬まれたことがあります。

いずれにせよ、虫の季節は必須ですね。
ちなみに、上記2つの虫除けスプレーは、マダニにも効果があります。

虫刺され軟膏

今ではムカデに刺された時の軟膏も出ています。
ムヒアルファEX は、蚊はもちろんのこと、ムカデやクラゲに刺された時の痒み止めにも効果があるそうです。

・・・熊野古道にクラゲは関係ありませんが。

「ハチ刺されに効果のあるものはありますか?」と薬局の店員さんに聞きましたが、ハチ専用の塗り薬というものはないそうです。

とにかく効く、効かないによらず、虫の季節には持っておくことをお勧めします。
「あのガイドは何も手当をしてくれなかった」とならないようにしたいものです。

ポイズンリムーバー

「効果がない」という意見が大半ですが、私は一応持っています。
先程と同様、「手当をしてくれなかった」とならないようにするためでもあります。
実際には、ハチに刺されたお客様に1回だけ使ったことはありましたが、痛いものは痛いです(笑)
体内に入った毒をあれで吸い取れるかどうかも疑問ですが、手当の有無という観点から、やらないよりはマシでしょう。

以上、熊野古道ガイドの持ち物について今日はお話しました。

上記の中には使用期限があるものがありますので、定期的に期限が切れていないかを確認しておくことも忘れないようにしましょう。

ストレッチの重要性

今回は「ストレッチの重要性」についてお話します。

あなたはストレッチをしていますか?
していても、自己流にやっていませんか?

ストレッチをする目的は次の2点です。

  • 疲労回復の促進
  • 怪我の予防

疲労回復の促進

熊野古道のガイドをしていると、アップダウンの激しいところを歩くことが多く、一日が終わると私はたいてい気力体力を使い果たし「放心状態」となります。

特に下りのきついところなどを案内した後などには、足の疲労は相当溜まっています。

この、足に溜まった疲労物質を取り除く役割をしてくれるのがストレッチです。

案内が一日で終了という場合であれば問題はないですが、私の場合、ピーク月などは一ヶ月に20日程度案内をしています。

その日の最高のパフォーマンスを発揮するには、翌日に疲れを残すとそれだけで「最高」の要素が欠けてしまいます。

常に120%を心がけている私にとって、ストレッチは欠かせないものとなっています。

怪我の予防

当たり前ですが、ストレッチをすることによって筋肉や筋の可動域が広がりますので、歩いている最中に転倒したり足を捻ったりしても、大きな怪我を防ぐ確率は上がります。

万一足に怪我をしてしまい、仕事ができなくなってしまっては、個人事業としてガイドをしている人にとっては収入がなくなってしまいますので、常に自分の体のケアを忘れないようにすることが肝心です。

ご存知のように、力士が強制的に股割りをさせられるのも怪我の予防がその大きな目的ですよね。

思考も固まる

体が硬くなると、心も堅くなります。

心と体は表裏一体です。

体調が悪い時は仕事もはかどらないし、思考も働きませんよね。

朝起きた時に、深呼吸をしてみるとその日の体調が分かります。
息を吸ってから、吐く時にゆっくり糸を出すような気持ちで長く吐いてみてください。
体調が悪い時は「ハアッ」となってそれが続きません。

なので、「体のこわばりは心のこわばり」でもあると言えます。

「最近、頑固になってきたかな?」と感じ始めているなら、もしかして体が堅くなっているかもしれませんよ。

疲れを溜めると体調も悪くなります。
ストレッチでなるべく疲れを溜めないようにしたいものです。

ストレッチのお勧め本

「じゃあ、どうすればいいの?」「本とは言っても、ストレッチの本がたくさんありすぎてどれを選んでいいのか分からない」という方のために、ストレッチに関するお勧め本をご紹介します。

ストレッチ100の基本 増補版 (エイムック 3157)
まずは基本的なストレッチで、全身をくまなく網羅しているものがお勧めです。
この本では「静的ストレッチ」と「動的ストレッチ」について書かれていますが、まずは「静的ストレッチ」だけでいいと思います。
基本的なストレッチに関する本であれば、ぶっちゃけどんなものでも基本は変わりませんが、基本をこれだけ網羅している本は、自分にとって得手のいいストレッチを選択することができますのでお勧めです。

痛みと歪みを治す健康ストレッチ
タイトル通り、痛みと歪みの矯正に重点を置いています。
人間誰しも痛みとまでは行かなくても、歪みは持っています。
この本では、その歪みの矯正ストレッチをして痛みを取り除くことを目的としています。
私はこの本で結構ストレッチについて勉強をしました。
この本も全身のほとんどの場所についてのストレッチが紹介されています。

腰痛・肩こり・ひざ痛にサヨナラ! 30秒ストレッチ
ごく最近、2020年3月31日に出版された本で、腰痛、肩こり、膝痛の解消に焦点を絞った内容です。
最後に正しい姿勢を保つ方法についても書かれています。
当法人のガイドでも、特に腰痛持ちや膝に問題を抱えている人がいるので、これをお勧めしたいですね。

以上、ストレッチは疲労回復、怪我の予防はもとより、心にも柔軟性ができるということをお伝えしました。
ご参考にしていただけたら幸いです。

学びに「遅すぎる」はない

今回は「学びに遅すぎるはない」ということについてお話しようと思います。

あなたは、最近になって何か新しいことを始めましたか?
「50の手習い」という言葉があるように、何か新しいことを始めることは素晴らしいことです。

熊野古道について学び始めたのは2014年から

高野・熊野地域通訳案内士育成の現場研修で、私は講師として偉そうなことを言っていますが、私が熊野古道について学び始めたのは2014年、高野・熊野地域通訳案内士(当時は「特区」通訳案内士)の試験勉強を始めた時でした。

経験でいうとまだ6年です。

それでも受講生の方からは「10年以上の経験があると思っていたような内容だった」と言われることもあります。

法人設立

現在は、一般社団法人 和歌山地域通訳案内士会として法人を立ち上げて活動をしていますが、法人立ち上げに時もかなり勉強をしました。

設立までの手順、揃えなければいけない書類、定款の作成、設立後にしなければならないことなど、時間の許す限り勉強をしました。

行政書士さんなどにお願いすれば、そのへんの手間は省けますが、自分で出来そうだったので勉強して設立しちゃいました。

実際自分でできます。
そんなに難しいものではありません。

エクセル

この期に及んで、今私はエクセルの勉強をしています(笑)
分からないこととググって勉強する日々です。

今までは「必要最小限」のことしか知りませんでしたし、それで十分使えていたのでしなかったわけですが、この新型コロナウィルス(武漢肺炎)のおかげで、事務作業の見直しをする際に、どうしても必要になったからです。

まだまだ人に自慢できるものではありませんが、毎日PCとにらめっこする日々が続いています。

リーダーについて(読書)

私は元々、リーダーになりたくてなったわけではありません。
むしろナンバー2の方が性格的にしっくりきますし、そのほうが実力も発揮出来ると思っていますが、法人のリーダーとなった以上は、そんな言い訳は通用しません。

昨日の記事に書いた「成功の儀式」のなかで読書を入れていますが、今は主にビジネス書を読んだり、偉大な会社経営者の伝記を読んだりしています。

個人的には、「出光佐三 反骨の言魂 日本人としての誇りを貫いた男の生涯 (PHPビジネス新書)」や、「実行力 結果を出す「仕組み」の作りかた (PHP新書)」などに特に影響を受けています。
本についての記事は、また別の機会に譲りますが、読書で自分の世界が大きく広がったことは、大きな収穫です。

時間は有限

今は外出の自粛が続き、外に出ることもなかなか出来ずに気分が滅入りがちですが、この時だからこそ、何か新しい学びを始めるのにはいい機会だと思います。

こんなに時間がある時なんて、学生以外は一生ないかもしれません。

時間は有限で、万人平等に与えられているものです。
この時期にどう過ごすかで、今後の人生に大きな差が出ることになると思います。

この機会に是非、新しい学びを始められることをお勧めします。

長続きしない理由とその改善法

今日は「長続きしない理由とその改善法」と題してお伝えします。

「三日坊主」とはよく言ったもので、本当に3日経てば面倒になったり、その事自体「なかった事」にしてしまい、またいつもの日常に戻ったという経験がみなさんあるかと思います。

その理由についてお話し、どうしたら長続きするのか、そのコツをシェアできたらと思います。

長続きしない理由

  1. いきなりキツいことから始める
  2. 目標設定が明確でない
  3. 進捗状況を計測していない

が挙げられます。
では、それぞれ深堀りしていきましょう。

1.いきなりキツいことから始める

「さあ、これから頑張るぞー!」と決意も新たに始めたものの、次第に始めの頃の熱も冷め、徐々に面倒になり、ついには止めてしまう・・・
こうなる原因の一つに、「いきなりキツイいことから始める」ということが挙げられます。

「ちょっと苦痛かな」と思ったら、もう長続きは絶対にしません。
短期のものであれば「あと1ヶ月」と、目標期間を見ながら頑張ることができますが、それを過ぎればまず続けることはないでしょう。

私が以前極真空手をやっていた時、試合まで半年の日課として、毎日のランニングを課してしました。
私は運動は好きな方ですが、長距離走は性が合わずあまり好きではありません。
しかし、あとにも触れますが「ベスト8に入る」という「目標」があったからこそできたのであって、その目標がなければ絶対に始めてはいませんでした。

その時も、いきなり8kmを走っていたら持続はできていなかったでしょう。
4kmから徐々に距離を伸ばしていき、ついには8kmを難なく走れるようになりました。

また、週3回の筋トレも始めは負荷を小さめにし、徐々に負荷を上げていきました。
最後は腹筋400回、背筋も400回、ヒンズースクワットでは、1100回まで伸ばすことができました。
こうして「小さな成功体験」を積み重ねていけばいいわけです。

いきなりランニング8km、腹筋400回、背筋400回、スクワット1000回もやっていたら、体も心も持たなかったでしょうし、こんなことを10年もやっていたら逆に体を壊してしまいますよね。

・・・結局試合では、2回戦で優勝候補の大本命とぶつかって負けてしまいましたがね(笑)

2.目標設定が明確でない

英語の勉強を例えるなら、勉強をしてどのスキルを伸ばしたいのか明確にしないと、溢れ返る教材や英会話教室に翻弄されて、結局途中で面白くなくなってやめてしまう・・・ということが起こりがちです。

どこに重点を置いてしたいのか、まず始めに明確にしていないと道に迷うことになります。

リスニングを伸ばしたいのか、文法に重点を置くのか、語彙を増やしたいのか・・・
まずは「あれもこれも」としないほうがいいと思います。
語学は4大スキルすべてがリンクしていますが、「話せるようになりたい」と思われているのであれば、「ライティング」はとりあえず必要ありません。
ある程度話せるようになってからでもライティングの勉強は遅くありません。

英語を学ぶ際に挫折する方は、とにかく伸ばしたいスキルに集中することをお勧めします。

さて、私は毎日「成功の儀式」と題して、朝の一番新鮮で貴重な時間に、音楽鑑賞・瞑想・早足歩き・読書をしています。
所要時間は約2時間です。
朝の貴重な2時間を、自分に投資しているわけです。

また、朝晩は必ず神棚に祈りを捧げます。

「成功の儀式」の目的は、「自身の生産性と集中力を上げるため」と「自分で時間をコントロールできているという意識をインプットする」ためです。

朝に「成功の儀式」を行うと、本当に気持ちがスッキリし、頭も冴えてきます。

そんなこんなで、「成功の儀式」は3年目、神棚への祈りは10年目に突入しました。

3.進捗状況を計測していない

始めた時の気持ちというのは、どうしても時間とともに冷めていきます。
ここでその気持を上げるのは「進捗状況を計測する」ということです。

ランニングや筋トレなど、距離や回数で分かるものについては分かりやすいですが、それ以外のものについてはどうすればいいのでしょうか?

やはり「数値化」することが大事だと思います。

「このテキストを10周する」とか、「一ヶ月で60語覚える」とか、数字で見ると進捗状況がわかり「ああ、自分は成長しているな」と感じられるようになり、意欲も増します。

これは先ほどの「目標設定」というところに繋がってきますが、「一ヶ月で60語ということは、一日2語だけ覚えたらいい」となり、気持ちも楽になりませんか?

この積み重ねが、数年後には大きな数字に化けるわけです。

なので、何か数字に表せるように工夫してみるといいと思います。

持続には「習慣化」が鍵

さて、そうはいっても、なかなか続かないかもしれないし、どこまでやればいいか分からないと思います。

続ける時のコツは、意識から無意識に変えることです。

今までの日常に新たな「習慣」を加えるわけですから、始めはどうしても意識的にしないと続きません。
忘れないように、強制的にする工夫が必要です。

たとえば、「毎日2語覚える」ことを目標としていたなら、寝室のドアに単語帳をかけておくとか、「毎朝歩く」と決めていたなら、ベッドの横にジャージを置いて寝るとか。

・・・それすら忘れたら身も蓋もありませんが(笑)

しかし、意識していたことが無意識にできるようになれば、あとはそんなことをしなくても続けられるようになります。

「しないと気持ちが悪いな」という感覚が芽生えてきたらしめたものです。
それは習慣化されています。
空手の試合が終わってからは、好きではないランニングでさえも「走らなかったら気持ち悪いな」と思いました。
すでに習慣化されていたからです。

個人差もあるので一概には言えないですが、習慣化まで最低でも2週間から1ヶ月はかかると思います。

無理はしない

私はガイドをしている関係から、「出勤時間」が不規則です。
早い場合だと、朝5時に家を出ることもあります。
そうなれば、「成功の儀式」をするには最低でも3時には起きなければなりません。
これではさすがに仕事へのパフォーマンスも下がりますので、「ガイドの時は成功の儀式はしない」と決めています。

習慣化が定着していれば、ガイド以外の日は無意識に成功の儀式を始めることができていますので、ここまでくれば逆にやめることができません。

また、英語勉強も毎日していますが、「1時間以上はしない」と決めています。
英語勉強で1時間なんてあっという間で、「もっとしたい」と思うのですが、あえて止めています。

それは「日曜日に7時間」より「毎日1時間」の方が、同じ7時間でも絶対に記憶には定着しているからです。

あ、「TOEICを受ける」とかいう短期の目標があれば話は別ですよ。
ちなみにTOEIC前の4ヶ月は、平日4時間、休日は9時間~10時間勉強していました。
TOEICはTOEIC用の勉強が必要ですからね。

まとめ

今日は「長続きしない理由とその改善法」についてお話しました。

長続きしない理由として

  1. いきなりキツいことから始める
  2. 目標設定が明確でない
  3. 進捗状況を計測していない

持続させるには

  • できる範囲から始める
  • 目標を設定する
  • 進捗状況を計測する
  • 習慣化が必要で、まずは強制的に始める
  • 「意識から無意識への変換」が必要
  • 無理はしない

でした。

ご参考になれば幸いです。